今回はThe Techniquesのアルバム

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「Run Come Celebrate: Their Greatest Reggae Hits」です。

The Techniquesは60年代後半のロックステディ
の時代に活躍したコーラス・グループです。
リーダーのWinston Rileyを中心に結成された
グループで、このロックステディ期のスター
Slim Smithが在籍したグループとして知られて
います。
このロックステディ期はTreasure IsleとStudio
Oneがジャマイカの音楽市場を独占していて、
The TechniquesはTreasure Isleの看板グループと
して活躍しました。

テクニクス (バンド) - Wikipedia

またリーダーだったWinston Rileyはその後
脱退して、自身のレーベルTechniquesを作って
います。
このTechniquesは80年代のダンスホール・
レゲエの時代に、「Stalag」リディムを武器に
人気レーベルへと成長して行くんですね。

レーベル特集 Techniques (テクニクス)

つまりTechniquesには、60年代後半のロック
ステディの時代に活躍したコーラス・グループ
の名前の場合と、80年代のダンスホール・
レゲエで活躍したレーベルの名前の場合の
2通りがあります。

ついでにロックステディについても説明して
おくと、1966年から1968年までの
わずか3年間だけジャマイカで流行した音楽
です。
それまでジャマイカでは50年代後半から
アメリカのブルースやR&Bに影響を受けた
「スカ」が流行していたんですが、この3年間
だけスローなリズムと甘いメロディを持った
ロックステディが流行します。
そのロックステディの後に、60年代後半に
誕生するのが「レゲエ」なんですね。
つまりレゲエの前身になった音楽、それが
ロックステディです。

ロックステディ - Wikipedia

今回のアルバムはそのジャマイカで3年間だけ
流行したロックステディの時代に活躍した
コーラス・グループThe Techniquesの曲を集めた
コンピュレーション・アルバムです。
音源としては60年代後半のものが集められて
いますが、1993年にHeartbeat Records
から発表されたアルバムです。

全16曲で収録時間は42分21秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Produced by Duke Reid
Recorded at Treasure Isle Recording Studio
Engineered by Byron Smith

Vocalist include Slim Smith, Frederick Waite, Franklyn White,
Winston Riley, Johnny, Junior Mends, Bruce Ruffin, Pat Kelly,
Lloyd Parks, Ernest Wilson, Marvin Brooks

Backing Band include The Baba Brooks Band, Lyn Taitt And The Jets,
Tommy McCook And The Supersonics, The Duke Reid Allstars

Design by Scott Billington
Illustration adapted from original Treasure Isle artwork

となっています。

ヴォーカリストだけでも11人も名前があり
ます。
このThe Techniquesがかなり入れ替わりの
激しいグループだった事が解ります。
ちなみにSlim Smithが抜けた後はPat Kellyや
Junior Mendsがリード・ヴォーカルを務めて
いたようです。

バック・バンドとしては4つの名前があります。
Lyn Taitt And The Jetsは、とにだーど・トバゴ
出身のギタリストLyn Taittを中心にしたバンド
で、このロックステディ期に活躍したグループ。
Tommy McCook And The Supersonicsは、The
Skatalites出身のサックス奏者Tommy McCookを
中心としたTreasure Isleの専属バンドです。

ちなみにジャケットはかなり安っぽいイラスト
ですが、オリジナルのTreasure Isleのアート・
ワークを再現したもののようです。

さて今回のアルバムですが、このロックステディ
の時代に活躍したThe Techniquesの名曲が
たくさん収められたアルバムで、内容はとても
良いです。
特に初めの3曲、「Love Is Not A Gamble」や
「Queen Majesty」、「I'm In The Mood」など
は、その後の80年代のダンスホール・レゲエ
の時代になっても何度も何度もカヴァーされ
続けている名曲が収められています。
他にも「My Girl」や「Traveling Man」など、
後の時代にも愛されている曲が多く収められて
いて、聴きごたえ充分な内容のアルバムだと
思います。

1曲目は「Love Is Not A Gamble」です。
言わずと知れたThe Techniquesの超名曲です。
ガツン!!と硬いドラムの音からコーラス・
ワークになるところがタマラない1曲。
この甘いコーラスこそまさにロックステディ!
このリディムはのちに「General」などと呼ば
れて、長く愛されている名リディムです。

The Techniques - Love Is Not A Gamble


リズム特集 Love Is Not A Gamble (ラブ・イズ・ノット・ア・ギャンブル)

2曲目は「Queen Majesty」です。
原曲はソウルの大御所、Curtis Mayfieldが
所属したThe Impressionsの「Minstrel And
Queen」です。
このリディムもダンスホールの人気リディム
として愛され続けた1曲です。
原曲はソウルですがこの甘い空気感は、まさに
ロックステディそのもの。

The Techniques - Queen Majesty riddim


リズム特集 Queen Majesty (クイーン・マジェスティ)

3曲目は「I'm In The Mood」です。
こちらもThe Techniquesがロックステディの
時代に残した名曲のひとつです。

THE TECHNIQUES - I'm in the mood (For love)


リズム特集 Mood For Love (ムード・フォー・ラブ)

4曲目は「It's You I Love」です。
いかにもこのロックステディの時代らしい
ギターのリズムに乗せた1曲。
やはり美しいコーラス・ワークが、このグループ
の魅力です。

The Techniques - It's You I Love


5曲目は「Festival '68」です。
こちらは68年に行われた何かのフェスティバル
のテーマ曲か何かなのか?

6曲目は「Day-O」です。
あのHarry Belafonteの有名曲「Banana Boat
Song」のロックステディ・ヴァージョンです。
ちなみにポピュラー・ソングとしてヒットした
この曲ですが、「カリプソ」と思われています
が、実は「メント」の曲なんですね。
細かい事ですが、「カリプソ」はトリニダード・
トバゴのカーニバル音楽で、「メント」はスカ
以前にジャマイカで聴かれていた民族音楽なん
ですね。
ジャマイカ系アメリカ人のHarry Belafonteが
この曲を歌った時に、「メント」より知られて
いた「カリプソ」という事にしちゃったらしい
です。

7曲目は「My Girl」です。
こちらもレゲエの時代まで愛された有名曲です。
女性歌手が歌う時には「My Man」なんて
タイトルになっている事もあります。
ちなみにThe Temptationsのソウルのヒット曲
「My Girl」とは全く別の曲で、レゲエで
「My Girl」といえばこの曲なんですね。

THE TECHNIQUES - MY GIRL.wmv


8曲目は「Traveling Man」です。
こちらは「隠れ名曲」ともいえる1曲です。
Tommy McCookあたりと思われるサックスに
素晴らしいコーラス・ワーク、まさにこの
ロックステディという時代の空気感が詰め
込まれた魅力的な曲です。

The Techniques - travelling Man


9曲目は「Out Of Many」です。
軽快なギターのメロディに乗せた1曲。

10曲目は「Heart Of Man」です。
印象的なオルガンのメロディにコーラス・
ワークが絡む1曲です。

11曲目は「I Wish It Would Rain」です。
こちはサックスのイントロから、優しい
ヴォーカルにコーラス・ワークといった曲
です。
いかにもTommy McCookらしいサックス・ソロ
も入っています。

12曲目は「Bless You」です。
こちらは優しいヴォーカルといったイメージ
の曲です。

13曲目は「Ol' Man River」です。
こちらはオルガンのメロディに乗せた曲。

14曲目は「I'm In Love」です。
タイミング良く入るホーンに、元気のある
ヴォーカルにコーラス・ワークといった曲
です。

15曲目は「Little Did You Know」です。
リズミカルなバックに乗せた元気の良い曲。
ちょっと女性コーラスも混ざっているか?

16曲目は「My Whole Life Depends On You」
です。
こちらもリズムカルなバックに、合間良く入る
ホーンに、コーラス・ワークといった曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、やはり頭の方に
ある曲の印象が強烈で、後半の曲は若干印象が
弱い気がしないでもありません。
それでもこのロックステディの時代に一世を
風靡したグループだけあって、内容的にも
聴きどころ満載のアルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: The Techniques
○アルバム: Run Come Celebrate: Their Greatest Reggae Hits
○レーベル: Heartbeat Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1993

○Techniques「Run Come Celebrate: Their Greatest Reggae Hits」曲目
1. Love Is Not A Gamble
2. Queen Majesty
3. I'm In The Mood
4. It's You I Love
5. Festival '68
6. Day-O
7. My Girl
8. Traveling Man
9. Out Of Many
10. Heart Of Man
11. I Wish It Would Rain
12. Bless You
13. Ol' Man River
14. I'm In Love
15. Little Did You Know
16. My Whole Life Depends On You