今回はSoul Syndicateのアルバム

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「Harvest Uptown / Famine Downtown」です。

Soul Syndicateはジャマイカの伝説的なギタリ
ストEarl 'China' Smithをリーダーとする
グループです。
グループとして今回のアルバム「Harvest Uptown」
など数枚のアルバムを出している他、バック・
バンドとしてもNiney The Observerプロデュース
のアルバムなど、数多くの素晴らしいアルバムを
残しています。

Soul Syndicate - Wikipedia

High Times (ハイ・タイムズ)

今回のアルバムは1977年にEpiphany
Recordsというレーベルからリリースされた
彼らのファースト・アルバムです。
このSoul Syndicateと'China' Smithの代表曲
とも言える「Mariwana」のほか、Junior Byles
の曲「Fade Away」のカヴァーや、ソウルフル
な楽曲「We Got Love」など、興味深い曲が
多く収められたアルバムになっています。

手に入れたのは日本のキング・レコード
傘下のアブソード・ミュージック・ジャパン
(AMJ)というレーベルから出ている中古の
CDでした。

全15曲で収録時間は約61分。
オリジナルは9曲で曲順もだいぶ違っていた
ようです。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Producd by Warren Smith, Chinna Smith & Soul Syndicate

Lead & Rhythm Guitar, Lead Vocals, Harmony: Earl 'Chinna' Smith
Lead & Rhythm Guitar, Harmony: Tony 'Valentine' Chin
Bass, Harmony: George 'Fully' Fullwood
Drums, Percussion, Lead Vocals, Harmony: Max 'Feelgood' Edwards
Keyboards, Harmony: Richard 'Jamaka' Johnson
Lead Vocals, Harmony: Donovan Carless
Trumpet, Harmony: Arnold Breckenridge, Donald Greaves
Tenor Saxophone, Harmony: Enroy 'Tenor' Grant
Acoustic Piano: Earl 'Wire' Lindo

Recorded at Harry J. Studio and Aquarius Recording Studio, Kingston, Jamaica, February - March 1977
Rcording Engineers: Sylvan Morris, Stephan J. C. Stanley
Mixing Engineer: Chris Brunt, Indigo Ranch, Malibu, Calfornia
Additional recording at Gooseberry Studio, London by Dennis Bovell, 1980
Additional mixing at Loggo's Studio, Kingston, Jamaica by Bravo, 1994
Digitally mastered at Cloud Nine Studios, Chico, California by Mark diAnthony
Design: John William Burke / Rastagrafix
Photography: Eugenia H. Polos / Eye & Eye Photography (front), Linda Simon-Rarey (back)
Art Direction & Design: Hugh Grew
Graphics Engineer: Dan Newman
Re-issure Producer: Mark Gorney

となっています。

今回のアルバムは表ジャケが3つ折りになって
おり、その1ページにメンバーの写真が載って
いました。

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メンバー写真
Back: Tony Chin, Donovan Carless, Donald Greaves, Richard 'Jamaka' Johnson
Front: George 'Fully' Fullwood, Enroy 'Tenor' Grant, Max Edwards, Earl 'Chinna' Smith, Arnold Breckenridge

この集合写真ではアコースティック・ピアノの
Earl 'Wire' Lindoが抜けているようですが、
だいたいこの9人から10人ぐらいがこの当時
のメンバーだったようです。

解説文によると、メインのヴォーカリストは
ドラムのMax 'Feelgood' Edwardsだったよう
です。
Chinnaのリード・ヴォーカルとありますが、
「Mariwana」か?

なおこのバンドの創始者はEarl 'Chinna' Smith
ではなく、ベースのGeorge 'Fully' Fullwood
だったんだそうです。
このアルバムの表ジャケの内側に会田裕之さん
という方の解説文があり、そこに書かれていま
した。
ただ徐々に'Chinna' Smithがイニシアティヴ
を取るようになって行ったとのこと。

今回のアルバムのタイトルは「Harvest Uptown
/ Famine Downtown」ですが、日本盤のタイトル
は、単に「ハーベスト・アップタウン」と
なっていました。
実は曲のタイトルも「Harvest Uptown」では
なく、もともとは「Harvest Uptown, Famine
Downtown」なんですね。
そしてジャケットも表は「Harvest Uptown」、
裏ジャケに「Famine Downtown」の文字があり
ます。

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裏ジャケ

解説文にもありますが、「富あるアップタウン
/貧しきダウンタウン」というタイトルで、
ジャケットも麦の穂にトウモロコシを頬張る
男の顔(表ジャケ)と縄で縛られた腕(裏
ジャケ)という、社会問題を含んだ対照的な
絵柄なんですね。
実は凝ったジャケットで、このデザインに
John William BurkeとHugh Grewという人の
名前があります。

さて今回のアルバムですが、長年バック・
ミュージシャンとして活躍してきた人達の
アルバムなので、あまり力み過ぎずに
リラックスした空気感があるのが最大の魅力。
さらに自分のしたい音楽、おそらく創始者の
George 'Fully' Fullwoodの好みか、かなり
アメリカのソウルやファンクに影響を受けた
ソウルフルな音楽を展開しています。
その気張らずにソウルフルな音楽は、何度
聴いても飽きない魅力があります。

特に代表曲ともいえる「Mariwana」や表題曲
の「Harvest Uptown」、ソウルフルな
「We Got Love」は、彼らのレゲエ+ソウル魂
が結実したような曲で、他のアーティストでは
けっして作れなかった魅力があります。

1曲目は「Brass Attack 」です。
こちらはオリジナルにはないインスト・
ナンバーです。
途中にCrlton & The Shoesで知られる、ロック
ステディのヒット曲「Love Me Forever」の
フレーズが入ります。

2曲目は「Wicked A Go Feel It」です。
ホーンから入るナンバーで、ソウルフルな
コーラス・ワークが印象的な曲です。
踊るようなギターも魅力。

Soul Syndicate - Wicked A Go Feel It


3曲目は「Fade Away」です。
こちらはJunior Bylesのヒット曲として知ら
れる曲です。
悲しみのあるメロディをうまく歌い込んで
います。

4曲目は「Jam Down Rock」です。
こちらは泳ぐようにノビノビとしたギターと
ホーンに乗せた、心地良さそうなヴォーカル
が魅力のグルーヴ感満点の曲です。

Soul Syndicate - Jam Down Rock


5曲目は「Mariwana」です。
Soul Syndicateの代表曲とも言える
「ガンジャ賛歌」です。
もちろんマリファナは日本では禁止薬物で
あり、吸ってはいけません。
ただ曲はグルーヴ感満点の名曲なんですね。

Soul Syndicate - Mariwana HD


6曲目は表題曲の「Harvest Uptown」です。
書いたように「Harvest Uptown, Famine
Downtown(富あるアップタウン/貧しきダウン
タウン)」というタイトルで、内容はシリアス
なもののようです。
ただ力強いコーラスに、ピアノやホーンの
入ったけっこう明るいパワフルな曲です。
そのポジティヴさがレゲエ流です。

The Soul Syndicate - Harvest Uptown, Famine Downtown


7曲目は「Red, Gold & Green」です。
タイトルは「赤・金・緑」で、ラスタ・カラー
ですね。
こちらはギターの刻むようなリズムに乗せた
曲です。

8曲目は「Black Cinderella」です。
こちらはオリジナルにない1曲。
Errol Dunkleyの同名ヒット曲です。
ベースを軸にしたシブい1曲です。

9曲目は「New Vibrations」です。
こちらはホーン・セクションの出だしから、
ベースを軸にソウルフルなヴォーカルが
冴える、ちょっとファンキーな曲です。

Soul Syndicate - New Vibrations


10曲目は「We Got Love」です。
こちらはソウルフルでファンキーな、この
アルバムの中でも特に目立つ1曲です。
何かソウルか何かで聴いた事がある気がして、
いろいろ調べたけれど解りませんでした。
途中にブルース・ハーモニカなどが入ったり
して、メチャメチャカッコいい、この
アルバムの中でも白眉の1曲です。

Soul Syndicate - We Got Love


11曲目は「Rootsman Connection」です。
華やかなホーンに乗せたソウルフルな曲です。

12~15曲目まではオリジナルにはない
ボーナス・トラックが収められています。

12曲目は「Ital Brass」です。
こちらはベースを中心としたインスト・
ナンバー。

13曲目は「Deep Within」です。
Jazzyなギターからホーンのメロディ、ファル
セットなコーラスといったほぼインストに
近い曲です。

14曲目は「If It's Love That You Want」
です。
こちらもちょっとファンキーなナンバー。

15曲目は「Brass Attack (Reprise)」です。
1曲目に入っていた「Brass Attack 」の
別ヴァージョンといった曲でシメています。

ざっと追いかけて来ましたが、レゲエでは
ありながらソウルやファンクの影響も強く
感じるアルバムになっています。
ただそれが決してマイナスではなく、彼らの
ミュージシャンとしての幅を広げている印象
で、聴き心地がすごく良いアルバムになって
います。
このリラックスしたグルーヴ感はやはり
スゴイです。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Soul Syndicate
○アルバム: Harvest Uptown / Famine Downtown
○レーベル: AMJ
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1977

○曲目Soul Syndicate「Harvest Uptown / Famine Downtown」
1. Brass Attack *
2. Wicked A Go Feel It
3. Fade Away
4. Jam Down Rock
5. Mariwana
6. Harvest Uptown
7. Red, Gold & Green
8. Black Cinderella *
9. New Vibrations
10. We Got Love
11. Rootsman Connection
12. Ital Brass *
13. Deep Within *
14. If It's Love That You Want *
15. Brass Attack (Reprise) *
* CD Bonus Tracks

(オリジナル・アルバムの曲順)
1. New Vibrations
2. Wicked A Go Feel It
3. Harvest Uptown, Famine Downtown
4. Fade Away
5. Mariwana
6. Jam Down Rock
7. Rootsman Connection
8. Red, Gold, And Green
9. We Got Love

●今までアップしたThe Soul Syndicate関連の記事
〇Earl Zero With The Soul Syndicate「Visions Of Love」
〇Soul Syndicate (Black Roots Players)「Ghetto-Ology Dubwise」
〇Soul Syndicate「Friends & Family」
〇Soul Syndicate「Was, Is & Always」
〇King Tubby & Soul Syndicate「Freedom Sounds In Dub」
〇Keith Hudson & The Soul Syndicate「Nuh Skin Up」
〇Black Slate Meets Soul Syndicate「Moodie In Dub Vol.1」
〇Earl Zero「Only Jah Can Ease The Pressure」
〇Niney The Observer Presents「Soul Syndicate Dub Classics」