今回はThe Rastafariansのアルバム

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「Orthodox」です。

The Rastafariansは英語のWikipediaなどを見る
と、1980年頃にカルフォルニアをベースに
活動していたレゲエ・グループのようです。
Discogsなどで調べてみたところ、今回の
アルバム「Orthodox」と2枚ぐらいシングルを
出しているという活動歴のようです。

The Rastafarians - Wikipedia

メンバーの中で一番知られているミュージシャン
はベースのHaile Maskel(本名Michael Ashley)
で、Light Of SabaやBunny Leeのハウス・バンド
The Aggrovatorsなどで活動歴があり、さらには
Mikey Ras Starrという名前で1979年にソロ・
アルバム「Fire & Rain」を作っている人なん
ですよね。
(ただ正式にリリースされたかはちょっと解ら
ないところがあります。)

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Mikey Ras Starr - Fire & Rain

今回のアルバムは1981年にULCという
アメリカのレーベルからリリースされた
The Rastafariansの唯一のアルバムです。
手に入れたのは2009年にフランスの
MakasoundからリイシューされたCDで、
ジャケットや曲順がオリジナルのアルバム
とは異なっています。

ちなみにオリジナルのアルバムは、ヨーロッパ
でコレクターに高値で取引されているアルバム
なんだとか。

全10曲で収録時間は44分01秒。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Musicians:
Lead Vocals: Haile Maskel on tracks 1,3,6,8,9,10
Wolde Manfesskiddus on tracks 2,4,7, Bingi on track 5
Background Vocals: Haile Maskel, Wolde Manfesskiddus, Bingi,
Herb Daley, Vision, Tony Moses
Synthesizers: Elias Negash, Haile Maskel, Bingi
Organ, Piano: Bingi
Clavinet: Elias Negash, Haile Maskel
Solo Guitar: Herb Daley
Pick Guitar: Haile Maskel, Vision
Rhythm Guitar: Haile Maskel
Bass: Haile Maskel
Drums: Wolde Manfesskiddus
Percussions: Haile Maskel, Wolde Manfesskiddus
Harmonica: Gary Smith

Credits:
1981 Recorded and mixedat Fane Productions, Santa Cruz, CA
Executive Producer: Bro Keith L'Hommedien D.D.
Produced by The Rastafarians
Engineered by: Fane Opperman
Licensed to Makasound by Michael Ashley
Photos: Courtesy of Haile Maskel (Michael Ashley)
Produced by The Rastafarians in association with Universal Life Crunch, Inc.
And dedicated to His Imperial Majesty Haile Selassie I
Artwaork by Nicolas <> Mamet

となっています。

このThe Rastafariansには3人のヴォーカリ
ストが居たようで、Haile Maskelが6曲、
Wolde Manfesskiddusが3曲、Bingiが1曲
リード・ヴォーカルをとっています。
ただBingiのリードの「This Ya Music」を聴く
と、ほぼトースティングという印象なので、
ヴォーカルというよりはディージェイと言った
方が良いかもしれません。
他にも6人がヴァック・ヴォーカルを担当して
いたり、メンバー8人でシンセにオルガン、
ピアノ、クラヴィネット、ギター、ベース、
ドラム、パーカッションにハーモニカと、多才
な人が揃っているのが印象的です。
楽器やヴォーカルなどの関係から見て、ベース
のHaile MaskelとドラムのWolde Manfesskiddus
がこのグループの中心だった印象です。

さて今回のアルバムですが、カリフォルニアで
活動したレゲエ・グループという事でレゲエの
グループとしてはかなり亜流のグループだと思う
のですが、演じているのは意外なほど正当な
ルーツ・レゲエなんですね。
中心事物のHaile Maskel(Mikey Ras Starr)の
ソロ・アルバムなどではディストーション・
ギターの効いたロック色の強いプレイも披露して
いたので、こちらもそういう感じかと思ったん
ですが、そうしたギター・プレイもある事はある
ものの正統派のディープなルーツの曲が多い印象
です。

アルバムを通して聴いた感じはそれはそれで
悪くはないのですが、ちょっと全体に重く、
決め手に欠く印象もあります。
人によって好き嫌いの分かれるアルバムかも
しれません。

ただこの時代のアメリカは、ソウルやファンク
という強い黒人音楽があった為にまだあまり
レゲエが浸透しておらず、活躍していたのは
ニューヨークのWackiesだけという現状だった
んですね。
そうした時代にアメリカのカルフォルニアで、
アルバムまで出して頑張っていたバンドが
あったという事は、やはり評価すべき事なん
だと思います。

1曲目は「Rasta Theme」です。
印象的なメロディはシンセでしょうか?
コーラス・ワークにギター・ソロなどもあり、
このグループの個性がよく出た曲だと思います。

The Rastafarians - Rasta Theme


2曲目は「Seek H.I.M.」です。
初めにラスタに対するメッセージが入り、
浮遊感のあるギターにヴォーカルといった曲
です。
「ジャー、ラスタファーライ!」というメッ
セージがたびたび入る曲です。

3曲目は表題曲の「Orthodox」です。
ファンキーなパーカッションから入る、全体に
ファンキーなノリの曲です。
このアルバムで一番長い4分58秒の曲です。

The Rastafarians - Orthodox


4曲目は「Occupation」です。
こちらは泣きのギターのイントロから、ベース
を軸にピアノやシンセのメロディに乗せた曲
です。

5曲目は「This Ya Music」です。
書いたようにこの曲のみBingiがリードをとって
いて、シングジェイというかトースティングに
近いスタイルの曲です。

6曲目は「A Love We Deal Wit」です。
重いベースのサウンドを軸にハーモニカの
メロディなどが入る曲です。
Haile Maskelの歌にも力があります。

Love We A Deal With - The Rastafarians


7曲目は「Jah's Greatest Blessing」です。
重いベースの音を軸に、いかにもレゲエと
いったサウンドの曲です。

8曲目は「Roll Call」です。
こちらは泣きのギターに、リラックスした
ヴォーカルにコーラスといった、ちょっと
ロックな明るい曲です。

Roll Call - The Rastafarians


9曲目は「Words Of Wisdom」です。
こちらはHaile Maskelのソウルフルなヴォーカル
が冴える1曲です。

Mikey Ras Starr & Rastafarians - Words of Wisdom


10曲目は「Hold On Jah Jah Children」
です。
イントロに入っているのはクラヴィネットか?
刻むようなオルガンのメロディに乗せた曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、1曲1曲追い
かけてみるとけっこう丁寧に作られた曲が多く
内容は悪くないんですね。
ただ全体の印象が何故かスッキリと入って来ない
感じがあります。
ある意味ちょっと惜しいアルバムなのかもしれ
ません。

このThe Rastafariansですが2010年ぐらい
に再結成でもされたのか、ネットのYouTubeには
彼らの2010年のライヴの映像がたくさんあり
ました。

The Rastafarians "Hold on Jah Jah Children" live in Monterey 2010


ある意味ビッグ・ネームというバンドでは無い
かもしれませんが、ジャマイカから離れた
カルフォルニアで80年代に頑張ったグループ
が居た事も、レゲエの歴史のひとつなのかも
しれません。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: The Rastafarians
○アルバム: Orthodox
○レーベル: Makasound
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1981

○Rastafarians「Orthodox」曲目
1. Rasta Theme
2. Seek H.I.M.
3. Orthodox
4. Occupation
5. This Ya Music
6. A Love We Deal Wit
7. Jah's Greatest Blessing
8. Roll Call
9. Words Of Wisdom
10. Hold On Jah Jah Children