今回はI Royのアルバム

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「Don't Wake Up The Lion!: 14 Toasting
Classics From The Dancehall Master」
です。

I Royは70年代から活躍したルーツ・
ディージェイの中でも、もっとも人気を
博したディージェイです。
その鋭いトースティングで、デビューから
10年間常にトップ・ディージェイの地位
を維持し続けたという人気でした。
75年にI RoyとPrince Jazzboの間で
起きた、「伝説の舌戦」はあまりにも
有名です。

1999年に心臓疾患のため他界しています。

アーティスト特集 I Roy (アイ・ロイ)

今回のアルバムは2007年にUKの
Orange Streetというレーベルからリリース
されたアルバムです。
このアルバムはネットのDiscogsにも載って
おらず、アルバムに対する説明文もどのサイト
にも書かれていない、謎の多いアルバムなん
ですね。

解っているのはこのアルバムがI Royの死後に
作られているので、おそらくはコンピュレー
ション・アルバムと思われること。
バックのメンバー構成から見て、録音が70年
代後半頃だろうと思われる事ぐらいです。

手に入れたのはOrange Streetというレーベル
のCDでした。

全14曲で収録時間は約51分。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Produced by The Now Team

Recorded and Mixed at Harry J Studio, Randy Studio, And Channel One Studio
Engineers: Scientist, Sylvan Morris

Musicians: Super Rockers
Bass: Robbie Shakespeare
Drums: Leroy Horsemouth, Santa
Organ, Piano: Earl 'Wire' Lindo
Guitar: Chinna
Percussion: Scientist
Bongos: Scully
Hornes: T&B
Synthesizers: Pablo, Wire

となっています。

プロデュースはThe Now Teamで、レコーディ
ングとミックスはHarry JとRandy、Channel One
で行われ、エンジニアはScientistとSylvan
Morrisが担当しています。
The Now TeamをDiscogsで調べてみると、
メンバーとしてEdward O'Sullivan Leeという
名前のみが書かれていました。
その名前をクリックして出て来たのが、あの
Bunny Leeでした。
どうやらこのアルバムは「Bunny Lee音源」の
ひとつのようです。

バック・バンドの名前はThe Aggrovatorsでは
なく、Super Rockersとなっています。
ベースにRobbie Shakespeare、ドラムにLeroy
HorsemouthとCarlton 'Santa' Davis、オルガン
とピアノにEarl 'Wire' Lindo、ギターに
Earl 'Cinna' Smith、パーカッションに
Scientist、ボンゴにScully、ホーンにT&B、
シンセにPabloとWireとなっています。
ホーンのT&Bは、Tommy McCook(テナー・
サックス)とBobby Ellis(トランペット)
ではないかと思われます。
シンセにあるPabloはAugustus Pabloで間違い
ないでしょう。
この布陣から見て、70年代後半(遅くても
80年代前半)の音源であると思われます。

さて今回のアルバムですが、1曲目から
ミリタント・ビートの軽快なメロディに乗せた
I Royのノリノリのトースティングが楽しめる
アルバムで、内容は悪くありません。
正直なところものすごく重要なアルバムと
いう訳ではありませんが、バックの軽快な
サウンドはこのルーツ・レゲエからダンス
ホール・レゲエへと移行する時代の空気を
反映していて、そこがこのアルバムの面白い
ところではないかと思います。
ヘヴィーで重厚なサウンドが好まれたルーツ
から、軽快でダンサブルなダンスホールへと
いう空気が、このアルバムにはうまく写し
取られているんですね。
それに乗せたI Royの滑らかなトースティング
が、今回の聴きどころとなると思います。

1曲目は「You Just Can't Hide」です。
軽快なミリタント・ビートのリズムに乗せた
I Royのトースティングが気持ちの良い曲
です。
全体にサウンドが軽めなのが印象的。

2曲目は「Kingston Mall」です。
こちらはホーンをバックに滑らかなI Royの
トースティングが冴える曲です。

3曲目は「Golden Spring Tin」です。
シンセとホーンのイントロから、I Royの
楽し気なトースティングが魅力の曲です。

4曲目は「Come And Go A Zion」です。
花やkなホーンのイントロから、ベースを
軸としたど・渋な演奏に乗せたI Royの
トースティング。
彼らしい個性の出た曲です。

I Roy - Come And Go A Zion


5曲目は「Come Down」です。
リディムはThe Heptonesのロックステディの
ヒット曲「Pretty Looks Isn't All」です。
軽快なリズムに乗せたI Royのトースティング
が冴える曲です。

6曲目は「Hell Pop In Kingston Town」
です。
ホーンのメロディに乗せた滑らかなトース
ティングが魅力の曲です。
この滑らかでよどみのないトースティング
が、彼I Royの武器なんですね。

I Roy - Hell Pop in Kingston Town


7曲目は「Long Time Gal」です。
こちらも明るいホーンのメロディから始まる
曲です。
ベースを軸にシンセやホーンが合間良く
入って来る演奏も魅力。

8曲目は「Wandering, Wandering」です。
ユッタリしたミディアム・テンポのメロディ
に乗せたI Royのシング・ジェイ・スタイル
のトースティングが魅力の曲です。

I-Roy - Wondering (The Classic I-Roy - 1986)


9曲目は「War Is Ugly」です。
こちらもホーンとベースを軸とした軽快な
メロディに乗せた曲です。

10曲目は「Wagoness」です。
リディムはDennis Brownの「Wolf And
Leopards」。
ユッタリしたホーン・セクションのメロディ
に乗せた、I Royのトースティングが光る
曲です。

11曲目は「Jah Rastafari Stand」です。
頭から入るI Royのトースティングと、陰の
あるサックスやギター、ベースなどが良い
空気感を作りだしている曲です。

12曲目は「Girlie, Girlie」です。
ユッタリしたギターのリズムに乗せた、I Roy
の楽しいトースティングが光る曲です。

13曲目は「Check Up The Lion」です。
ダブワイズしたギターのメロディに乗せた
トースティングです。

14曲目は「You Are My Number One」です。
リディムはKeith & Texの「Tonight」。
ベースを軸としたド・渋な演奏に、I Royの
トースティングが冴える曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、やはりI Royの
いかにも頭の回転の速そうなトースティング
は魅力的です。
彼の代表作というようなアルバムではありま
せんが、時代の空気も反映した、それなりに
楽しめるアルバムだと思います。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: I Roy
○アルバム: Don't Wake Up The Lion!: 14 Toasting Classics From The Dancehall Master
○レーベル: Orange Street
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2007

○I Roy「Don't Wake Up The Lion!: 14 Toasting Classics From The Dancehall Master」曲目
1. You Just Can't Hide
2. Kingston Mall
3. Golden Spring Tin
4. Come And Go A Zion
5. Come Down
6. Hell Pop In Kingston Town
7. Long Time Gal
8. Wandering, Wandering
9. War Is Ugly
10. Wagoness
11. Jah Rastafari Stand
12. Girlie, Girlie
13. Check Up The Lion
14. You Are My Number One