今回はThe Viceroysのアルバム

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「Ghetto Vibes」です。

The Viceroysはレゲエの前身ロックステディ
の時代から活躍する3人組のコーラス・
グループです。
2002年シンコー・ミュージック刊行の本
「Roots Rock Reggae」にはこのグループに
ついて次のような解説文があります。

「キャリアのスタートは60年代末のスタジオ・
ワン。最初は”Voice Roys”と名乗っていた。
70年代に入るとウィンストン・ライリー(テ
クニクス)のもとへインターンズ(Inturnes)
名義で「Mission Impossible」などのヒットを
記録。70年代中期にはスタジオ・ワンに
戻ってまたヴォイス・ロイズ名義で吹き込むと
いうように、レーベルによって名義を使い分け
るという珍しいパターンのグループだった。
(後略)」

The Viceroys以外にもThe Inturnes名義でも
活動しているグループなんですね。

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Inturns ‎– Consider Yourself (1978)

その後も長く活動を続け、近年でもあの
Chinna Smithの「Inna De Yard」シリーズ
のアルバムも残しています。

The Viceroys - Wikipedia

今回のアルバムは2006年にレゲエ・リイ
シュー・レーベルJamaican Recordings傘下
のKingston Soundsからリリースされた
アルバムで、The Viceroysの70年代の未発表
音源を集めたアルバムのようです。

The Viceroysというとキャリアのスタートは
60年代の終わり頃と早く、名門Studio One
に「Ya Ho」というヒット曲を残しているもの
のそのアルバム・デビューは遅く、なんと!
80年代のアーリー・ダンスホールの時代に
ようやくアルバム・デビューを果たした
グループなんですね。

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The Viceroys ‎– The Viceroys At Studio One: Ya Ho (1995)

今回のアルバムはそのアルバム・デビューを
果たす前の、ちょっと不遇だったルーツ期の
音源という事になります。

全14曲で収録時間は約43分。
オリジナルは12曲で、2曲のCDボーナス・
トラックが付いています。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

The Viceroys: Wesley Tinglin, Linval Williams, Daniel Bernard

Musicians include:
Drums: Carlton Barrett, Sly Dunbar, Roy Wade
Bass: Aston 'Familyman' Barrett, Robbie Shakespeare, Boris Gardiner
Guitar: Gitsi Willis, Jackson Jones, Steve Golding
Piano, Keyboards: Rubeck, Snapping, Allah
Horns: Bobby Ellis, Lloyd Deslandes, Marquis
Recorded at: Channel 1, Randy's Studio17, Treasure Isle, King Tubby's

Photography: Jah Floyd Archive
Design by: G. Hall at Voodoo London

となっています。

Sly & RobbieやBarrett兄弟、Boris Gardiner、
Bobby Ellisといったなかなかの人がバック
の演奏を担当しています。

今回のアルバムにはプロデューサーの記載が
ありません。
スタジオがChannel 1にRandy's Studio17、
Treasure Isle、King Tubby'sと多い事から、
様々なスタジオに残されていた音源をかき
集めて1枚のアルバムにしたものかもしれ
ません。

さて今回のアルバムですが、1曲1曲は
悪くはないのですが、全体を通して聴くと
ちょっとインパクトが弱いかなぁという
印象があります。
そのあたりがこのグループがルーツ期に
別名ユニットThe Inturnesのアルバム
1枚しか出していなかった理由かもしれ
ません。
ただそのルーツ期の下積みが後のダンス
ホール期の躍進に繋がった訳で、よく聴く
と曲はそれほど悪くないんですね。

「Sometimes」という曲では(Channel One
Version)と(Randy's Studio 17 Version)が
入っていたり、なかなか面白いところが
あるアルバムなので、聴いてみて損のない
アルバムだと思います。
(LPには(Randy's Studio 17 Version)は
入っていません。)

1曲目は「See Dem A Come Deh」です。
明るいホーンのイントロから刻むよなギターと
オルガンに乗せた曲です。
余裕のあるヴォーカルに合間よく入るコーラス
が印象的。

The Viceroys - See Dem A Come Deh


2曲目は「Sometimes (Channel One Version)」
です。
茫洋としたトロンボーンのイントロから、
刻むようなギターのフレーズに乗せた、
一言一言をかみ締めるように歌うヴォーカル
が印象的。

The Viceroys - Sometimes By Lloyd Deslandes - Channel One Version_1972


3曲目は「What You Make It」です。
こちらはピアノのリリックなメロディに
乗せた曲です。
余裕のある歌いぶりが印象に残ります。

4曲目は「Live Come See」です。
こちらはホーンのメロディに乗せた曲です。
ちょっとかすれたヴォーカルに、まるで
デュエットするように絡むホーンが魅力。

The Viceroys - Live Come See


5曲目は「Baldhead」です。
浮遊感のあるシンセにダブワイズしてエコー
のかかったヴォーカル。
このルーツ期らしい1曲。

6曲目は「You」です。
ちょっとファンキーさのある刻むギターに
ホーン、エコーのかかったヴォーカルという
曲です。

7曲目は「What The World Needs Now」です。
浮遊感のあるオルガンのメロディに、伸びの
あるコーラスエコーのかかったヴォーカルと
いうちょっとメローな曲です。

8曲目は「How Much (I Don't Know)」です。
オルガンのイントロから刻むようなギターに
乗せた、伸びのあるヴォーカルの曲です。

9曲目は「Depression」です。
この時代らしいギターの刻むようなフレーズ
に乗せた曲です。
ヴォーカルに被さるような入って来る
コーラスが魅力。

The Viceroys - Depression


10曲目は「Baby I Love You」です。
ファンキーなピアノと刻むギターに乗せた、
ラヴ・ソングのようです。
かすれたヴォーカルのリラックスした雰囲気
がとても良いです。

THE VICEROYS - Baby I Love You


11曲目は「Railroad Man」です。
こちらはファンキーなピアノに乗せた
ソウルフルな1曲。

12曲目は「Get Out」です。
特徴的なシンセのメロディから、ピアノと
刻むギターに乗せた曲です。

13~14曲目はCDボーナス・トラック
です。

13曲目は「Sometimes (Randy's Studio 17
Version)」です。
こちらは(Channel One Version)で印象的
だったトロンボーンが入っていない、
(Randy's Studio 17 Version)です。
その分刻むようなギターが活躍しています。

14曲目は「What You Make It Dub」です。
3曲目「What You Make It」のダブです。
ダブワイズの効いた1曲。

ざっと追いかけて来ましたが、やはり寄せ
集めの為か多少散漫な感じがあります。
ただ1曲1曲聴くと内容は悪くないんです
ね。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: The Viceroys
○アルバム: Ghetto Vibes
○レーベル: Kingston Sounds
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2006

○The Viceroys「Ghetto Vibes」曲目
1. See Dem A Come Deh
2. Sometimes (Channel One Version)
3. What You Make It
4. Live Come See
5. Baldhead
6. You
7. What The World Needs Now
8. How Much (I Don't Know)
9. Depression
10. Baby I Love You
11. Railroad Man
12. Get Out
(CD Bonus Tracks)
13. Sometimes (Randy's Studio 17 Version)
14. What You Make It Dub