今回はLeroy Smartのアルバム

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「Dread Hot In Africa / Propaganda」です。

Leroy Smartは70年代のルーツ・レゲエの
時代から活躍したシンガーです。
2歳で孤児となった彼は養護施設で育ち、
ジャマイカの多くのミュージシャンを輩出した
不良少年の為の更生施設アルファ・ボーイズ・
スクールで音楽を学び、苦難の末に歌手として
デビューします。
そして独特の歌声を武器についに歌手として
成功し、「ドン」の愛称で親しまれる存在に
なって行くんですね。

アーティスト特集 Leroy Smart (リロイ・スマート)

今回のアルバムは1977年に発売された
「Dread Hot In Africa」と、78年に発売
された「Propaganda」の2枚のBurning Sounds
からリリースされたアルバムを、1枚にまとめ
た2in1仕様のアルバム(CD)です。

77年の「Dread Hot In Africa」は録音は
Channel Oneで、バックはThe Revolutionaries、
78年の「Propaganda」は録音はT.M.C.と
Channel Oneで、バックはUKレゲエのMatumbi
のメンバーが務めているようです。

全22曲で収録時間は66分11秒。
1~12曲目までが77年のアルバム「Dread
Hot In Africa」の曲で、13~22曲目まで
が「Propaganda」からの曲です。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Arranged and Produced by Leroy Smart
All Tracks Written by Leroy Smart and Published by New Town Sound Ltd.

(Dread Hot In Africa)

Recorded at Channel One Studio

Drums: Sly Charley
Bass: R. Shakespeare
Backing Group: The Revolutionaries
Thanks to Mr. Wellington, King Tubby, Jo Jo Hokkim,
for their assistance with the Rhythm

Original LP artwork: Tyrone Whyte

(Propaganda)

Recorded at T.M.C. and Channel One Studios

Bass & Lead Guitar: Dennis Matumbi
Drums: Jah Bunny
Organ & Piano: Noel Fish

Original LP artwork: Earl Neish

となっています。

「Dread Hot In Africa」の方ですが、ドラム
にSly Charley、ベースにR. Shakespeare、
バックはThe Revolutionariesとなっています。
Sly Charleyとなっているのが、Lowell 'Sly'
Dunbarの事なんじゃないかと思います。
「Thanks to」としてChannel Oneの主催者
Jo Jo Hokkim (Jo Jo Hookim)とKing Tubby
の名前があります。

「Propaganda」の方はT.M.C.(おそらくUKの
スタジオ)とChannel Oneで録音されています。
ベースとリード・ギターのDennis Matumbiは、
おそらくUKレゲエのバンドMatumbiのリーダー
Dennis Bovellなんじゃないかと思います。
ドラムのJah BunnyはMatumbiのドラマーです。
おそらくは彼らが参加したUK録音が主で、
追加録音をジャマイカのChannel Oneでした
とか、そんな感じなんじゃないかと思います。

オリジナルのアート・ワークは「Dread Hot In
Africa」の方はTyrone Whyte、「Propaganda」
の方はEarl Neishという人が担当しています。
表ジャケが小冊子になっていてそれぞれのジャケ
の写真が載っていますが、切り抜くとこんな
感じです。

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Leroy Smart - Dread Hot In Africa (1977)表ジャケ

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Leroy Smart - Propaganda (1978)表ジャケ

さて今回のアルバムですが、歌声1本でゲットー
を生き抜いて来た男の魅力は本物です。
やはり「Leroy節」とでも言える彼の歌声には、
他の歌手にはない魅力があります。
特にこのルーツ期の音源は、彼の一番脂の乗り
切っていた時代の音源だけになかなか魅力的。
そうした彼の音源が再発されたのは、ルーツ
好きには朗報だと思います。

今回は「Dread Hot In Africa」と「Propaganda」
2枚のアルバムが入っている2in1仕様なので、
2in1仕様とUKのMatumbiのバックが楽しめる
のも注目点です。
実際に聴いた印象としては、後半の「Propaganda」
の方が、Dennis Bovellのギター・ソロなども
あって、多少ポップな音作りをしている感じが
しました。

どちらもすごくエポック・メイキングなアルバム
という訳では無いのですが、この歌手の魅力を
シッカリと受け止めた好盤という印象です。

1~12曲目までは77年のアルバム「Dread
Hot In Africa」の曲です。

1曲目は「Jah Jah Forgive Them」です。
リディムはレゲエの前身の音楽ロックステディ
の時代の、Slim Smith & Uniquesのヒット曲
「My Conversation」です。
すごく特徴的な耳に残るメロディを、この人
らしい「Leroy節」で歌っています。
バックのミリタント・ビートもキマった1曲
です。

Leroy Smart - Jah Jah Forgive Them


リズム特集 My Conversation (マイ・カンバセーション)

2曲目は「Beautiful Rainbow」です。
こちらもいかにもルーツらしい、ホーンの
バックに乗せた1曲です。
よく通るスコンと抜けたヴォーカル力は、この
人ならではの魅力があります。

Leroy Smart - Beautiful Rainbow


3曲目は「Africa」です。
こちらも彼の男臭いヴォーカルが冴える1曲。
ズシンと心に響く「Leroy節」全開の曲です。

Leroy Smart - Africa


4曲目は「Babylon Wicked」です。
ベースの重いリズムを軸に、Leroy Smartの
抜けた歌声が冴える1曲です。

5曲目は「I Love You Girl」です。
ホーンのオープニングから、Leroy Smartの
歌声に乗せた楽しめのメロディの曲です。

6曲目は「Love In My Heart」です。
派手なドラミングのオープニングから、ホーン
に乗せたLeroy Smartのヴォーカルで聴かせる
曲です。

7曲目は「African Woman」です。
こちらも楽し気なラヴ・ソングといった感じ
の曲です。

8曲目は「Give Jah Praises」です。
こちらはオルガンのメロディに乗せたJah 賛歌
か?

9曲目は「No Love」です。
聴き覚えのあるメロディから、Leroy Smart
らしいヴォーカルが聴ける曲です。
硬派な彼らしい1曲。

Leroy Smart - No Love


10曲目は「Love Everyone」です。
こちらは軽快なメロディに乗せた、彼らしい
ヴォーカルの1曲。

11曲目は「Just Tell Me」です。
こちらは余裕を感じるよな、ヴォーカルの
1曲です。
遠くで聞こえるようなピアノのメロディが、
面白いアクセントになっています。

12曲目は「Mister Smart」です。
こちらは彼の代名詞的な曲です。
まるで自己紹介のような語り口が面白い1曲
です。

Leroy Smart - Mr Smart


13~22曲目までは78年のアルバム
「Propaganda」からの曲です。
ここからの演奏は微妙にポップ色があります。

13曲目は「Mother Liza」です。
「モナ・リザ」と題された1曲。
Leroy Smartのヴォーカルに被せてくる、
Dennis Bovellのギターが印象的な曲です。

14曲目は表題曲の「Propaganda」です。
こちらはDennis Bovellの泣きのギターが
頭から頑張っている曲です。
ある意味レゲエの禁欲的なギターでなく泣き
まくっているのが、面白い味付けにしている
曲です。

Leroy Smart - Propaganda 1978


15曲目は「No Check Babylon God」です。
こちらも派手目なバックに乗せた、Leroy Smart
のパワフルなヴォーカルが魅力の曲です。
バックが派手でも負けない歌い方を心得ている
のが、いかにも叩き上げのLeroy Smartらしい
ところです。

Leroy Smart - No Check Babylon God (Burning Rockers)


16曲目は「Baby Why?」です。
こちらもリズミカルなメロディに乗せた、
Leroy Smartのヴォーカルが冴える曲です。

17曲目は「Shower」です。
こちらもDennis Bovellのギターに乗せた曲です。
この「Propaganda」では、かなりDennis Bovell
のギターを前面に押し出した曲が目立ちます。

18曲目は「Hate No One」です。
リズミカルなメロディに乗せた曲です。

19曲目は「Learn The Good」です。
刻むようなギターにピアノのメロディといった
曲です。

20曲目は「Don't Trust Them」です。
勢いのあるギターのメロディに乗せた曲です。

21曲目は「Stick Together」です。
こちらは比較的ユッタリとしたメロディに、
ノビノビと歌うLeroy Smartのヴォーカルが
映える1曲。

22曲目は「Beverly」です。
こちらはリズミカルなバックに乗せた1曲。

ざっと追いかけて来ましたが、誰が聴いても
彼と解るヴォーカルがこのLeroy Smartの
持ち味と言えるでしょう。
その人生も歌い方も誰も真似が出来ない、
それがこのLeroy Smartというシンガーなん
ですね。
その歌声だけで生き延びて、唯一無二の存在
になった、それがこのLeroy Smartという人
の生きざまなんですね。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Leroy Smart
○アルバム: Dread Hot In Africa / Propaganda
○レーベル: Burning Sounds
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1977 / 1978

○Leroy Smart「Dread Hot In Africa / Propaganda」曲目
(Dread Hot In Africa)
1. Jah Jah Forgive Them
2. Beautiful Rainbow
3. Africa
4. Babylon Wicked
5. I Love You Girl
6. Love In My Heart
7. African Woman
8. Give Jah Praises
9. No Love
10. Love Everyone
11. Just Tell Me
12. Mister Smart
(Propaganda)
13. Mother Liza
14. Propaganda
15. No Check Babylon God
16. Baby Why?
17. Shower
18. Hate No One
19. Learn The Good
20. Don't Trust Them
21. Stick Together
22. Beverley

●今までアップしたLeroy Smart関連の記事
〇Leroy Smart「The Don Tells It Like It Is...」
〇Various「Can't Stop The Dread」