今回はBarrington Levyのアルバム

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「Teach The Youth: Barrington Levy &
Friends At Joe Gibbs 1980-85」です。

Barrington Levyは80年代のダンスホール・
レゲエで活躍したシンガーです。

70年代にルーツ・レゲエで世界的に認知された
レゲエは、80年代になるとさらに新しい音楽、
Bob Marleyに変わる新しいスターを求められる
ようになります。
そうした時代の要求に答えて誕生したのが
ダンスホール・レゲエであり、それをけん引
したのがVolcanoレーベルのHenry 'JunJo' Lawes
で、彼はバック・バンドにRoots Radics、
ミックスにScientistなどを起用して新しい音楽
ダンスホール・レゲエを生み出していきます。
そのダンスホールのシンガーとしてHenry 'JunJo'
Lawesが目を付けたのが、まだ若かったBarrington
Levyだったんですね。

Henry 'JunJo' Lawesの元からデビュー・アル
バム「Englishman」を出した彼は、独特の
「カナリア・ヴォイス」を武器に、瞬く間に
ダンスホール・レゲエのスターへと登りつめて
行くんですね。

アーティスト特集 Barrington Levy (バーリントン・リーヴィ)

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Barrington Levy - Englishman (1979)

今回のアルバムは2007年にVPレーベル
傘下の17 North Paradeから発表された
アルバムで、Barrington LevyのJoe Gibbs
レーベルから80年から85年までに発表
した曲を集めたアルバムです。

全12曲中1~5曲がBarrington Levyの歌と
ディージェイやダブのディスコ・ミックス曲
で、6~8曲目までがBarrington Levyの曲、
9~12曲目までがバックを務めたJoe Gibbs
& The Professionalsのインストのダブという
3つに分かれた構成になっています。
Barrington Levyの歌の魅力だけではなく、
Joe GibbsとErrol Thompsonのコンビ、通称
The Mighty Twoによるディスコ・ミックス曲
などの「技」も楽しめるのが、今回の眼目
です。

全12曲で収録時間は59分23秒。

アルバムについては以下の記述があります。

Produced & Arranged by: Joe Gibbs & Errol Thompson
Except 'Teach The Youth' Produced by Whitfield 'Witty' Henry
Recording & Mixing Engineers: Joe Gibbs & Errol Thompson
Executive Producer: Christopher Chin

となっています。

バックの演奏はJoe Gibbs & The Professionals
で間違いありません。
細かいメンバーが解らないのは、ちょっと残念な
ところです。

さて今回のアルバムですが、やっぱり聴きどころ
となるといかにもThe Mighty Twoのコンビらしい
歌とディージェイのディスコ・ミックス曲が一番
興味深いんじゃないかと思います。
このJoe GibbsとErrol ThompsonのコンビThe
Mighty Twoによるミックスは、ほとんど彼らの
独占市場といって良いほど彼らの仕事が多く
突出しているんですね。

おそらく実際にミックスを手掛けているのは
Errol Thompsonじゃないかと思うのですが、
彼が二つの曲をひとつにまとめる才能は、
やはり傑出したものがあります。
ミックスした事で曲がよりパワー・アップ
して、単に時間が長くなっただけではなく、
何倍も魅力的に感じられるように再構築
されているんですね。
このErrol Thompsonは初期のダブで活躍した
事から「創世記ダブ四天王」などと評価される
人ですが、やはりその才能には傑出したものが
あります。

そのMighty Twoとダンスホールでスターに
なったBarrington Levyとの組み合わせですが、
なかなか面白いと思います。
さすがにHenry 'JunJo' LawesとRoots Radics、
Scientistという組み合わせの時のような
斬新さや強烈さはありませんが、その分
The Professionalsの演奏は手堅く、この
歌手のまろやかな魅力を引き出しています。
Errol Thompsonのミックスもディージェイとの
調和の取れたサウンドで、作品としての魅力
をうまく保っています。
多少ダンスホールという印象は弱くなって
いますが、その分他のディージェイなどと組み
合わせる事でBarrington Levyの違う魅力を
引き出していると思います。

1~5曲目までがBarrington Levyとディー
ジェイあるいはダブのディスコ・ミックス曲
が収められています。

1曲目はBarrington Levy & Ranking Trevor
の「Wife And Sweetheart Dem A Friend
(Original 12" Disco Mix)」です。
Barrington Levyと80年代のダンスホール・
レゲエで活躍したディージェイRanking Trevor
との組み合わせの曲です。

Barrington Levy & Ranking Trevor - Wife And Sweetheart Dem A Friend 12" 1982


2曲目はBarrington Levy & Lui Lepkieの
「Mine Yuh Mouth / Late Night Movie
(Original 12" Disco Mix)」です。
Lui Lepkieは80年代のダンスホールで活躍
したディージェイで、このJoe Gibbsの元から
「Late Night Movie」というアルバムも
出しています
リディムはFreddie McGregorの「Bobby
Babylon」で、前半はBarrington Levyの伸び
のあるヴォーカル、後半はLui Lepkieの味の
あるトースティングという組み合わせがなかなか
良いです。

Barrington Levy (feat. Louie Lepkie) - Mine Yuh Mouth/Late Night Movie


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Lui Lepkie - Late Night Movie (1981)

リズム特集 Bobby Babylon/Hi Fashion (ボビー・バビロン/ハイファッション)

3曲目はBarrington Levy & Lui Lepkieの
「Quick Divorce (Original 12" Disco Mix) 」
です。
リディムはJackie Mittoo & Soul Vendors の
「Darker Shade Of Black」。
落ち着いたBarrington Levyのヴォーカルと
Lui Lepkieの楽し気なトースティングという
組み合わせです。

リズム特集 Darker Shade Of Black (ダーカー・シェイド・オブ・ブラック)

4曲目はBarrington LevyとKojak & Lizaの
「My Woman / Ten Thousand Woman (Original
12" Disco Mix)」です。
Kojak & Lizaはあまり知らない名前ですが、
男女のディージェイ・コンビのようです。
Barrington Levyの甘いヴォーカルに掛け合い
のユルいトースティングという組み合わせ。
リディムは「General」。

Barrington Levy- My Woman & Kojak & Liza- Ten Thousand


リズム特集 General (ジェネラル)

5曲目はBarrington Levyの「Do Good (Special
Extended Mix)」です。
こちらは前半はBarrington Levyの歌、後半
はダブという組み合わせのミックスになって
います。
「カナリア・ヴォイス」と言われたBarrington
Levyの伸びのある高音が魅力の曲です。

6~8曲目はBarrington Levy単独の曲が収め
られています。

6曲目は表題曲の「Teach The Youth」です。
この曲のみプロデュースがWhitfield 'Witty'
Henryという人が行っているようです。
リディムはHorace Andyの「Mr. Bassie」。
アーリー・ダンスホールらしい空気感を持った
1曲です。

Barrington Levy - Teach the youth


7曲目は「Good Loving」です。
リディムはこちらもHorace Andyの「Skylarking」
です。
特徴的な高音が比較されるBarrington Levyと
Horace Andyですが、同じリディムを歌うと
違いがよく解ります。

Barrington Levy - Good loving 1985


8曲目は「Give You Everything」です。
こちらも3分54秒の曲ながら、後半がダブに
なっています。

9~12曲目はバックを担当したJoe Gibbs &
The Professionalsのダブが収められています。
さすがに80年代に作られたダブなので、
だいぶデジタルの要素が入って来ているのが
面白いところです。

9曲目は「Family Affair」です。
イントロで解りますが、1曲目「Wife And
Sweetheart Dem A Friend」のダブです。

10曲目は「Mouth Talk」です。
こちらは2曲目「Mine Yuh Mouth」のダブ。

11曲目は「Gwan And Lef Me」です。
こちらは3曲目「Quick Divorce」のダブ。

12曲目は「Cast Eye Boy」です。
4曲目「My Woman」のダブ。

ざっと追いかけて来ましたが、Barrington
LevyとJoe GibbsとErrol Thompsonのコンビ
The Mighty Twoの組み合わせの面白さが
うまく詰め込まれたアルバムだと思います。

こうした様々なプロデューサーと仕事をし
ながら、Barrington Levyは歌手として大成
して行ったんだと思います。
そうした彼の軌跡の一端が解るアルバムとして
なかなか良い内容のアルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Barrington Levy
○アルバム: Teach The Youth: Barrington Levy & Friends At Joe Gibbs 1980-85
○レーベル: 17 North Parade
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2008

○Barrington Levy「Teach The Youth: Barrington Levy & Friends
At Joe Gibbs 1980-85」曲目
1. Wife And Sweetheart Dem A Friend (Original 12" Disco Mix)
– Barrington Levy & Ranking Trevor
2. Mine Yuh Mouth / Late Night Movie (Original 12" Disco Mix)
– Barrington Levy & Lui Lepke
3. Quick Divorce (Original 12" Disco Mix) – Barrington Levy & Lui Lepke
4. My Woman / Ten Thousand Woman (Original 12" Disco Mix)
– Barrington Levy W / Kojak & Liza
5. Do Good (Special Extended Mix) – Barrington Levy
6. Teach The Youth – Barrington Levy
7. Good Loving – Barrington Levy
8. Give You Everything – Barrington Levy
9. Family Affair – Joe Gibbs & The Professionals
10. Mouth Talk – Joe Gibbs & The Professionals
11. Gwan And Lef Me – Joe Gibbs & The Professionals
12. Cast Eye Boy – Joe Gibbs & The Professionals