今回はThe Maytalsのアルバム

toots_and_maytals_01a

「The Sensational Maytals」です。

The Maytalsはスカの時代から活躍する
3人組のコーラス・グループです
「Bam Bam」や「Monkey Man」などのヒット曲
を持ち、ロックステディからレゲエの時代
まで活躍したグループとして知られています。
Island Recordsと契約後はToots & The Maytals
に改名し、UKの不良少年に人気の「スキン
ヘッド・レゲエ」のグループとして人気を
博しました。

アーティスト特集 Toots & The Maytals (トゥーツ&メイタルズ)

今回のアルバムは1965年にジャマイカの
BMNというレーベルからリリースされた、
アルバムです。
この65年はジャマイカの音楽がスカから
ロックステディに切り替わる直前ぐらいの
時代なんですね。
バックを務めているのはByron Lee &
Dragonairesで、このグループはスカという
よりはメントのグループとして知られて
います。
(メントはスカ以前にジャマイカで聴かれて
いた民族音楽です。)

スカ - Wikipedia

メント - Wikipedia

そのせいか演奏はスカですが、どちらかと
いうと土着的な香りのする演奏です。
そのスカの激しいリズムにも負けない、表情
豊かなコーラス・ワークを披露しています。

手に入れたのはVP Records傘下のレーベル
17 North ParadeからリリースされたCD
でした。

全18曲で収録時間は約44分。
オリジナルは12曲で、13曲目以降の6曲
はCDボーナス・トラックです。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Produced by Byron Lee & Ronnie Nasralla
Recorded & Mixed at Federal Records Mfg. Co Ltd / 1964-1967
Recording & Mixing Eng: Tom Dowd, Richard Khouri

Musicians:
Drums: Barry Lloyd
Guitar: Rupert Bent, Ken Lazarus
Bass: Byron Lee
Organ: Leslie Butler
Percussion: Victor Chung, Carl Brady, Junior Gray
Trombone: Vernon Muller
Saxophone: Sammy Ismay
Trumpet: Frank Anderson, Baba Brooks, Chester Power

Photography: Walley Allen, Brian Motta

となっています。

プロデュースはByron LeeとRonnie Nasralla
で、レコーディングとミックスはFederal
Recordsで1964年から67年に行われ、
レコーディングとミキシングのエンジニアは
Tom DowdとRichard Khouriが担当しています。
65年のアルバムなのに録音が64~67年
となっているのは、13曲目以降のボーナス・
トラックも含めての事と思います。
12曲目までは64~65年の録音なんです
ね。

バックを担当しているByron Lee & Dragonaires
のメンバーは、ドラムにBarry Lloyd、ギター
にRupert BentとKen Lazarus、ベースに
Byron Lee、オルガンにLeslie Butler、パー
カッションにVictor ChungとCarl Brady、
Junior Gray、トロンボーンにVernon Muller、
サックスにSammy Ismay、トランペットに
Frank AndersonとBaba Brooks、Chester Power
という布陣です。
正直なところLeslie ButlerとBaba Brooks
以外はあまり知らない名前です(笑)。

さて今回のアルバムですが、65年という
もう半世紀以上前の音源ですが内容も濃く、
もうこの時代にこれだけの音楽を作って
いたのかと感心させられる内容です。
さすがに今の時代とは使っているトラック数
もかなり違うので、どうしても音の深さは
違うのですが、そうしたマイナス面を割り
引いても、この時代にこれだけ濃厚で複雑
な音楽を作っていたというの驚き以外あり
ません。
多少オールディな感じはありますが、その
熱い空気感は、今の時代に聴いても新鮮で
魅力的です。

特に驚かされるのは、その素晴らしい
コーラス・ワークです。
Byron Lee & Dragonairesの奏でる賑やか
でちょっと泥臭いスカの演奏に負けない
力強いヴォーカルとコーラス・ワークは、
このグループが当時のヴォーカル・グループ
の中でもトップ・クラスの実力を持っていた
事を、ハッキリと示しています。
スカのホーンなどが絡み合う複雑な演奏に、
さらに絶妙に出入りするコーラス・ワーク。
日本ではまだこの時代は単純な歌謡曲を
聴いていた事を考えると、この時代の
ジャマイカがいかに進んだ音楽を作って
いたかがよく解ります。

さすがに50年以上も前の音源なので、
オールディ―な感じは否めませんが、音楽の
クウォリティの高さは驚くべきものがあり
ます。

1曲目は「It's You」です。
ネットの販売サイトの情報によると、この曲
と2曲目「Daddy」は、「米ドリフターズ」
のヒット曲のカヴァーなんだそうです。
そういわれるとソウルフルな曲に聴こえます
が、完全にスカに昇華した手腕は見事です。
トランペットの間奏もグッド。

Toots and The Maytals - Its You


2曲目は「Daddy」です。
こちらはそる・バラードをスカ・バラードに
昇華した曲です。
ギターのイントロから感情を込めたヴォーカル
にコーラス・ワーク、泣きのサックスと、
グッと来る1曲です。

The Maytals - Daddy


3曲目は「Never You Change」です。
ギターとホーンのノリの良いスカのメロディ
に、コーラスからギター・ソロと盛りだくさん
の曲です。

4曲目は「If You Act This Way」です。
スカのリズムに乗せた伸びのあるヴォーカル
にコーラス・ワーク、間奏に入るサックスの
心地良い響き。
スカの魅力がうまくまとめられた曲です。

5曲目は「It's No Use」です。
こちらはギターのメロディに乗せたスカ・
バラードです。
感情をうまく乗せたヴォーカルに、隙間を
埋めるように絡み合うコーラスが絶妙の曲
です。

The Toots & the Maytals - It's No Use


6曲目は「You Make Me Feel The Way I Do」
です。
スカらしいノリの良いリズムに、心地良さ
そうに歌うヴォーカルが魅力的な曲です。
途中から入る高音のオルガンの伴奏もグッド。

7曲目は「What's On Your Mind」です。
こちらは明るく楽しいホーンのメロディに
乗せた曲です。
賑やかで楽しいコーラス・ワークが魅力。

THE MAYTALS - WHAT ' S ON YOUR MIND.wmv


8曲目は「My New Name」です。
ノリの良いホーン・セクションのイントロ
から、勢いのあるヴォーカルとコーラス・
ワークの曲です。
早口のような歌い方も面白いところ。

9曲目は「Fever」です。
スカのノリの良いリズムに乗せた曲です。
複雑に絡み合うコーラス・ワークが魅力。

THE MAYTALS - FEVER.wmv


10曲目は「She Will Never Let Me Down」
です。
こちらはユッタリ目のスカのリズムに、
ヴォーカルとハモるように絡み合う
コーラス・ワークに、サックス・ソロも
キマった曲です。
こうした凝った曲が多いのも、今回の
アルバムの特徴です。

She Will Never Let Me Down


11曲目は「I Know」です。
ホーンのイントロからコーラス・ワークが
キマった曲です。
合いの手のように入るトロンボーンが良い
です。

12曲目は「Tell Me The Reason」です。
刻むギターのメロディから、息の合った
コーラス・ワークが魅力。
間奏に入るホーンも良いです。

13~18曲目まではオリジナルにはない、
CDボーナス・トラックが収められていま
す。
ここでは説明を割愛しますが、16曲目
「Bam Bam」はレゲエ・フェスティバルの
優勝曲で、よく知られている曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、ジックリ
聴いてみると内容はとてもイイんですね。
少しオールディーズ色はありますが、よく
聴くと高度なコーラス・ワークに、ギターや
サックスのソロなど、人を楽しませようと
いうサービス精神に満ちたアルバムで、
充実した内容です。

このThe Maytalsはレゲエの時代になると
Toots & The Maytalsとなり、スキン
ヘッド・レゲエで人気を博します。
そしてその後も活躍を続けるのですが、
それもこのコーラス・ワークという武器
があったからかもしれません。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: The Maytals
○アルバム: The Sensational Maytals
○レーベル: 17 North Parade
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1965

○The Maytals「The Sensational Maytals」曲目
1. It's You
2. Daddy
3. Never You Change
4. If You Act This Way
5. It's No Use
6. You Make Me Feel The Way I Do
7. What's On Your Mind
8. My New Name
9. Fever
10. She Will Never Let Me Down
11. I Know
12. Tell Me The Reason
(Bonus Tracks)
13. Love Is A Special Feeling
14. Peggy
15. When I Laugh
16. Bam Bam
17. Ain't Got No Tip
18. I'm A Big Man