今回はのFrankie PaulとLittle Johnアルバム

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「Show-Down Vol. 6」です。

Frankie Paulは80年代のダンスホール・
レゲエで活躍したシンガーです。
生まれた時から盲目に近い状態だった彼は、
「ジャマイカのスティービー・ワンダー」と
形容されるほどの実力で、このダンスホール・
レゲエの時代に活躍するんですね。

アーティスト特集 Frankie Paul (フランキー・ポール)

Little Johnは80年代のアーリー・ダンス
ホール・レゲエの時代に活躍したシンガー
です。
10代から活躍した彼はこのアーリー・
ダンスホールを盛り上げた歌手として
知られています。
この人のアルバムの履歴を見てみると、
82年から86年のアルバムがほとんど
で、いかにこの時代に活躍したかが
よく解ります。

アーティスト特集 Little John (リトル・ジョン)

今回のアルバムは1984年にChannel One
から発表されたFrankie PaulとLittle John
のクラッシュ・アルバム(対決盤)です。

このアーリー・ダンスホールの時代には、
こうしたLPの片面ずつに違うアーティスト
を収めたクラッシュ・アルバムが多く作られて
いるんですね。
元々は同じ曲を歌ってその実力を競うという
形だったようですが、徐々に形が崩れて
違う曲でもクラッシュ・アルバムと呼ばれて
いるようです。

このChannel Oneの「Channel One」シリーズ
もクラッシュ・アルバムの人気シリーズで、
83年のLittle JohnとBarry Brownの「Vol.1」
から86年のFrankie JonesとMidnight Riders
の「Vol.9」まで全9作が作られています。

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Little John, Barry Brown ‎– Show-Down Vol.1 (1983)

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Sugar Minott, Frankie Paul ‎– Show-Down Vol.2 (1983)

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Frankie Paul, Coco Tea ‎– Showdown Vol.8 (1986)

その中でもFrankie Paulは3作に、Little
Johnは2作に登場する、このシリーズを支え
たシンガーだったんですね。
こうしたシリーズを通して、Frankie Paulは
その後の活躍の足場を築いて行ったとも言え
ます。

手に入れたのは中古のLPでした。

ちなみにレコード盤の表示は両方「Side A」
となっていて、表示が少しおかしいです(笑)。

Side 1がFrankie Paulの曲が5曲、Side 2が
Little Johnの曲が5曲の全10曲。
書いたように盤面は両方とも「Side A」と
書かれています。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Players: Radics
Drums: Style
Bass: Flabba
Guitar: Bingy Bunny, Dwight Pickney
Keyboards: Steelie
Percussion: Sky Juice

Produced by: Kenneth Hoo Kim
Mixed by: Barnabas, Wayne Hoo Kim
All tracks written by: Frankie Paul, Little John
Art Direction: T. Smith

Rhythm Tracks Recorded at: Channel One Recording Studio
Mixed at: Channel One Recording Studio

となっています。

バックはRoots Radicsで、プロデュースは
Kenneth Hoo Kim、録音はChannel Oneで行われ、
ミックスはBarnabasとWayne Hoo Kimが担当して
います。

ジャケット・デザインはT. Smithという人が
行っています。

さて今回のアルバムですが、このアーリー・
ダンスホールを彩った2人のシンガーの競演と
あって、内容はなかなか良いです。

Frankie Paulは2作目のSugar Minottとの競演
でも、素晴らしい歌声を披露していました。
特に「Worries In The Dance」は圧巻で、この
アーリー・ダンスホールの名曲と言える出来
で、あのSugar Minottを凌駕するほどの実力
を見せ付けています。
この1曲で私の中のFrankie Paulの評価が、
一変したほどの内容なんですね。
今回このアルバムを買ったのも、このアー
リー・ダンスホールの時代のFrankie Paulが
聴きたかったからなんですね。
今回も5曲目「Wicked A Go Feel It」は
鳥肌ものの1曲で、素晴らしい歌声を聴か
せています。

またLittle Johnも悪くはないです。
この人の場合ちょっと歌い方に癖があって、
多少鼻詰まりのような歌い方が耳ざわりに
感じてしまうところがあります。
そうした「残念さん」の部分のある彼ですが、
むしろこの時代のみ活躍した事で、その甘い
空気感が強く印象に残るシンガーなんですね。
今回も多少耳障りな曲もありますが、彼しか
出せない独特のアーリー・ダンスホールらしい
ムードの曲が収められていて魅力です。

よくこのアーリー・ダンスホールの空気を
詰め込んだアルバムで、好きな人にはタマラ
ない内容だと思います。

Side 1にはFrankie Paulの曲が5曲収め
られています。

Side 1の1曲目は「Slave Driver」です。
リディムはJackie Mittoo & Soul Vendorsの
「Darker Shade Of Black」。
Roots Radicsのユッタリしたワン・ドロップ
のリズムに、Frankie Paulのエコーのかかった
ヴォーカル。
このアーリー・ダンスホールらしい空気感
が満載の曲です。

Frankie Paul - Slave Driver (HD)


リズム特集 Darker Shade Of Black (ダーカー・シェイド・オブ・ブラック)

2曲目は「Children Of Israel」です。
印象的なパーカッションに、Frankie Paulの
エコーのかかったヴォーカル。
ちょっとゴロゴロした不思議な感覚の、ダブ
ワイズした凝った作りの曲です。

Frankie Paul & Roots Radics - Children Of Israel


3曲目は「Taking Over」です。
こちらはちょっとドラマティックな、ピアノ
のメロディを中心とした曲です。
Frankie Paulの感情を込めた歌いぶりが、
強く印象に残ります。

4曲目は「Cardboard Where I Lay My Head」
です。
こちらは印象的な陰影のあるピアノのメロディ
に乗せた、Frankie Paulのヴォーカルが光る
曲です。

5曲目は「Wicked A Go Feel It」です。
リディムはAugustus Pabloの「Java」。
Frankie Paulの呻くようなヴォーカルから
始まる、彼の歌唱力が全開の曲です。
絞り出すような彼の歌声に、心を鷲づかみ
にされるような曲です。

Frankie Paul - Wicked A Go Feel It


リズム特集 Java (ジャバ)

Side 2にはLittle Johnの曲が5曲収め
られています。

Side 2の1曲目は「Do The Belly Roll」
です。
ちょっと楽し気なピアノのメロディに、
Little Johnの柔らかいヴォーカルが良い
空気感を醸し出している曲です。

2曲目は「Too Young To Fall In Love」
です。
こちらはちょっとリズミカルなシンセの
メロディに乗せた曲です。

3曲目は「Give Me Woman With The Working
Man」です。
こちらは誰か女性歌手とのデュエット曲です。
良くも悪くも彼のちょっと鼻づまり気味の
ヴォーカルが、印象に残る曲です。
ダンスホールの湿った空気感が魅力。

Little John - Working Woman


4曲目は「All The Girls Across The Ocean」
です。
リディムはThe Heptonesのロックステディの
ヒット曲「Pretty Looks」。
ロックステディの優しいメロディに、Little
Johnの優しいヴォーカルがぴったりとハマった
曲です。

Little John - All The Girls Across The Ocean (10 inch)


5曲目は「Smoke Ganja Hard」です。
いわゆる「ガンジャ賛歌」です。
もちろんガンジャは吸ってはいけませんが
(苦笑)、曲は彼らしさが出た曲で魅力的。

Little John - Smoke Ganja Hard


ざっと追いかけて来ましたが、Frankie Paul
とLittle Johnという、このアーリー・ダンス
ホールの時代に輝いたシンガーの魅力が、
うまく収められたアルバムだと思います。

このアーリー・ダンスホールの時代は
1980年頃から次のデジタルのダンス
ホール・レゲエの時代までのわずか数年しか
続かなかったレゲエの中でも見過ごされがち
な時代ですが、そのわずかな時代に甘く心
に残るメロディを多く生みだした面白い
時代だったんですね。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Frankie Paul, Little John
○アルバム: Show-Down Vol. 6
○レーベル: Channel One
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1984

○Frankie Paul, Little John「Show-Down Vol. 6」曲目
Side 1
1. Slave Driver - Frankie Paul
2. Children Of Israel - Frankie Paul
3. Taking Over - Frankie Paul
4. Cardboard Where I Lay My Head - Frankie Paul
5. Wicked A Go Feel It - Frankie Paul
Side 2
1. Do The Belly Roll - Little John
2. Too Young To Fall In Love - Little John
3. Give Me Woman With The Working Man - Little John
4. All The Girls Across The Ocean - Little John
5. Smoke Ganja Hard - Little John

●今までアップしたFrankie Paul関連の記事
〇Frankie Paul & Coco Tea「Showdown Vol 8」
〇Sugar Minott, Frankie Paul「Show-Down Vol. 2」
〇Frankie Paul, Pinchers「Turbo Charge」
〇Frankie Paul「Casanova」
〇Frankie Paul「Pass The Tu-Sheng-Peng / Tidal Wave」
〇Frankie Paul「The Veteran」