今回はHigh Times Playersのアルバム

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「High Times Records Roots Dub Vol.1」です。

High Times Playersはルーツ期から活躍する
ギタリストのEarl 'Chinna' Smithの運営する
レーベルHigh Timesのプレイヤーという意味
です。

Earl 'Chinna' Smithは70年代後半ぐらい
からFreedom SoundsレーベルのBertram Brown
と共にこのHigh Timesというレーベルを運営
していて、Soul SyndicateやHigh Times Players、
またはHigh Times Bandという名前でバック・
バンドの活動を行っています。

レーベル特集 High Times (ハイ・タイムズ)

特にHigh Times Bandは、80年代のアーリー・
ダンスホール・レゲエで、Roots Radicsと同じ
くらい活動しているバンドなんですね。

今回のアルバムは1993年にHigh Timesから
発表された、High Timesの音源から作られた
ダブを集めたアルバムです。
「Roots Dub Vol.1」というタイトルなどから
みて音源はルーツ期?と思うのですが、実際の
音は聴いた感じでは80年代中期以降のダンス
ホール期ぐらいのものかと思われます。
かなり打ち込みのサウンドが入っているんです
ね。
エンジニアはBravoにBusha、Mikey Rileyと
あまり耳慣れない人達なので、そうした音源
をこの90年代ぐらいにダブにしたものかも
しれません。
手に入れたのはHigh Timesから出ているLP盤
でした。

今回のアルバムですが、ジャケットの曲名の
表記とレコードの盤面の曲名の表記が全く
違います。
ジャケットの書かれているのはSide 1が5曲、
Side 2が5曲の全10曲で、例えばSide 1の
1曲目は「Darling Street」など通りの名前の
付いたタイトル。
対してレコードの盤面の方はSide 1が6曲、
Side 2が6曲の全12曲で、例えばSide 1の
1曲目は「Spanish Town Rd.」など、同じく
通りの名前系ではあるものの「Rd.」や「Ave.」、
「St.」などカンマで省略された記述のタイトル
になっています。
実際に盤面を調べてみると各面6曲ずつ入って
いるので、どうやら盤面に書かれているタイトル
の方が正しいのかなと思います。
一応(盤面表記)と(ジャケット表記)の両方
とも最後に載せておきました。

Side 1が6曲、Side 2が6曲の全12曲。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Recorded and Mixed at Leggos, Music Mountain, Tuff Gong and
Mixing Lab Recording Studios
Engineers: Bravo, Busha, Mikey Riley
Produced by Donovan Joseph & Earl 'Chinna' for High Times
Musicians: High Times Players

Designed by: Limonious

となっています。

さて今回のアルバムですが、これがけっこう
良いダブなんですね。
おそらく作られたのは80年半ば以降だと思う
のですが、ダブという音楽の作り方をよく理解
した、切れ味の良いダブになっていると思い
ます。
ちょっとハイ・センスな音作りは、やはり
70年代のダブとはちょっと違う印象です。

Side 1の1曲目は「Spanish Town Rd.」です。
リディムはBob Marleyの「Soul Rebel」です。
印象的な叫び声の入ったダブで、とても面白い
ダブに仕上がっています。
メロディを奏でるサックスもとても良いです。

2曲目は「East Ave.」です。
打ち込み系のイントロから始まるダブで、
乾いた打ち込みのパーカッションがクールな
印象のダブです。
このあたりはいかにも80年代半ば以降と
いったダブ。

3曲目は「Marcus Garvey Dr.」です。
乾いたパーカッションにホーンが絡むダブ
です。
アルバムを通してですが、生音と打ち込み
の使い分けがすごくウマい気がします。

4曲目は「Port Royal St.」です。
こちらも打ち込みの乾いたサウンドをうまく
使ったダブ。
心地良いリズムにザワっとしたエフェクトが
うまく絡み、独特の世界を作り上げています。

5曲目は「Harbour St.」です。
こちらは打ち込みと生演奏をうまく使った
ダブ。
無表情の打ち込みと表情のある演奏の使い
分けで、和み系のダブに仕上げています。

6曲目は「Princess St.」です。
乾いた打ち込みのドラムから、味のあるギター
のメロディというダブです。
クールなグルーヴ感をうまく演出しています。

Side 2の1曲目は「Orange St.」です。
ピアノのメロディに打ち込みのリズムといった
ダブです。
スローなリズムが切れ切れにダブワイズして
行く感じが、ちょっと面白いダブです。

2曲目は「King St.」です。
シンセのメロディに乗せたダブです。
打ち込みのパーカッションがうまくアクセント
を付けています。

3曲目は「Tower St.」です。
こちらもシンセのメロディを中心とした
リズミカルなダブです。
このあたりはレゲエというよりはテクノ的
な…(笑)。

4曲目は「Barry St.」です。
シンセとリズミカルなのパーカッションの
ダブです。
乾いたリズムに波の音のエフェクトが心地良い
ダブです。

5曲目は「Duke St.」です。
こちらも打ち込みの乾いたリズムを生かした
ダブです。
それに乗せたリリックなメロディもグッド。

6曲目は「Law St.」です。
ムーディーな始まりからザワザワっとした
エフェクト、さらにクールなギターのメロディ
へと展開して行くダブです。

ざっと追いかけて来ましたが、「Roots Dub」
というタイトルですがこの時代のダブになると
ルール・レゲエの時代のような泥臭さはあまり
無い、打ち込みをうまく使ったクールなサウンド
のダブに仕上がっていると思います。
その分レゲエという匂いはいく分希薄になり、
時にはテクノかフュージョンのように聴こえて
しまう感じもあります。
ただよく計算されて作られたダブで、内容は
なかなか良いと思います。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: High Times Players
○アルバム: High Times Records Roots Dub Vol.1
○レーベル: High Times
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1993

○High Times Players「High Times Records Roots Dub Vol.1」曲目
(盤面表記)
Side 1
1. Spanish Town Rd.
2. East Ave.
3. Marcus Garvey Dr.
4. Port Royal St.
5. Harbour St.
6. Princess St.
Side 2
1. Orange St.
2. King St.
3. Tower St.
4. Barry St.
5. Duke St.
6. Law St.

(ジャケット表記)
Side 1
1. Darling Street
2. Young Street
3. Oxford Street
4. Beeston Street
5. Queen Street
Side 2
1. Beckford Street
2. Barry Street
3. Tower Street
4. West Street
5. Harbour Street