今回はBullwackies All Starsのアルバム

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「Natures Dub」です。

Bullwackies All Starsはニューヨークで活動
するレーベルWackiesのバンドという事なので、
まずはWackiesについて説明します。
Wackiesは70年代からニューヨークの地下の
スタジオを拠点に活動を続けるレゲエ・レーベル
です。
すでにソウルやファンクといった黒人に支持
される強い音楽があったアメリカでは、レゲエ
はなかなか支持されなかったんですね。
あのBob Marleyですらアメリカで人気が出たの
は、彼の生前最期のアルバム「Uprising」の
頃(1980年リリース)だったと言います。

そうした「レゲエ不毛の地」だったアメリカの
ニューヨークで、主催者のBullwackiesこと
Lloyd Burnesを中心に頑張っていたのがこの
レーベルなんですね。
彼らの音楽の特徴は少人数で、本場ジャマイカ
以上に純化したダブワイズされたサウンドです。
多くの支持を集めない分、純粋に自分たちの
理想とするレゲエという音楽を追及し続けたん
ですね。
その純粋な姿勢は今も当時以上に認められ、
ドイツのBasic Replayなどからもリイシュー
されるほど高く評価されています。

レーベル特集 Wackies (ワッキーズ)

今回のアルバムは1980年に発表された、
Wackiesのダブ・アルバムです。
演奏はBullwackies All StarsとNew Breed
Band、ヴォーカルでWackiesでは珍しい
ディージェイのJah Battaが参加して
います。

全7曲で収録時間は30分19秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Vocal: Tony Omeally (Jah Batta)
Backed By: Bullwackies All Stars plus New Breed Band
Produced by: Bullwackies
Arrangedby: New Breed & Bullwackies
Engineer: Douglas Levy & L. Burnes
Cover Design, Concept, Art, Graphics: Leslie A Moore LAM Graphics int

となっています。

バンド名しか載っていないので詳細なメンバー
は不明。
ヴォーカルとして載っているTony Omeallyこと
Jah Battaは、このWackiesからアルバムも出して
いるディージェイです。

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Jah Batta ‎– Argument (1983)

印象的なイラストはLeslie A Mooreという人が
描いているようです。

さて今回のアルバムですが、数あるWackies
のダブ・アルバムの中でも特に内容の良い1枚
ではないかと思います
Wackiesというと限られたミュージシャンに
地下のスタジオでも録音というかなりミニマム
な限られた環境の中でのアルバム制作という
事になってしまうと思うのですが、そうした
困難な状況を感じさせないヴァラエティのある
心地良いアルバムに仕上がっていると思います。

こうしたミニマムさが実はWackiesの魅力で、
後にBasic Replayがこのレーベルをリイシュー
したのもそのソリッドさが今聴いても色褪せ
ない力を持っていたゆえなんですね。
どんな環境でも理想の音楽を追及する、それが
このWackiesの凄さなんですね。
このアルバムにもそうした魅力が、うまく
ちりばめられていると思います。

1曲目は「Natures Dub」です。
Jah Battaの言葉から始まるいかにもWackies
らしいソリッドなダブです。
時折入るJah Battaのトースティングも、とても
クールで良いです。

Wackies - Natures Dub


2曲目は「Jah Nation Dub」です。
こちらは少し歌っている感じのヴォーカルです。
硬いミリタント・ビート・スタイルのドラミング
がなんとも良い味を出している1曲。
ユラユラとしたギターのメロディ、重いベースの
リズムと言う事なしの1曲。

Bullwackies All Stars - Jah Natton Dub


3曲目は「Mash It Up」です。
こちらは一転小鳥のさえずりなどが入る明るい
リズムに、意表をついた変なヴォーカル…。
それでもWackiesらしい硬質さもあるのが魅力。

4曲目は「Judgement Rock」です。
こちらはスウィートなサックスがソソる1曲
です。
このサックスはWackiesで活躍したサックス
奏者Jerry Johnsonか?
このアルバムの中でも特に印象的な、魅力的
な曲です。

Wackies - Judgement Rock


5曲目は「Kicking Scott」です。
ギターベースとベースのフレーズを中心とした、
落ち着いた曲です。
ほとんどベースとドラムといったところもある
曲ですが、このソリッドさがいかにもWackies
らしさ。

6曲目は「Rockfort Dub」です。
リディムはSound Dimensionの「Rockfort Rock」。
クールで魅力的なナンバーです。

Wackies - Rockfort Dub


7曲目は「Slave Dub」です。
ネットの販売サイトの情報によると、リディムは
Junior Delgadoの「Sons Of Slave」なんだそう
です。
ソリッドなミリタント・ビートに、重いベース
の音が心に残る1曲です。

Wackies - Slave Dub


ざっと追いかけて来ましたが、やはりソリッドな
サウンドの中にもよく計算されたところがあり、
とても聴き心地の良いダブに仕上がっていると
思います。

機会があればぜひ聴いてみてください


○アーティスト: Bullwackies All Stars
○アルバム: Natures Dub
○レーベル: Wackie's
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1980

○Bullwackies All Stars「Natures Dub」曲目
1. Natures Dub
2. Jah Nation Dub
3. Mash It Up
4. Judgement Rock
5. Kicking Scott
6. Rockfort Dub
7. Slave Dub