今回はVarious(オムニバス)もののアルバム

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「Corner Stone Church Of Music Recording Congress Presents:
‎Untold Reggae History Vintage Classics Volume One」です。

今回のアルバムは制作年は不詳で、Corner Stone
Church Of Music Recording Congressという
レーベルから出ているアーティストの曲10曲
を集めたコンピュレーション・アルバムです。
収められているアーティストは、Frankie Paul、
Phillip Fraser、Frankie Jones、Sylvan White、
Rod Taylor、Prince Allahの6人です。

何曲かは曲の制作年も解りました。
Side 1の1曲目Frankie Paulの「Old Nigger」
は84年、Side 1の2曲目Phillip Fraserの
「Life Is So Funny」は80年、Side 2の
1曲目Rod Taylorの「I'll Be Gone」は79年
でした。
だいたい70年代の後半のルーツ・レゲエ期の
終わり頃から80年代前半のアーリー・ダンス
ホール期の楽曲が集められているようです。
84年の楽曲も入っている事から、アルバムの
制作はそれ以降と考えられます。

まずはアーティストを簡単に紹介しておきます。

Frankie Paulは80年代のダンスホール・
レゲエで活躍したシンガーです。
生まれた時から盲目に近い状態だった彼は、
「ジャマイカのスティービー・ワンダー」と
形容されるほどの実力で、このダンスホール・
レゲエの時代に活躍した人です。

アーティスト特集 Frankie Paul (フランキー・ポール)

Phillip Frazer(Fraser)は70年代のルーツ・
レゲエの時代から80年代のダンスホール・
レゲエの時代にかけて活躍したシンガーであり、
プロデューサーでもある人です。
自身のレーベルRazer Soundsや、Errol 'Don'
Maisの率いるレーベルRoots Tradition、今回の
Corner Stoneなど、主にジャマイカ国内の
小さなレーベルで活躍した人のようです。

Frankie JonesことTony Palmerは、70年代の
後半から80年代にかけて、ダンスホールで活躍
したシンガーのようです。

Frankie Jones (reggae singer) - Wikipedia

Sylvan Whiteは70年代のルーツ・レゲエの
時代から80年代にかけて活躍したシンガー
のようです。
主にシングル盤のみの活躍だったようなのです
が、後にRoots Foundationというレーベルから
彼のシングルをまとめたアルバムが発売されて
います。

Rod Taylorは70年代後半のルーツ・レゲエの
時代から80年代のダンスホール・レゲエの時代
にかけて活躍したシンガーです。

Rod Taylor (singer) - Wikipedia

Prince Allaは70年代のルーツ・レゲエの時代
から活躍するシンガーです。

アーティスト特集 Prince Alla (プリンス・アラー)

70年代のルーツ・レゲエの時代から80年代の
ダンスホール・レゲエの時代にかけて活躍した
シンガーを集めたアルバムが今回のアルバム
という事になります。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Tracks laid by Soul Syndicate & High Times Band
All tracks laid at Channel One Studio & mixed at King Tubby's Studio

Produced & Distributed by: Corner Stone Church Of Music Recording Congress

Executive Producers: Allan Hoyte, Delroy McKoy, Sylvan White

となっています。

バックはギタリストのEarl 'Chinna' Smithが
率いるSoul SyndicateとHigh Times Bandが
担当しています。
'Chinna' Smithは自身のレーベルHigh Timesの
活動以外にも、こうしたマイナー・レーベルの
バックも多く引き受けているんですね。
80年代のダンスホール・レゲエの時代に
なっても、こうしたマイナー・レーベルの
アルバムにはHigh Times Bandの名前がよく
あります。

さて今回のアルバムですが、実はそれほど期待
して買ったアルバムではありませんでした。

こういうレゲエのブログを書いているとよく
考えるんですが、よく「名盤」という言い方を
するけれど名盤て何なのか?
すべての人に素晴らしい「名盤」なんてあるの
か?
「名盤」「名盤」という集め方をして本当に
楽しいのか?
そんな事を思うんですね。

確かに素晴らしいと感じるアルバムはあるけれ
ど、そのアルバムがすべての人に素晴らしいか
は私には解りません。
逆に欠点はいろいろあるけれど、面白いと思う
アルバムもあります。
また他はあまり良くないけれど、1曲だけすごく
良い曲があったり…。
そんないろいろな「出会い」こそが、実は一番の
楽しみだったりします。
実は人の決めた「名盤」なんて決め付けなんて、
あんまり意味のない事だったりします。

なので私のブログでは「名盤」という言葉を
使わないように気を付けています。
「名盤」かどうかは私が決める事ではなく、
聴き手であるあなたの決める事、それが私の
スタンスなんですね。
まあ、「名曲」という言葉は、曲を説明するのに
簡単なのでけっこう使っちゃいますが…(笑)。
それと同じで販売サイトなどで「名盤」「名盤」
と書いているのは、説明を簡略化する為ぐらいの
意味しかないんですね。
もしも「名盤」を聴いてあまり楽しめなかった
としても、それはあなたの感性が間違っている
訳では無いのです。

という事で、私は音楽を楽しむという事に重点
を置いて、音楽を聴いています。
そしてこうしてアルバム評なども書いています
が、必ずしも「名盤」だけを紹介したい訳では
なく、そのアルバムはどういうアルバムか?
どういう面白いところがあったのか?を書こう
と思ってブログを書いています。
むしろみんなが良いというアルバムは多くの人
が批評しているのでそれほど書かなくても良い
かなと思うほどで、あんまり人が書かないよう
なアルバムについていろいろ書くのが好きなん
ですね(笑)。

話が長くなりましたが、そういう私の観点から
見ると、今回のアルバムはけっこう面白いアル
バムでした。
このアルバム新宿のdisk unionで中古で売られ
ていたアルバムで、ジャケットは色褪せして
底も少し抜けかけていたようなアルバムで、
514円で手に入れたアルバムでした。
こうした普通のコンピが当時のジャマイカの
レゲエの空気感があって、私は好きなんですね。
流し聴きして心地よい、そう思って購入した
アルバムでした。

ただ普通のコンピでは無かったんですね。
Side 2の最後の5曲目にSylvan Whiteの
「Africans Unite」という曲が入っていますが、
これが素晴らしい1曲でした。
他の曲はアーリー・ダンスホールを感じさせる
曲が揃っているのですが、この曲だけは明らか
にルーツ・レゲエの匂いのする1曲です。
制作年も調べたのですが、「Unknown」となって
おり、ハッキリした制作年は解りませんでした。
上に書いたようにこのSylvan Whiteという人、
シングルを何枚か出しているぐらいの人なんです
が、後にそうしたシングルを集めたコンピュレー
ションが作られています。
そうしたコンピが作られたのも、この「Africans
Unite」という曲があったせいかも…。
それほど心に響く素晴らしい1曲です。

Side 1の1曲目はFrankie Paulの「Old Nigger」
です。
リディムはJackie Mittoo & Soul Vendorsの
「Darker Shade Of Black」です。
名リディムに乗せて「ジャマイカのスティー
ヴィー・ワンダー」Frankie Paulの歌声の冴える
1曲です。

Frankie Paul - Old Nigger


リズム特集 Darker Shade Of Black (ダーカー・シェイド・オブ・ブラック)

2曲目はPhillip Fraserの「Life Is So Funny」
です。
このPhillip Fraserという人、ジャマイカでは
かなりの人気シンガーだったようです。
彼のリリックを感じる1曲。

3曲目はFrankie Jonesの「Mr. Parker」です。
このFrankie Jonesもアーリー・ダンスホール
では、かなり活躍している人です。
明るいリズムに乗せた1曲。

4曲目はSylvan Whiteの「Desreen」です。
こちらはSylvan Whiteのアーリー・ダンス
ホールを感じさせる1曲です。

5曲目はRod Taylorの「Your Love」です。
確かPhillip Fraserの曲か何かで同じリディム
の曲を聴いたような記憶があるのですが、特定
できませんでした。
いかにもこのアーリー・ダンスホールらしい
ユッタリしたリズムで聴かせる曲です。

Rod Taylor - Your Love


Side 2の1曲目はRod Taylorの「I'll Be
Gone」です。
Phillip Fraserのアルバム「Blood Of The Saint」
に入っている「Mr. Wicked Man」と同じリズムを
使った曲です。
(オリジナルはこの曲なのかは不明。)
刺激的なメロディに心地良さそうなRod Taylorの
ヴォーカルが映える1曲です。

I'll Be Gone - Rod Taylor


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Phillip Fraser - Blood Of The Saint (1982)

2曲目はFrankie Paulの「Red, Gold & Green」
です。
「赤、金、緑」はジャマイカの国旗の色です。
ポジティブな印象の1曲。

3曲目はPrince Allahの「Good Night My Love」
です。
ソフトなメロディにソフトなヴォーカル、ちょっと
ハードなミックスが際立つ1曲です。

Prince Allah - Good Night My Love


4曲目はFrankie Jonesの「How Many More
Rivers」です。
人の声や口笛のエフェクトも賑やかな楽しい
1曲です。

Frankie Jones - How Many More Rivers


5曲目はSylvan Whiteの「Africans Unite」
です。
この曲だけは明らかにルーツ・レゲエの
ヴァイブスを持った曲です。
ズシッと来るシリアスなメロディにシビレる
1曲です。

Sylvan White - African's Unite - 7inch / Corner Stone


ざっと追いかけて来ましたが、やっぱりこの
Sylvan Whiteの「Africans Unite」だけが
ルーツの異質な光を放っており、それがアルバム
のバランスとしてどうなのかという事はあります
が、やはりこの1曲がこのアルバムの価値を
高めているのは間違いありません。
やっぱりルーツ好きには素晴らしすぎる1曲
なんですよね。

他の曲もアーリー・ダンスホールの悪くない
曲が入っているし、ちょっと拾い物感のある
アルバムだと思います。
やはりこういうちょっとしたアルバムを見つけ
た時には、小さな喜びがあります。

実際に耳で聴いて良いか悪いか判断する、
それがリスナーの基本ではないでしょうか。
大評論家の先生もあなたの耳には敵わない
のです。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Various
○アルバム: Corner Stone Church Of Music Recording Congress Presents:
‎Untold Reggae History Vintage Classics Volume One
○レーベル: Corner Stone
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: Unknown

○Various「Corner Stone Church Of Music Recording Congress Presents:
‎Untold Reggae History Vintage Classics Volume One」曲目
Side 1
1. Old Nigger – Frankie Paul
2. Life Is So Funny – Phillip Fraser
3. Mr. Parker – Frankie Jones
4. Desreen – Sylvan White
5. Your Love – Rod Taylor
Side 2
1. I'll Be Gone (Adapted) – Rod Taylor
2. Red, Gold & Green – Frankie Paul
3. Good Night My Love (Adapted) – Prince Allah
4. How Many More Rivers – Frankie Jones
5. Africans Unite – Sylvan White