今回はErnie Ranglin (Ernest Ranglin)の
アルバム

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「A Mod A Mod Ranglin」です。

Ernie Ranglin (Ernest Ranglin)はスカの
時代から活躍するジャマイカを代表する
ギタリストです。
スカの時代には伝説のグループThe Skatalites
でそのギターの腕前を披露したほか、多くの
セッションやグループに参加したし、ソロと
しても多くのギタ-・インストのアルバムを
残しています。
ジャマイカを代表するギタリストのひとりが、
このErnest Ranglinなんですね。

アーティスト特集 Ernest Ranglin (アーネスト・ラングリン)

今回のアルバムはジャマイカの音楽がスカから
ロックステディに切り替わる頃の1966年
にFederal Recordsからリリースされた彼の
ソロ・アルバムです。
販売サイトなどの情報によると、彼Ernest
RanglinはFederalに8枚のソロ・アルバムを
残していて、その中で唯一スカの楽曲が収録
されたアルバムが今回のアルバムなんだそう
です。

手に入れたのはUSのK & K Recordsという
レーベルからリリースされた、中古のCD-R
でした。

全18曲で収録時間は約57分。
オリジナルは12曲で、最後の6曲はCD
ボーナス・トラックです。

詳細なミュージシャンの表記はありません。

残念ながら曲目以外の情報はほとんど書か
れていません。
ただネットのDiscogsなどでこのアルバムを
調べると、録音はFederal Records Studio、
プロデュースとアレンジはRichard Khouri、
エンジニアはLouis Davidsonという事が書か
れていました。
おそらく情報が削除されてしまったものと
思われます。

Federal Records Studioはジャマイカ最古
のレコーディング・スタジオで、後にあの
Bob Marleyに買収されてTuff Gongとなった
スタジオです。
スカの時代ぐらいまではここがもっとも設備
の整ったスタジオで、多くのレコードがここ
で録音されています。

リリース特集: Federal Records

さて今回のアルバムですが、多くの販売サイト
にも書かれていますが、Ernest Ranglinが
演奏する「スカとメントと、カリブ海の定番
ヒット曲」が多数収められたギター・インスト・
アルバムで、聴き心地がとても良いアルバム
に仕上がっています。

ついでに説明しておくと、メントはスカ以前
からジャマイカで聴かれていた民族音楽で、
スカは50年代に誕生し60年代にイギリス
の不良少年などの間で流行した音楽で、輸入元
のレーベル名から別名Blue Beatとも呼ばれる
音楽です。
ジャマイカが世界に発信する音楽の歴史は、
このスカから始まったんですね。

メント - Wikipedia

スカ - Wikipedia

残念ながらどれがスカでどれがメントでどれが
カリブ海の定番ヒット曲かの区分がハッキリ
とは解りませんが、レゲエ以前のまだジャマ
イカの音楽がメジャーとして認められる前の
音楽が楽しめる、インスト・アルバムとしては
悪くないアルバムだと思います。
なによりこのErnest Ranglinという人はジャズ
の素養も持った人で、曲のクウォリティを
うまく保った曲作りをしているんですね。
ある意味レゲエ好きのド・ストライクという
アルバムでは無いかもしれませんが、深く
レゲエを知ろうという人には悪いアルバム
ではないと思います。

また一言付け加えておくと、作者は誰かは記載
がないので解りませんが、明らかにUKの
モッズを意識したと思われる、ちょっとサイケ
なジャケットも魅力的です。

1曲目は「La Bostelle」です。
Ernie Ranglinらしいギター・ワークと
コーラスに乗せた曲です。
印象的なフレーズは一つだけなのですが、
それで飽きさせずに聴かせてしまうところ
が、このギタリストのスキルの高さを証明
しています。

Ernest Ranglin La Bostelle


2曲目は「Walk Away」です。
穏やかなユッタリしたリズムに、印象的な
ギターのフレーズを盛り込んだ曲です。
ちょっと浮遊感のあるオルガンが、うまく
曲を支えています。

3曲目は「More And More Amore」です。
こちらはちょっとJazzyでメローな香り漂う、
ギターに乗せた曲です。
アコースティックな魅力があります。

4曲目は「Blowing In The Wind」です。
遊び心があるギターのフレーズが楽しめる曲
です。
ソフトだけれどクール、それがこの人のギター
の魅力です。

5曲目は「Spanish Eyes」です。
こちらも浮遊感のあるオルガンに、ロック
ステディを感じさせるようなユッタリとした
ギターのメロディが魅力的な曲です。

Ernest Ranglin - Spanish Eyes


6曲目は「Archie」です。
こちらは民族音楽を感じさせるコーラス・
ワークに、自在なギターワークが印象的な
1曲。
メントかカリブ音楽の匂いのする曲です。

7曲目は「What Now My Love」です。
こちらも軽快なコーラスに、Jazzyなギター
が印象に残る曲です。

8曲目は「Lemon Tree」です。
印象的なパーカッションから、美しいギター
の音色が耳に残る曲です。
カリブの風を感じる1曲。

ERNIE RANGLIN LEMON TREE LP FEDERAL 200


9曲目は「You Wont See Me」です。
こちらはスカかロックステディを感じさせる、
ギター・ワークが印象的な曲です。
コーラスの入りも効果的。

Ernest Ranglin You Won't See Me


10曲目は「Born Free」です。
穏やかなハモンド・オルガンから、美しい音色
の泣きのギターが情感タップリな曲です。
感情表現豊かなギター・ワークに、この
Ernest Ranglinのスキルの高さが垣間見え
ます。

11曲目は「Felicia」です。
スカらしいストーリーを感じさせるギター・
ワークが魅力の曲です。
カシっと硬いドラミングもグッド。

Ernest Ranglin - Felicia


12曲目は「Somewhere My Love」です。
こちらに気のギターにコーラス・ワークが
うまくマッチした曲です。
スローな曲でもシッカリダレずに作り込んで
います。

Somewhere My Love - Ernest Ranglin


13~18曲目まではCDボーナス・
トラックです。

13曲目は「This Is My Song」です。
スローなギターとピアノのメロディに、さらに
オルガンもうまく絡んだ曲です。

14曲目は「Summer Time Rock Steady」です。
こちらは完全にロックステディのリズムの曲
です。
心地良いギターのフレーズが耳に残る曲です。

15曲目は「Julie」です。
ピアノにサックスにコーラスなどが際立つ曲
です。

16曲目は「Flaming Rock Steady」です。
こちらもタイトル通り、ロックステディらしい
ギター・ワークが耳に残る曲です。
繊細なギターが素晴らしい1曲。

17曲目は「She Wears My Ring」です。
スローなリズムにホーンのフレーズ、遅れて
入って来る繊細さを感じるギター・ワークが
魅力的な曲です。

18曲目は「Am I That Easy To Forget」
です。
ユッタリとしたピアノのイントロから、
素晴らしいギター・ワークが魅了する曲
です。
良い感じで入って来るホーンも魅力。

ざっと追いかけて来ましたが、やはり
Ernie Ranglinのギター・ワークには人を
惹きつける魅力があります。
この人のギターが入って来ると、場の空気
が一変するんですね。
彼がスカからロックステディという時代に、
ジャマイカの音楽界を支えたミュージシャン
のひとりだった事は間違いありません。
その感情表現が豊かなギターは、今の時代
に聴いても充分な説得力があります。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Ernie Ranglin (Ernest Ranglin)
○アルバム: A Mod A Mod Ranglin
○レーベル: K & K Records
○フォーマット: CD-R
○オリジナル・アルバム制作年: 1966

○Ernie Ranglin (Ernest Ranglin)「A Mod A Mod Ranglin」曲目
1. La Bostelle
2. Walk Away
3. More And More Amore
4. Blowing In The Wind
5. Spanish Eyes
6. Archie
7. What Now My Love
8. Lemon Tree
9. You Wont See Me
10. Born Free
11. Felicia
12. Somewhere My Love
(CD Bonus Tracks)
13. This Is My Song
14. Summer Time Rock Steady
15. Julie
16. Flaming Rock Steady
17. She Wears My Ring
18. Am I That Easy To Forget