今回はTommy McCook & The Super Sonicsのアルバム

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「Top Secret」です。

Tommy McCook & The Super Sonicsは60年代
後半のロックステディの時代に、Duke Reidの
レーベルTreasure Isleの専属バンドとして活躍
したグループです。
スカの時代にThe Skatalitesで活躍したテナー・
サックス奏者のTommy McCookをリーダーとして、
The SkatalitesのドラマーのLloyd Knibbやベース
のLloyd Brevett、トランペットのBobby Ellis
などが参加した当時のスーパー・グループです。

アーティスト特集 Tommy McCook (トミー・マクック)

ちなみにロックステディというのは、スカと
レゲエの間の1966年から68年までのわずか
3年間だけジャマイカで流行した、アメリカ音楽
に影響を受けたスローなリズムと甘いメロディを
特徴とする音楽です。

ロックステディ - Wikipedia

今回のアルバムは制作年ははっきりと解りません
でしたがTechniquesレーベルから出た、1969
年のTommy McCook & The Super Sonicsの録音を
集めたアルバムのようです。
書いたようにロックステディの時期に活躍した
グループですが、69年というとロックステディ
からレゲエに切り替わる時期なんですね。
そうした模索があった時期のせいか、実際にこの
アルバムから聴かれる音は、ロックステディや
レゲエというよりはむしろジャズに近いような
サウンドです。
アドリブのようなサックスの音色も多く収められ
ていて、スカの時代にThe Skatalitesで熱く
プレイされたようなサックスを中心としたジャズ
を感じさせるサウンドが収められています。

ちなみに今回のアルバムは1974年にTrojan
レーベルから出されたTommy & Bobby(Tommy McCook
とBobby Ellis)名義のアルバム「Green Mango」
と曲がかなりダブっているようです。

全14曲で収録時間は45分12秒。
オリジナルは10曲で、残りの4曲はCD
ボーナストラック。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Drums: Lloyd Knibb, Drum Bago, Sly
Bass: Jackie Jackson, Lloyd Brevett, Robbie Shakespeare
Guitar: Jah Jerry, Lyn Tate, China
Keyboards: Winston Wright, Gladdy, Mittoo
Trumpet: Bobby Ellis
Tenor Sax: Tommy McCook
Produced: Winston Riley
Arranged: Winston Riley
Recorded: Treasure Isle

となっています。

The Skatalitesの元メンバーのほか、ルーツ・
レゲエの時代に大活躍するSly & RobbieやChinna
Smithの名前も見えます。
ロックステディの時代をけん引したJackie Mittoo
やLyn Tateの名前もあります。

プロデュースとアレンジはTechniquesレーベルの
主催者Winston Rileyが担当しています。

さて今回のアルバムですが、書いたようにロック
ステディの時代の後の69年のアルバムですが、
それほどロックステディ色は強くないんですね。
それよりも彼らの原点であるジャズの香りが
します。
このThe Skatalites出身のミュージシャンには、
ジャマイカの不良少年更生施設アルファ・ボーイ
ズ・スクール出身者が多いんですね。
そこで音楽、特にジャズを学んだ彼らは、スカの
時代にジャマイカの音楽界をけん引する役目を
果たすんですね。
もともとはアメリカ音楽のブルースやR&Bの
影響が強かったスカですが、彼らがスカを演奏
する事で、ジャズの影響が色濃く見えるように
なります。

その後再びアメリカのソウルやR&Bの影響を
受けたロックステディが流行するんですが、
そのロックスエディが落ち着いた今回のアルバム
では、またジャズの香りがする演奏をしている
んですね。
そのあたりは彼らの原点にジャズがあったと
いう事なのかもしれません。
そのノビノビとした演奏が、今回のアルバムの
一番の魅力という気がしました。
インスト好きには悪くないアルバムだと思い
ます。

1曲目は「Green Mango」です。
刻むようなドラミングなどから、すでにレゲエ
の香りも微妙に感じられる1曲です。
心地良いサックの響きがタマラない魅力の曲
です。

04023 Tommy McCook Green Mango


2曲目は表題曲の「Top Secret」です。
明るいサックスのメロディに乗せた1曲です。

3曲目は「Wild Bunch」です。
サックスを中心とした1曲ですが、レゲエ独特
の刻むようなギターのフレーズも盛り込まれた
曲です。

Tommy McCook - Wild Bunch


4曲目は「Green Apple」です。
出だしのピアノとギターのフレーズが印象的な
曲です。
メインはサックスのメロディですが、ここでも
ピアノが頑張っています。

5曲目は「Beruit」です。
こちらは息の合ったホーン・セクションが心地
良い曲です。

6曲目は「Jungle Skank」です。
一瞬ミリタント・ビートかと思うようなドラム
の出だしから、サックスの心地良い響きで聴か
せる曲です。

Tommy McCook & The Super Sonic - Jungle Skank


7曲目は「West Street Special」です。
刻むようなギターに、ユッタリノビノビとした
ホーンの音色といった曲です。
アドリブで入るサックスのとてもキマった
演奏です。

8曲目は「Big, Bad & Bold」です。
ユッタリした入りから息の合ったホーン・
セクションが心地良い曲です。

Big,Bad & Bold Tommy McCook & The Supersonic


9曲目は「Midnight Time」です。
ちょっと唐突な印象のドラムからピアノ、
そしてホーンへと入って行く曲です。
その癖っぽさから何か模索している感じが
うかがわれます。

10曲目は「Mistic Mood」です。
こちらはスムースなオルガンからホーンへと
入って行く曲です。
心地良いリズムと息の合った演奏がうまく
キマった曲です。

Mistic Mood - Tommy McCook & The Supersonic


ここからはCDボーナス・トラックです。

11曲目は「Walk On This Side」です。
こちらはトロンボーンが頑張っている曲です。
トロンボーンはVin Gordonか?

12曲目は「Hot Shot」です。
刻むようなギターのメロディに、踊るような
サックスといった曲です。

13曲目は「Watch This Music」です。
心地良いピアノの調べからサックスの2重奏
といった曲です。

14曲目は「Sweet Soul Special」です。
出だしからサックスの甘いメロディに、メインは
オルガンの心地良い演奏といった曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、インストとして
なかなか充実した内容のアルバムだと思います。
その中にも次のレゲエへの模索がうかがわれる
のも面白いところです。
こうしたTommy McCookをはじめとするジャズの
素養を持ったミュージシャンは、次のレゲエの
時代になってもセッション・ミュージシャンと
して、ジャマイカのレゲエを裏から支え続ける
力となります。
そうしたシッカリしたインテリジェンスがあった
からこそ、ジャマイカから発信したレゲエは
世界の音楽となる事が出来たんですね。
世界に発信する以前にはスカからロックステディ
という10年間があった事は、忘れてはならない
事実です。

そうしたジャマイカの音楽の一端が解るアルバム
として、今回のアルバムはなかなか良いアルバム
だと思います。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Tommy McCook & The Super Sonics
○アルバム: Top Secret
○レーベル: Beatville Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1999

○Tommy McCook & The Super Sonics「Top Secret」曲目
1. Green Mango
2. Top Secret
3. Wild Bunch
4. Green Apple
5. Beruit
6. Jungle Skank
7. West Street Special
8. Big, Bad & Bold
9. Midnight Time
10. Mistic Mood
Bonus Tracks:
11. Walk On This Side
12. Hot Shot
13. Watch This Music
14. Sweet Soul Special