今回はRoland Alphansoのアルバム

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「Best Of Rolando Alphanso」です。

Roland Alphonsoはレゲエの前身のスカの
時代からStudio Oneのバック・バンド
The Skatalitesで活躍したサックス
奏者です。
このThe SkatalitesはTommy McCookや
Don Drummondといったジャズの素養を持った
ミュージシャンが集まった、スカの時代の
スーパー・バンドだったのですが、この
キューバ生まれのRoland Alphonsoもそう
したプレイヤーのひとりでした。

しかしスター・プレイヤーだった
Don Drummondが恋人を殺して投獄され、
The Skatalitesは解散し、スカのブームも
終わってしまいます。
Roland Alphonsoはその後もStudio Oneに
残り、Jackie Mittooなどとともにバック・
バンドのSoul DefendersやSoul Vendorsなど
に参加し、スカの後に生まれた新しい音楽
ロックステディのプレイヤーとして活躍する
んですね。
その後レゲエの時代になっても、スタジオ・
ミュージシャンとして活躍したのが、この
Roland Alphonsoという人です。

ーティスト特集 Roland Alphonso (ローランド・アルフォンソ)

今回のアルバムはレゲエの時代になった
1973年にStudio Oneレーベルから発表
された、Roland Alphonsoのベスト盤です。
60年代から活躍したこの人らしく、スカ
やロックステディ、さらには初期レゲエ
ぐらいまでの彼の名プレイが収められて
います。

残念な事をひとつ書いておくと、60年代
から70年代初め頃の音源なので、多少音質
が悪いです。
これは時代的に録音技術が進んでいなかった
ので、仕方がない事なんですね。

全17曲で収録時間は約49分。

詳細なミュージシャンの表記はありません。

Produced by Clement 'Sir Coxson' Dodd
Engineers: Sid Bucknor, Clement Dodd, Sylvan Morris, Courtney Dodd
Recorded at Jamaica Recording & Publishing Studios Ltd.

という記載があります。

さて今回のアルバムですが、スカからロック
ステディ、初期レゲエと、いろいろな時代の
音源があり、音質や音楽のスタイルにばらつき
のあるアルバムですが、Roland Alphonsoの
アンソロジーとして見た場合にはとても良い
内容のアルバムだと思いました。

同じサックス・プレイヤーでもTommy McCook
が印象に残る刺激的なフレーズのプレイを
得意にしているのに対して、このRoland
Alphonsoのプレイはあくまでソフトでメロー
な優しいサックスです。
またジャズの影響が強く残るところも印象的。
このRoland AlphonsoやTommy McCookがルーツ・
レゲエの時代までスタジオ・ミュージシャン
として活躍した事で、レゲエにはジャズの影響
がルーツ期まで残り続けるんですね。
それがレゲエを支える強固なバック・ボーン
だった事は、否定が出来ません。

Roland Alphonsoの優しくジェントルなプレイ
は、やはり聴いていてとても心地が良いです。

1曲目は「The Moon Gazer」です。
元々はSoul BrothersあるいはRoland Alphonso
and The Soul Vendors名義の「Streets Of
Gold」と同じ曲のようです。
軽快なメロディの曲にスッと入って来る、
柔らかなサックスの音色がタマラない1曲。

Roland Alphonso and The Soul Vendors - Streets of Gold


2曲目は「Ska Bostello」です。
こちらも柔らかいサックスの音色が、とても
魅力的な曲です。

3曲目は「To Sir With Love」です。
こちらはオルガンのメロディに乗せた泣きの
サックスといった曲です。
スローなメロディで、ロックステディを感じる
1曲。
ネットのYouTubeではThe Soul Vendors名義に
なっていました。

4曲目は「Jazz Steady」です。
フルートが印象的な曲です。
フルートというとTommy McCookのイメージが
ありますが、メインがフルートなのでRoland
Alphonsoが吹いているのか?
ちょっと面白い曲です。

5曲目は「The Ark」です。
「The Ark」となっていますが「The Hark」と
して知られている曲のようです。
Ken Parkerの「My Whole World Is Falling
Down」という曲のサックス・ヴァージョン
のようです。
軽快なサックスがグッド!

Rolando Alphonso - The Hark


6曲目は「Flats」です。
こちらもサックスを中心とした、心地良い
インスト・ナンバーです。
こちらはAlton Ellisの「Pearls」の
サックス・ヴァージョン。

7曲目は「Stranger On The Shore」です。
心地良いオルガンに乗せたサックス・ナンバー
です。
オルガンはJackie Mittooのようです。

8曲目は「Rolando Sharks」です。
Roland & The Sharksの「Groovy Sax」として
1968年に録音されている曲です。
ごめんなさい、フラメンコ調のギターが
印象的な有名曲なのに、タイトルが思い
出せません。

ROLAND ALPHONSO - Groovy Sax


9曲目は「Jah Shakey aka Jah Steady」
です。
Barry Brownの「Far East」のリディムと
して知られている曲です。
実はこちらの「Jah Shakey」の方が
オリジナルなんですね。

Roland Alphonso - jah shakey (Original , Far east riddim)


リズム特集 Far East/Jah Sharkey (ファー・イースト/ジャー・シャーキー)

10曲目は「Musical Happiness」です。
リディムはJohn Holtの「Make Up」。
軽快なリズムに乗せた心地良い1曲。

11曲目は「What R」です。
こちらは刻むリズムに泣きのサックスが印象
的な曲です。

12曲目は「Higher Sight」です。
こちらはムーディーなサックス・ナンバー。
優しいメロディが心に沁みる1曲。

13曲目は「Moodarama」です。
イントロはポップスのインスト・ナンバー
「Love Is Blue]に似た始まりの曲です。
ムードのあるサックスがソソる1曲。

Rolando Alphonso - Moodorama


14曲目は「Stop The Music」です。
こちらはサックスとギターによる軽快な
インスト・ナンバー。

15曲目は「Nimble Foot」です。
「Featuring Trombonist Don Drummond」と
あるように、Don Drummondのトロンボーンも
収められたスリリングなスカ・ナンバーです。

Roland Alphonso - Nimble Foot Ska


16曲目は「Now Or Never」です。
こちらは「Featuring Trombonist Rico
Rodriguez」となっていて、トロンボーン
奏者のRico Rodriguezがフィーチャー
された1曲です。
時代の違いもありますが、前曲のDon
Drummondのトロンボーンとの違いも面白い
ところ。
ロックステディらしい柔らかいメロディが
魅力です。
「O Solo Mio」のリディムが使われています。

17曲目は「Grazing In The Grass」です。
ちょっとJazzyなレゲエといった感じの曲
です。

ざっと追いかけて来ましたが、このサックス
奏者Roland Alphonsoのジェントルで優しい
サックスの魅力が、うまく詰め込まれた
アルバムだと思います。
Tommy McCookやJackie Mittooといった
ミュージシャンの陰に隠れがちですが、彼も
確かにジャマイカの音楽界をけん引した人の
ひとりなんですね。
その心地良いサックスは、確かに多くの人を
魅了する力があります。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Roland Alphonso
○アルバム: Best Of Rolando Alphonso
○レーベル: Studio One
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1973

○Roland Alphonso「Best Of Rolando Alphonso」曲目
1. The Moon Gazer
2. Ska Bostello
3. To Sir With Love
4. Jazz Steady
5. The Ark
6. Flats
7. Stranger On The Shore
8. Rolando Sharks
9. Jah Shakey aka Jah Steady
10. Musical Happiness
11. What R
12. Higher Sight
13. Moodarama
14. Stop The Music
15. Nimble Foot - Featuring Trombonist Don Drummond
16. Now Or Never - Featuring Trombonist Rico Rodriguez
17. Grazing In The Grass