今回はBurning Spearのアルバム

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「Spear Burning: Burning Spear Productions
1975-1979」です。

Burning Spear(本名Winston Rodney)は、
レゲエを聴く人なら知らない人は居ない
ほど有名なルーツ・シンガーです。
Studio Oneからデビューした彼は常に
ディープなルーツ・レゲエを歌い続けた
シンガーとしてよく知られています。

Jack Rubbyプロデュースの彼のアルバム
「Marcus Garvey」は、攻撃的なミリタント・
ビートのルーツ・レゲエの定番アルバムとして
よく知られていますが、このアルバムの時
だけRupert WellingtonとDelroy Hinesという
二人のコーラスが付いていて、Burning Spear
という名前は3人組のコーラス・グループの
名前だったんですね。

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Burning Spear - Marcus Garvey (1975)

その後はまたひとりでBurning Spearを名乗り、
数多くアルバムを残した彼は「アフリカン・
ティーチャー(アフリカの先生)」の愛称で
人々の尊敬を集め、さらには12度もの
グラミー賞のベスト・レゲエ・アルバムの賞
を受賞しています。
常にルーツ・レゲエと生きた硬派なシンガー、
それがBurning Spearです。

アーティスト特集 Burning Spear (バーニング・スピア)

今回のアルバムは2001年にUKのレゲエ・
リイシュー・レーベルPressure Soundsから
リリースされた、そのBurning Spearと彼の
プロダクションからリリースされたPhillip
FullwoodやBurning Juniorといったアーティ
ストの音源を集めたコンピュレーション・
アルバムです。
「Burning Spear Productions 1975-1979」
となっているように、1975年から79年
までの音源が集められています。

手に入れたのはPressure Soundsからリリース
されたCDでした。

全16曲で収録時間は約63分。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

All songs written by: Winston Rodney
Produced and arranged by: Winston Rodney

Recorded at: Harry J Studio, Kingston, Jamaica
Engineer: Sylvan Morris

Joe Gibbs Studio, Kingston, Jamaica
Engineer: Errol Thompson

Transferred from disc by Chris Lane @
A-Class Studio, London, England

Mastered by Dave Blackman @
Hiltongrove, London, England

Musicians:
Drums: Lowell 'Sly' Dunbar, Leroy 'Horse Mouth' Wallace
Bass: Aston 'Family Man' Barrett, Robbie Shakespeare
Keybords: Nichael 'Ibo' Cooper, Bernard 'Touter' Harvey,
Earl 'Wire' Lindo
Guitar: Albert Valentine 'Tony' Chin, 'Roots Kingsley',
Bertram 'Ranchie' McLean, Earl 'Chinna' Smith
Trumpet: Bobby Ellis
Tenor Saxophone: Richard 'Dirty Harry' Hall
Alto Saxophone: Herman Marquis
Trombone: Vincent 'Don D Junior' Gordon
Congos: Phillip Fullwood, Winston Rodney
Percussion: Winston Rodney, Noel 'Skully' Simms, Uziah 'Sticky' Thompson

となっています。

作曲とプロデュース、アレンジはWinston
Rodney(Burning Spear)で、Harry Jと
Joe Gibbsで行われ、エンジニアはSylvan
Morris(Harry J)とErrol Thompson(Joe Gibbs)
が担当しています。

ミュージシャンはドラムがSly Dunbarと
Horse Mouth Wallace、ベースがAston 'Family
Man' BarrettとRobbie Shakespeare、キー
ボードがNichael 'Ibo' CooperとBernard
'Touter' Harvey、Earl 'Wire' Lindo、
ギターがTony Chinと'Roots Kingsley'、
Bertram 'Ranchie' McLean、Earl 'Chinna'
Smith、トランペットがBobby Ellis、テナー・
サックスがDirty Harry、アルト・サックスが
Herman Marquis、コンゴがPhillip Fullwood
とWinston Rodney、パーカッションがWinston
RodneyとSkully、Stickyという布陣です。
ミュージシャンの数が多いのは、シングル盤
の録音を集めたコンピュレーションの為と
思われます。

今回のアルバムはBurning Spearの曲とダブ
のほか、Phillip Fullwood、Burning Junior、
Big Joe(競作)の曲やダブが収められて
います。
特にPhillip FullwoodとBurning Juniorは
非常にレアなアーティストのようで、ネット
のDiscogsで調べたところ、Phillip Fullwood
は76年に「Thanks & Praises」とそのダブ
「Love Everyone」、79年に「I Gave You
My Word」とそのダブ「Word (version)」、
Burning Juniorは76年に「On That Day」
という曲をBurning SpearのレーベルSpear
からシングル盤で出しているぐらいしか履歴
が無いんですね。
そういう意味ではけっこう貴重な音源だと
思います。

さて今回のアルバムですが、この1975~
79年というのはBurning Spearがアルバム
「Marcus Garvey」をきっかけに世界的にも
認められて、もっとも充実していた時代なん
ですね。
その時代のアルバムを列挙すると、75年に
「Marcus Garvey」、76年にそのダブ
「Garvey's Ghost」と「Man In The Hills」、
77年にライヴ・アルバム「Live」と「Dry
& Heavy」、78年に「Marcus' Children」と
「Social Living」、79年にそのダブ
「Living Dub Volume 1」と8枚のアルバムが
並びます。

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Burning Spear ‎– Dry & Heavy (1977)

いずれも彼の代表作と言えるようなアルバム
ばかりなんですね。

こうしたアルバムを国際的に発売している
裏で、ジャマイカ国内ではこういう活動を
していましたというのが、今回のアルバム
なんですね。
よりルーツ色の強い楽曲が揃っているのが、
魅力なんですね。

また非常にレアなPhillip FullwoodとBurning
Juniorというアーティストの楽曲も、まさに
ド・ルーツという内容ですごく良いです。
ルーツ・レゲエ好きとしては押さえておきたい
コンピュレーションだと思います。

1曲目はBurning Spearの「Travelling」
です。
ギターのイントロからホーンの重厚な
メロディに乗せた、Burning Spearらしい
重いヴォーカルが魅力。

Burning Spear - Travelling


2曲目はBurning Spearの「Walking
(version)」です。
1曲目「Travelling」のダブです。
こちらは重厚なホーン・セクションの際だつ
ダブ。

3曲目はBurning Spearの「Institution
(discomix)」です。
前半は歌後半はダブのディスコ・ミックス
です。
浮遊感のあるシンセとホーン・セクション
の重厚なバックにBurning Spearの感情を
込めたちょっとしゃがれた歌声、まさに
ルーツらしい1曲。
後半のダブワイズもとても良いです。
このアルバムで2番目に長い6分24秒の
力作です。

BURNING SPEAR - Institution + natural (1977 Spear)


4曲目はBurning Spearの「Natural
(version)」です。
3曲目「Institution」のヴァージョン(ダブ)
です。
3曲目の後半のダブよりもヴォーカルが
少なく、ギター・ソロなどがあったりして、
よりインスト色が強くなっています。

5曲目はBurning Spearの「Free Black
People」です。
こちらはギターを中心としたルーツ色の強い
1曲。

Burning Spear - Free Black People b/w Free (Total Sounds)


6曲目はBurning Spearの「Free (version)」
です。
5曲目「Free Black People」のヴァージョン
(ダブ)です。

7曲目はPhillip Fullwoodの「Thanks &
Praises」です。
こちらも5曲目「Free Black People」の
リディムを使った曲です。
Burning Spearとの違いが面白いところ。
ちなみにこの曲はシングルのB面だった
模様(A面は8曲目)。。

Thanks & Praises / version - Phillip Fullwood


8曲目はPhillip Fullwoodの「Love Everyone
(version)」です。
7曲目「Thanks & Praises」のヴァージョン
(ダブ)です。
雑踏のエフェクトから始まる曲です。

9曲目はBurning Spearの表題曲「Spear
Burning」です。
明るいホーン・セクションのメロディに
乗せたSpear Burningのノビノビとした歌声
の曲です。

Burning Spear - Spear Burning / Jomo (Version)


10曲目はBurning Spearの「Jomo
(version)」です。
9曲目「Spear Burning」のヴァージョン
(ダブ)です。
サイレンのエフェクトが印象的。

11曲目はPhillip Fullwoodの「I Gave You
My Word」です。
ギターのメロディに乗せた、ディープな
ルーツ色の強い曲です。

Phillip Fallwood - I Gave You My Word + WORD VERSION [1979]


12曲目はPhillip Fullwoodの「Word
(version)」です。
11曲目「I Gave You My Word」のヴァー
ジョン(ダブ)です。
蟻田のメロディとズシッと響くベースが魅力
のダブです。

13曲目はBurning Juniorの「On That Day」
です。
こちらもレアなアーティストの1曲。
ホーンのイントロから、心地良いノビのある
ルーツなヴォーカルが印象的な曲です。

Burning Junior - On That Day


14曲目はBurning Spearの「The Youth」
です。
シンセとホーンのメロディに乗せたBurning
Spearらしいヴォーカルの曲です。

15曲目はディージェイBig JoeとBurning
Spearの「The Prophet」です。
連名になっていますが、こちらはほぼBig Joe
のトースティングがメインの1曲。
ルーツ期に活躍したディージェイの、トース
ティングが冴えます。

16曲目はBurning Spearの「Jah No Dead
(discomix)」です。
映画「ロッカーズ」で主人公ホースマウスを
なだめる為海、岸でアカペラで歌うシーンが
有名な名曲です。
こちらは後半がダブのディスコ・ミックスに
なっています。
このアルバムで一番長い7分15秒にも及ぶ
曲です。

Burning Spear Jah no dead


ざっと追いかけて来ましたが、やはりこの
ルーツ・レゲエの時代のBurning Spearは
特別な魅力があります。
こうしたディープなルーツ・レゲエは、
この70年代という特殊な時代にしか聴く
事の出来ない、特殊な音楽なんですね。
そういう意味でこのアルバムは、いかにも
リイシュー・レーベルのPressure Sounds
らしい、よく出来たコンピュレーションだと
思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Burning Spear
○アルバム: Spear Burning: Burning Spear Productions 1975-1979
○レーベル: Pressure Sounds
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2001

○Burning Spear「Spear Burning: Burning Spear Productions 1975-1979」曲目
1. Travelling - Burning Spear
2. Walking (version) - Burning Spear
3. Institution (discomix) - Burning Spear
4. Natural (version) - Burning Spear
5. Free Black People - Burning Spear
6. Free (version) - Burning Spear
7. Thanks & Praises - Phillip Fullwood
8. Love Everyone (version) - Phillip Fullwood
9. Spear Burning - Burning Spear
10. Jomo (version) - Burning Spear
11. I Gave You My Word - Phillip Fullwood
12. Word (version) - Phillip Fullwood
13. On That Day - Burning Junior
14. The Youth - Burning Spear
15. The Prophet - Big Joe and Burning Spear
16. Jah No Dead (discomix) - Burning Spear