今回はHopeton Lewisのアルバム

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「Take It Easy: Rock Steady Reggae」です。

Hopeton Lewisは60年代のロックステディ
の時代から70年代のルーツ・レゲエの時代
に活躍したシンガーです。
特にロックステディの時代には人気が高く、
今回のタイトル曲の「Take It Easy」の
ほか、Phyllis Dillonとのデュエット曲
「Get The Right Track」などのヒット曲
を放っています。

Hopeton Lewis - Wikipedia

ロックステディについても一言説明して
おきます。
ロックステディは1966年から68年の
わずか3年間だけジャマイカ流行した、
スローなリズムと甘いメロディを特徴と
する、レゲエの前身となった音楽です。
その中心となったのはスカの時代に活躍した
The Skatalitesのキーボード奏者だった
Jackie Mittooと、トリニダード・トバゴ
出身のギタリストLyn Taittで、大流行して
いたにもかかわらず彼らがカナダ移住を
決めってしまった為に、わずか3年で
ロックステディは終わってしまうんですね。

ロックステディ - Wikipedia

今回のアルバムは1967年の彼のソロ・
アルバムです。
ネットのDiscogsなどで調べると、彼の
ロックステディ期のアルバムはこの1枚
しか出て来なかったので、これが彼の
ファースト・アルバムかもしれません。

手に入れたのはアメリカのK & K Records
というところから1999年に発売された
CDの中古盤でした。
チリチリのアフロ・ヘアーにモミアゲ姿の
Hopeton Lewisのモノクロ写真に手彩色した
ような、かなりパンチの効いたジャケット
が印象的なアルバムです(笑)。

このアルバムは昨年2015年に日本の
Dub Store Recordsから再発されていますが、
そちらのジャケットがオリジナルのジャマイカ
のジャケットを再現したもののようです。

バックはLyn Taitt & The Jetsが務めて
います。
Dub Store Recordsから再発された事も
あって、多くの販売サイトにこのアルバム評
が出ていましたが、それによると表題曲の
「Take It Easy」はもっとも早いロック
ステディのヒット曲(66年)なんだとか。
この曲によってロックステディのスローな
メロディが多くの人々に受け入れられた
エポック・メイキングな曲らしいです。
全10曲で収録時間は30分52秒。

ミュージシャンについては以下の記述がありま
す。

Recorde in the studios of Federal Records in the year 1967
Backing tracks played by Lyn Taitt & The Jets
Engineers: Buddy Davidson, Paul Khouri
Produced by: Richard Khouri, Paul Khouri, Ken Khouri
Art & Design: Luroga Design Miami Fl.

となっています。

レコーディングに使われたスタジオFederal
Recordsは、Ken Khouriが主催するスタジオで、
ジャマイカでもっとも古いレコーディング・
スタジオです。
後にあのBob Marleyがこのスタジオを買い
取って、Tuff Gongと改名して使っていま
した。

さて今回のアルバムですが、正直なところ
今回調べるまでロックステディ期の始まりの
重要なアルバムという事をあまり知りません
でした。
そういう事を知らないで聴いていると、
独特のグルーブ感はあるものの何となく
物足りなさを感じるアルバムだったん
ですね。
その辺はまだロックステディというスタイル
が、完成する前のアルバムという事もある
かもしれません。
まだスカの時代のビターな部分があって、
ロックステディの甘く香り立つような
メロディでないところがあるんですね。
ただその完成していないところが、この
アルバムの面白さなのかもしれません。

1曲目は「Take It Easy」です。
「急がないでゆっくりやろうぜ」と歌う、
彼のヒット曲です。
ロックステディらしいLyn Taittのギターが
とても心地良い1曲。

HOPETON LEWIS - Take it easy


ホープトン・ルイス(Hopeton Lewis) - Take It Easy - 1966 - リリック

2曲目は「Sounds And Pressure」です。
こちらはシッカリしたピアノのメロディに
乗せた曲です。
まだ硬いドラミングなどには、スカの匂いも
残っています。
男臭さの中に甘さのあるHopeton Lewisの
ヴォーカルがイイ感じの曲です。

3曲目は「Deh Pon Dem」です。
こちらはピアノのリズミカルなメロディに
乗せた曲です。
こちらもシッカリしたドラミングに、スカの
匂いがあります。

4曲目は「Crying Crying Too」です。
こちらはロカビリーを思わせるような、
甘い甘い泣きの1曲。
コーラス・ワークに乗せたHopeton Lewisの
情感タップリのヴォーカルが魅力の曲です。

Crying Crying Too - Hopeton Lewis


5曲目は「Let The Little Girl Dance」です。
こちらも心地良いスローなギターのリズムに
乗せた曲です。
途中から入って来るサックスも良い味を出して
います。

HOPETON LEWIS - LET THE GIRL DANCE.wmv


6曲目は「People Get Ready (This Is Rock
Steady)」です。
タイトル通りいかにもロックステディらしい、
スローなグルーヴ感のある曲です。

HOPETON LEWIS - Rocksteady [1966]


7曲目は「Cool Cool Collie」です。
こちらはマリファナ賛歌か?
もうこの時代にはミュージシャンの間に
ラスタファリズムが浸透していた事が解り
ます。
こちらもギターのスローなリズムに乗せた
1曲。

8曲目は「This Music Got Soul」です。
こちらはピアノのメロディに乗せた曲で、
Hopeton Lewisの情感タップリのソウルフル
なヴォーカルが印象的な曲です。

HOPETON LEWIS - THIS MUSIC GOT SOUL.wmv


9曲目は「What You Gonna Do」です。
こちらもギターの刻むようなリズムに乗せた
曲です。

10曲目は「This Poor Boy」です。
こちらも刻むギターに乗せた、情感タップリ
の曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、ジャマイカの
音楽史を見て行くと、このロックステディの
時代(66~68年)とアーリー・ダンス
ホール・レゲエの時代(80~85年頃)の
2度、スローなリズムが流行しているんです
ね。
どちらも短期間で終わっているんですが、
そのどちらもジャマイカの音楽史の中で
津預金賞に残る時代だった事は間違いあり
ません。
特にロックステディの時代は、その楽曲が
何度もリピートされて使われるほど、
ジャマイカの音楽史に強い影響を与えた時代
だったんですね。

その時代の始まりの頃の楽曲が、このアルバム
には収められています。
今聴くといくぶんもの足りなく感じてしまう
ところがありますが、とても興味深いアルバム
であることは間違いありません。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Hopeton Lewis
○アルバム: Take It Easy: Rock Steady Reggae
○レーベル: K & K Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1967

○Hopeton Lewis「Take It Easy: Rock Steady Reggae」曲目
1. Take It Easy
2. Sounds And Pressure
3. Deh Pon Dem
4. Crying Crying Too
5. Let The Little Girl Dance
6. People Get Ready (This Is Rock Steady)
7. Cool Cool Collie
8. This Music Got Soul
9. What You Gonna Do
10. This Poor Boy