今回はJunior ReidとDon Carlosのアルバム

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「Firehouse Clash」です。

Junior ReidはVoice Of Progressでの活動や、
Michael Rose脱退後のBlack Ufuruでの活動が
有名なシンガーです。
また若くして亡くなったHugh Mundellと仲が
良かった事でも有名です。
ソロとしても「One Blood」など素晴らしい
アルバムを残している、ルーツ系のシンガー
として知られています。

アーティスト特集 Junior Reid (ジュニア・リード)

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Junior Reid ‎– One Blood (1989)

Don Carlos(本名Euvin Spencer)はメジャー・
デビューする以前のBlack Uhuruに在籍して
いた事で知られるシンガーです。
その後はソロとなり、80年代以降多くの
アルバムを残しています。

Don Carlos (musician) - Wikipedia

今回のアルバムは1986年にLive & Learn
Recordsからリリースされた、Black Uhuruに
在籍した事のある2人のいわゆる「対決盤」
です。
この80年代ぐらいになるとジャマイカでは、
こうしたLPの片面ずつを違うアーティストの
曲を入れた「対決盤」が多く作られるように
なるんですね。

こうした「対決盤」や1曲に歌とディージェイ
やダブなどをくっつけてしまう「ディスコ・
ミックス」などは、いかにもジャマイカらしい
カラフルな発想なんですね。

全11曲で収録時間は43分55秒。
オリジナルはJunior Reid4曲、Don Carlos
4曲の計8曲。
4曲目Junior Reidの「Woman Change Your
Ways」、8曲目Don Carlosの「Black History」
と11曲目「Spread Out」の3曲がCD
ボーナス・トラックです。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Musicians
Bass: Robbie Shakespeare, Ranchie McClean
Drums: Cleveland Browne, Mickey Richards
Guitar: Dwight Pinkney, Radcliffe Bryan
Keyboards: Robbie Lyn, Ansel Collins
Synthesizer: Robbie Lyn, Mallory Williams
Percussion: Errol Graham, Sidney Wolfe
Sax, Alto Sax: Dean Fraser
Harmony Vocals: Al Campbell

Recorded at Channel One, Music Mountain & Aquarius Studios
Recording Engineers: Anthony Graham, Oswald Palmer & Noel Hearns
Mixed at Music Mountain Studio by Noel Hearns
Distributed by RAS Records
Produced & Arrnged by Delroy Wright
Photography: David Pansegrouw
Design: Neil Nanco

となっています。

86年のアルバムですが、バックの演奏は
打ち込みでなく、ほぼ生録のようです。
もしかしたらアーリー・ダンスホールぐらいの
音源を集めたアルバムなのかもしれません。

さて今回のアルバムですが、全体にスローな
ワン・ドロップの曲が多く、対決色はあまり
強くありませんが、アーリー・ダンスホール
ぐらいのサウンドが好きな人にはけっこうツボ
のアルバムだと思います。

特に1曲目のJunior Reidの「Chanting」は
必聴です。
この曲聴けば解りますが、あの名曲「One Blood」
と同じようなフレーズが出て来るんですね。
「One Blood」はこの曲が発展したものなのかも
しれません。

全体に流れるユッタリとしたグルーヴ感が、
とても魅力的なアルバムだと思います。

1~5曲目まではJunior Reidの曲が収められ
ています。
4曲目Woman Change Your Ways」はCD
ボーナス・トラック。

1曲目は「Chanting」です。
彼らしい個性がシッカリと出た、なかなか
魅力的な曲です。
書いたように明らかに「One Blood」のサビの
部分と同じフレーズがあります。

Junior Reid - Chanting (Firehouse Clash Lp 1986)


2曲目は「Respect Due」です。
ユッタリしたワン・ドロップのリズムに乗せた
Junior Reidの説得力のあるヴォーカルが魅力
の曲です。

Junior Reid - Respect Due


3曲目は「Mirror」です。
こちらもワン・ドロップのピアノのメロディに
乗せた、優しい曲です。

4曲目は「Woman Change Your Ways」です。
こちらはオリジナルにはない、CDボーナス・
トラックです。
ちょっと陰影のあるメロディに、Junior Reidの
ヴォーカルが冴えを見せる1曲です。

5曲目は「Children Playing」です。
こちらもワン・ドロップの陰影のあるメロディ
に乗せた1曲。
こうした陰のあるメロディを歌うJunior Reid
はとても魅力的です。

Don carlos And Junior Reid-Children Playing


6~11曲目まではDon Carlosの曲が収め
られています。
8曲目の「Black History」と11曲目の
「Spread Out」がCDボーナス・トラック。

6曲目は「Living In The City」です。
陰影のあるメロディにDon Carlosのちょっと
甘い香りのする歌声が映えます。
シンセの美しいメロディ・ラインが、うまく
彩りを添えた曲です。

Don Carlos & Junior Reid-Living in the City


7曲目は「No Trouble This」です。
ホーンのイントロからDon Carlosのヴォーカル
に女性コーラス、ディープな彼の世界にスッと
入り込んで行くような曲です。

Don Carlos & Junior Reid - No Trouble This (Firehouse Class - Full album Rasta mix)


8曲目は「Black History」です。
こちらもオリジナルにはない、CDボーナス・
トラックです。
陰影のあるワン・ドロップが、とても心地良い
1曲です。

9曲目は「No Follow Babylon」です。
シンセ・ドラムか何かの印象的なサウンドに
サックス、それにかぶさるように語るように
ジックリと歌うDon Carlosのヴォーカル…。
確実にひとつの世界を持っているのが、この
Don Carlosのヴォーカリストの強みなんです
ね。

Don Carlos - No Follow Babylon


10曲目は「Never Gonna Give Up」です。
ユッタリしたホーンの出だしから、ジックリと
歌い込むように歌うDon Carlosのヴォーカル。
優しいグルーヴ感のある1曲です。

11曲目は「Spread Out」です。
ジャケットの裏面ではボーナス・トラックに
なっていませんが、こちらもCDボーナス・
トラックです。
心地良いワン・ドロップの1曲。

キレのあるコンシャスなスタイルが持ち味の
Junior Reid。
一見際立ったところが無さそうでありながら、
ジワっと包み込んでくるスタイルが魅力の
Don Carlos。
こうした違うスタイルの2人の歌声が味わえる
のが、こうした「対決盤」の魅力です。
特に今回のアルバムは2人の違いがよく出て
いて、なかなか魅力的なアルバムになっている
気がしました。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Junior Reid, Don Carlos
○アルバム: Firehouse Clash
○レーベル: Live & Learn Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1986

○Junior Reid, Don Carlos「Firehouse Clash」曲目
(Junior Reid)
1. Chanting
2. Respect Due
3. Mirror
4. Woman Change Your Ways *
5. Children Playing
(Don Carlos)
6. Living In The City
7. No Trouble This
8. Black History *
9. No Follow Babylon
10. Never Gonna Give Up
11. Spread Out *
* CD Bonus Tracks