今回はのVarious(オムニバス)ものアルバム

sly_and_robbie_02a

「Unmetered Taxi: Sly & Robbie's Taxi
Productions」です。

Sly & Robbieは、ドラマーのSly Dunbarと
ベースのRobbie Shakespeareからなる
ジャマイカ最強のリズム隊です。
彼らはもともとジャマイカのスタジオ・
ミュージシャンとしてThe Aggrovatorsや
The Revolutionaries、The Professionals
など数多くのバンドで活躍していました。

Sly Dunbarはこの70年代のルーツ・レゲエ
の時代に「ロッカーズ(ミリタント・ビート)」
や「ステッパーズ」というレゲエ独特のビート
を生み出したことでも知られています。
このSly DunbarをリーダーとするChannel One
のハウス・バンドThe Revolutionariesは、その
攻撃的なミリタント・ビートを武器に、
70年代後半のジャマイカの音楽界を席巻
したんですね。

80年代になるとこの2人はSly & Robbieの
コンビ名で、Peter Toshの海外公演やBlack
Uhuruの海外進出の手助けをしたり、世界を
舞台に活躍し始めるんですね。
そして自身のレーベルTaxiを拠点として、世界
最強のリズム・セクションという地位を確立
していくんですね。
そうして70年代より数多くのバンドで活躍
し、ジャマイカのレゲエという音楽に大きな
役割を果たしたのが、このSly & Robbieという
人達です。

Taxi (タクシー)

スライ&ロビー - Wikipedia

今回のアルバムは2004年にUKのレゲエ・
リイシュー・レーベルPressure Soundsから
リリースされた、そのSly & RobbieのTaxi
レーベルの音源を集めたコンピュレーション・
アルバムです。

全21曲で収録時間は約76分。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Musicians:
Drums: Lowell 'Sly' Dunbar
Bass: Robbie Shakespeare
Guitar: Danny Brownie, Radcliffe 'Duggie' Bryan, Mikey Chung,
Bertram 'Ranchie' McLean, Keith Richards on "Shine Eye Girl",
Robbie Shakespeare, Lloyd 'Gitsy' Willis
Piano, Keyboards: Ansel Collins, Robbie Lynn, Errol Nelson,
Keith Sterling
Saxophone: Felix 'Deadly Headley' Bennett, Dean 'Youth Sax' Fraser,
Tommy McCook
Trombone: Ronald 'Nambo' Robinson
Trumpet: Junior 'Chico' Chin, Clive 'Azul' Hunt
Percussion: Noel 'Scully' Simms, Uziah 'Sticky' Thompson

Recorded and Mixed at: Channel One Recording Studio, Kingston, Jamaica
Engineered by Anthony 'Soljie' Hamilton, Ernest Hookim, Barnabas
Mixed by: Anthony 'Soljie' Hamilton
Produced by: Sly Dunbar & Robbie Shakespeare

Project Co-ordination: Pete Holdsworth
Artwork & Design: Jeb Nichols
Photography: Beth Lesser

となっています。

Sly & Robbieの他、'Ranchie' McLeanやAnsel
Collins、Tommy McCookなど、70年代から
80年代に活躍したスタジオ・ミュージシャン
が多く参加しています。

中でも面白いのがゲスト・プレイヤーとして
ロック・バンドThe Rolling Stonesのギタリ
ストKeith Richardsが、Black Uhuruの「Shine
Eye Girl」でギターを弾いている事です。
この当時The Rolling Stonesもレゲエにすごく
興味を抱いていて、The Wailers脱退後の
Peter Toshにレゲエの手ほどきを受け、彼を
自身のレーベルからレコードを出させたり
しています。
メジャーで活躍したBlack UhuruやSly & Robbie
とも、何らかの接点があったと思われます。

収録されているアーティストはDennis Brown、
The Viceroys、Black Uhuru、The Tamlins、
Struggle、The Wailing Souls、Jimmy Riley、
Thriller、Amblique featuring Brian & Tony
Goldと多彩です。
そうした歌手の曲とSly & Robbie、あるいは
Sly, Robbie and The Taxi Gang、あるいは
Sly & Robbie and The Revolutionariesという
ユニットのヴァージョン(ダブ)が交互に収め
られているのが今回のアルバムです。

さて今回のアルバムですが、ルーツ・レゲエが
円熟した70年代後半から、ジャマイカでは
アーリー・ダンスホール・レゲエが流行した
80年代前半ぐらいの時代の音源が集められた
アルバムで、このSly & Robbieという最強の
リズム隊の活躍がよく解る内容で、なかなか
良いです。

音源としては80年代前半の音源も多く入って
いると思うのですが、今回のアルバムからは
あまりアーリー・ダンスホールの影響という
のは感じられません。
この80年代の前半ぐらいはSly & Robbieは、
Black Uhuruの海外ツアーにリズム隊として
参加す事が多く、ジャマイカを留守にする事
が多かったんですね。
その間にジャマイカで流行り始めたのが
ダンスホール・レゲエであり、彼らが居なく
なって休止状態だったThe Revolutionaries
に代わってそのバックを務めたのがRoots
Radicsだったんですね。

つまり初期のダンスホール・レゲエには、
Sly & Robbieはあまり関わっていないん
ですね。
どちらかというとルーツ色の強い内容ですが、
それでも薄っすらと時代の変わり目の空気の
匂いがします。
そうしたところも案外魅力的なのが、今回の
アルバムなんですね。

1曲目はDennis Brownの「Revolution」です。
ちょっと陰のあるピアノのメロディに、淡々
と演奏するRobbieのベースがうまくDennis
Brownのヴォーカルを引き立てている曲です。

2曲目はSly & Robbieの「Version」です。
1曲目Dennis Brownの「Revolution」の
ヴァージョン(ダブ)です。
歌が抜けている分余計にベースと合間よく
入るピアノが際立ちます。

Sly & Robbie "Revolution" version


3曲目はDennis Brown「Revolution [Dub
Plate Mix]」です。
1曲目Dennis Brownの「Revolution」の
[Dub Plate Mix]です。
2曲目よりはDennis Brownのヴォーカルも
入ったダブ・ヴァージョンです。

4曲目はThe Viceroysの「Heart Made Of
Stone」です。
こちらもピアノのメロディと重いベースの
リズムを軸としたバックに、名ヴォーカル・
グループの歌声が心地良い1曲。
「クァックァッ」というアヒルの鳴き声の
ようなエフェクトが面白い曲です。

Viceroys Heart made of stone & dub


5曲目はSly & Robbieの「Version」です。
4曲目はThe Viceroysの「Heart Made Of
Stone」のヴァージョン(ダブ)です。
こちらの方がアヒルの鳴き声のような
エフェクトがより際立ちます。
淡々としたSly & Robbieのリズム隊の演奏
との対比が面白いところ。

6曲目はBlack Uhuruの「Shine Eye Girl」
です。
この曲でThe Rolling StonesのKeith Richards
が、ギターを弾いています。
重いベースとピュンピュンいうエフェクトが
耳に残る曲です。

7曲目はSly & Robbieの「Version」です。
6曲目Black Uhuruの「Shine Eye Girl」の
ヴァージョン(ダブ)。

8曲目はThe Tamlinsの「Real Love」です。
ちょっと引っかかるようなギター・ワークが
面白い曲です。

Junior Tamlins Feat. Sly & Robbie - Real Love


9曲目はSly & Robbieの「Version」です。
8曲目The Tamlinsの「Real Love」のヴァー
ジョン(ダブ)。

10曲目はStruggleの「Rocky Music」です。
ユッタリしたメロディに、心地良いヴォーカル
という1曲。
シッカリ刻むようなワン・ドロップが印象的。
こちらはかなりアーリー・ダンスホールな曲
です。

Struggle - Rocky Music 2


11曲目はSly, Robbie and The Taxi Gangの
「Music Dub」です。
10曲目Struggleの「Rocky Music」のダブ。
こちらはRobbieのベースが際立つダブで、遠く
で聴こえるような歌声が面白い曲です。

12曲目はThe Tamlinsの「Baltimore」です。
こちらはホーンも入ったちょっと重いバック
に、伸びのあるヴォーカルが冴える、ソウル
フルでドラマティックな曲です。

7'' The Tamlins - Baltimore (& Dub)


13曲目はSly & Robbie and The
Revolutionariesの「Version」です。
12曲目The Tamlinsの「Baltimore」の
ヴァージョン(ダブ)です。

14曲目はThe Wailing Soulsの「Old Broom」
です。
80年代に人気を博した名コーラス・グループ
の、ユッタリしたワン・ドロップのリズムが
心地良い1曲。

15曲目はSly & Robbieの「Version」です。
14曲目The Wailing Soulsの「Old Broom」の
ヴァージョン(ダブ)です。

16曲目はJimmy Rileyの「Love & Devotion」
です。
Jimmy Rileyの代表曲のひとつともいえる曲
です。
ユッタリしたワン・ドロップが心地良い1曲。

Jimmy Riley - Love and Devotion


17曲目はSly & Robbie and The
Revolutionariesの「Drunken Master」です。
16曲目Jimmy Rileyの「Love & Devotion」
のヴァージョン(ダブ)です。

18曲目はThrillerの「Tickle Me」です。
こちらはベースを軸としたシブ目の演奏に、
Thrillerのヴォーカルが楽しい1曲。

19曲目はSly, Robbie & The Gangの
「Version」です。
18曲目Thrillerの「Tickle Me」の
ヴァージョン(ダブ)です。

20曲目はAmblique featuring Brian &
Tony Goldの「Taxi」です。
Sly & Robbieのレーベル名にもなっている
曲です。
Slyという名前はソウルのSly Stoneから付け
られたというほど、実はSly Dunbarはソウル
好きなんですね。
そうした彼の好みが出たソウルフルな曲です。

Ambilique - Taxi


21曲目は表題曲になっている、Sly Dunbarの
「Unmetered Taxi」です。
20曲目Amblique featuring Brian &
Tony Goldの「Taxi」のヴァージョン(ダブ)。
合間よく入るホーンが魅力的な曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、このレーベル
を作った事でSly & Robbieも、やっと自分の
したい音楽が出来る環境が整ったんだと思い
ます。
その後もこのレーベルから自分たちのダブを
リリースしたり、今も活躍を続けているのが
このSly & Robbieなんですね。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Dennis Brown ft Sly Robbie Revolution



○アーティスト: Various
○アルバム: Unmetered Taxi: Sly & Robbie's Taxi Productions
○レーベル: Pressure Sounds
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2004

○Various「Unmetered Taxi: Sly & Robbie's Taxi Productions」曲目
1. Revolution - Dennis Brown
2. Version - Sly & Robbie
3. Revolution [Dub Plate Mix] - Dennis Brown
4. Heart Made Of Stone - The Viceroys
5. Version - Sly & Robbie
6. Shine Eye Girl - Black Uhuru
7. Version - Sly & Robbie
8. Real Love - The Tamlins
9. Version - Sly & Robbie
10. Rocky Music - Struggle
11. Music Dub - Sly, Robbie and The Taxi Gang
12. Baltimore - The Tamlins
13. Version - Sly & Robbie and The Revolutionaries
14. Old Broom - The Wailing Souls
15. Version - Sly & Robbie
16. Love & Devotion - Jimmy Riley
17. Drunken Master - Sly & Robbie and The Revolutionaries
18. Tickle Me - Thriller
19. Version - Sly, Robbie & The Gang
20. Taxi - Amblique featuring Brian & Tony Gold
21. Unmetered Taxi - Sly Dunbar