今回はThe Meditationsのアルバム

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「Guidance」です。

The Meditationsはは70年代から活躍した
コーラス・グループです。
その美しいコーラス・ワークは、あのBob
Marleyも認めたほどだと言います。

アーティスト特集 Meditations (メディテーションズ)

今回のアルバムのオリジナルは、1979年に
リリースされた全9曲入りのアルバムで、その
アルバムを元に2003年にフランスの
Makasoundから発表された、オリジナルに5曲
を足した全14曲入りのアルバムです。

手に入れたのはMakasoundから出ているCD
でした。

このMakasoundですがWinston McAnuffや
Mikey Ras Starr、カリフォルニアで活躍した
The Rastafarians、さらにはあのChinna Smith
を中心とした「Inna De Yard」シリーズなど、
ユニークなアルバムをリリースしたレーベル
だったのですが、2011年に倒産。
その理由はWinston McAnuffと「Inna De Yard」
シリーズは売れたものの、他のアルバムが
売れなかった為なんだそうです。
確かにMakasoundのリリースしたアルバムを
見てみると、かなりユニークでかなりコアで、
よくこういうアルバムをリリースしたなぁと
思うものもあります。

全14曲で収録時間は54分12秒。
2~10曲目までがオリジナル・アルバムの
曲で、曲順も変わっているようです。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

All tracks produced and Licensed by Ansel Cridland & The Meditations
except "Jungle Feeling","Miracles", and "Something Looking Good"
licensed courtesy by Rounder Records and "Life Is Not Easy"licensed
courtesy by Island Records, a Unversal Misic group

Studios: Channel One, Harry J, Treasure Isle & Black Ark
Engineers: Maxie, Sylvan Morris, Mervin Williams, Errol T (The Mighty One),
Ruddy Thomas, Errol Brown, Lee Perry

Lead Guitar: Lenox Gordon, Al Anderson, Junior Morvin, Mikey Chung,
Rad Bryan
Rhythm Guitar: Willie Lindo, Ansel Cridland, Robbie Shakespear
Bass: Val Dougles, Toney Allen, Ranchie McClean
Keyboards: Tyrone Downie, Dennis Ferron, Harold Butler, Robbie Lynn,
Ansel Collins, Winston Wright
Drums: Carlton 'Carlie' Barrett, Sly Dunbar, Michael 'Boo' Richards,
Carlton 'Santa' Davis
Hornes: Tommy McCook, Dean 'Youth' Frazier, Clive Hunt, Chico Chin,
Herman Marquiz, Headley 'Deadley' Bennett, Vin 'Don D Jr.' Gordon,
Nambo Robinson
Percussions: Alvin Haughton, Scully, Sticky, Winston Watson, Danny Clarke

となっています。

スタジオやミュージシャンの多さから見ても
解りますが、オリジナルのアルバムも彼らの
シングルなどを集めたアルバムのようです。
ネットの販売サイトのdisk unionのアルバム評
などを読むと、オリジナルのアルバムに入って
いる7曲目「Life Is Not Easy」はLee Perry
のミックスした曲らしいです。

さて今回のアルバムですが、さすがに名コーラス
・グループのアルバムとあって聴き心地はとても
イイです。
ただあえて言えばこういうウマ過ぎるコーラス・
グループにありがちな事なのですが、聴き心地が
良すぎて音楽が素通りして行ってしまうような
感じがちょっとあります。
音楽が心に残らない感じなんですね。
その点では同じ彼らのアルバムでも、Wackies
の硬いサウンドをバックにした「I Love Jah」
の方が印象に強く残るんですね。

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The Meditations ‎– I Love Jah (1982)

そういう点では悪くないのにちょっともったい
ないアルバムという気もします。
まあ、そういうリリースをするところが、
いかにもMakasoundというレーベルらしさでも
あるのですが…(苦笑)。
オリジナル・アルバムからだいぶ曲順をイジって
いるようですが、1曲1曲はジックリ聴くと悪く
ないので、もしかしたら曲順によってもだいぶ
印象は変わったかもしれません。
そういうセンスや商売ベタなところも、いかにも
Makasound…なんですね(笑)。

1曲目は「Justice」です。
この曲はオリジナル・アルバムにはない曲の
ようです。
彼らのコーラス・ワークの素晴らしさが、よく
解る1曲です。

[Reggae] The meditations - Guidance - 02 Justice


2~10曲目までが曲順も変わっていますが、
オリジナルのアルバムに入っていた曲のよう
です。

2曲目は「Jungle Feeling」です。
こちらはディープなルーツ色の強い1曲です。
小鳥の鳴き声のエフェクトなども入った、元気の
良い曲です。

3曲目は「Hard Life」です。
こちらはかなり心地良さのあるルーツ・レゲエ
です。
ギターにコーラス・ワーク、それらがひとつに
なって良い世界観を作り上げている1曲。

Meditations 1979 Guidance B2 Hard Life


4曲目は「War Mongers」です。
こちらの印象的なギターのイントロから、
素晴らしいコーラス・ワークを聴かせる1曲
です。

5曲目は「Senorita」です。
こちらも「セニョリータ」というスペイン語の
遊びの入った、楽しい1曲。
泣きのギターが良い味を出しています。

16-The Meditations - Señorita


6曲目は「Something Looking Good」です。
こちらはホーンのメロディに乗せた曲です。
ヴォーカルにかぶさって来る息の合ったコーラス
が心地良い曲です。

7曲目は「Life Is Not Easy」です。
こちらがLee Perryがミックスしたという1曲。
軽快な疾走感のある出だしからコーラス・
ワーク。
エフェクトの使い方などに微妙にLee Perry
らしさを感じますが、彼にしては抑え目の
ミックスです。

Meditations 1979 GuidanceA5 Life Is Not Easy


8曲目は「Play I」です。
軽快な太鼓のリズムが印象的な曲です。
心地良さそうなヴォーカルにコーラス・ワーク。
こういう曲を聴くと彼らがいかに優れたコーラス
・グループかがよく解ります。

9曲目は「Marriage」です。
こちらもバックと一体となったコーラス・ワーク
が楽しめる1曲です。

10曲目は「Miracles」です。
こちらは遊びの入った楽しい歌い方の1曲。
曲によってヴォーカル・スタイルを変えられる
のも、彼らの強みのようです。

残りの4曲は追加曲です。

11曲目は「Woman Piabba」です。
こちらも5曲目の「Senorita」などと同様の
かなり遊びの入った1曲です。

12曲目は「There Must Be A 1st Time」
です。
彼らの美しいコーラス・ワーク全開といった曲
です。

13曲目は「Changing Of The Time」です。
こちらも疾走感のあるバックに乗せた曲です。

14曲目は「Rome」です。
ベースを軸にしっかりした歌いぶりの1曲。

ざっと追いかけて来ましたが、オリジナルの
アルバム「Guidance」の出来は悪くないん
ですね。
あえて言いますが、それなのにどうも今回の
アルバムの印象が弱いのは、1曲目にアルバム
以外の「Justice」を持って来てしまった事に
あるのではないかと思います。
曲が悪いという事ではないのですが、何か
作られた時期が違うとかがあるのか、1曲目
にその曲を置く事によってチグハグ感がある
んですね。
その為にずいぶん損をしている気がしました。

このMakasoundというレーベルは、そういう
「モヤっと感」が残るレーベルのところが
あります。
そのレゲエへの情熱には敬服すべきところが
ありますが、ちょっとセンスが悪いというか、
せっかくの魅力を殺しちゃっているような
ところがあるんですね。
今回のアルバムもそういうところが気になって
何回も聴き返しましたが、今回のアルバムで
言えばやっぱり素直にオリジナルの「Guidance」
押しで行けば、素直にその魅力が伝わったような
気がしました。
けっこう良い曲が多いアルバムなんですよね。

いろいろ書きましたが、The Meditations自体は
すごく才能もあり、良いコーラス・グループだと
思います。
その才能の割に評価されていない感もあり、
ちょっと惜しいグループなんですよね。
ただ丁寧に聴けば、彼らの魅力に気付くと思い
ます。

機会があればぜひ聴いてみてください。

The Meditations - Live at Woodbury, USA 1986 pt 1/2



○アーティスト: The Meditations
○アルバム: Guidance
○レーベル: Makasound
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1979

○The Meditations「Guidance」曲目
1. Justice
2. Jungle Feeling
3. Hard Life
4. War Mongers
5. Senorita
6. Something Looking Good
7. Life Is Not Easy
8. Play I
9. Marriage
10. Miracles
11. Woman Piabba
12. There Must Be A 1st Time
13. Changing Of The Time
14. Rome

●今までアップしたMeditations関連の記事
〇Meditations「I Love Jah」
〇Meditations「Wake Up!」