今回はAugustus Pabloのアルバム

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「Pablo Meets Mr. Bassie: Original Rockers Vol.2」です。

Augustus Pabloは70年代のルーツ・レゲエ
の時代から活躍したメロディカ奏者であり、
プロデューサーでもあった人です。
それまで子供の楽器のように思われた楽器
メロディカを、レゲエに特別なニュアンスを
与える楽器に変えたのは、この人の功績と
考えられています。
自身のインスト・アルバムやダブ、多くの
アルバムの客演など素晴らしい実績を残し
ましたが、1999年に筋無力症のために
亡くなっています。

アーティスト特集 Augustus Pablo (オーガスタス・パブロ)

今回のアルバムは1991年に発表された
彼のコンピュレーション・アルバムです。
副題に「Original Rockers Vol.2」となって
いるように、1979年に発表された
「Original Rockers」の続編として作られた
アルバムのようです。
内容的には彼の70年代頃の音源を中心に
集められているようです。

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Augustus Pablo - Original Rockers (1979)

ちなみに曲目は全く同じで、ジャケットは
イラストで、単に「Original Rockers Vol.2」
となっているアルバムもあります。

手に入れたのはShanachieというレーベルのCD
でしたが、多少パリパリ音の入る個所なども
あり、音質はちょっと悪いです。
こうしたパリパリ音はこの時代のレゲエを聴く
時の困った問題ですが、今回は比較的マシな方
です。

全9曲で収録時間は30分11秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Bass: Robby Shakespeare, George Fullwood, Jr. Dan, Aston Barrett, Leroy Sibbles
Drums: Basil Creary, Santa Davis, Albert Malawi, Leroy Wallace
Rhythm Guitar: Fazel Pendergrass
Lead Guitar: Earl 'Chinna' Smith
Organ, Piano, Zylophone: Augustus Pablo
D.J.Voice: Hugh Mundell
Studios: Dynamic Sounds, Studio 17, King Tubby's, Harry J, Black Ark
Engineers: King Tubby, A. Pablo, E. Thompson, S. Morris, L. Perry, C. Pitterson
Published by: Pablo Publishers Ltd.
Produced by: A. Pablo for Rockers Production

となっています。

オルガにピアノ、サイロフォン(木琴)なども
Augustus Pabloは演奏しています。

コンピュレーションの為、スタジオやエンジニア
がすごく多いです。
King TubbyにErrol Thompson、Sylvan Morris,、
Lee Perry、Carl Pittersonと、70年代に
活躍したエンジニアが勢ぞろいしている感が
あります。
80年代初めに亡くなった夭折の天才シンガー
Hugh Mundellも、「D.J.Voice」として入って
います。

さて今回のアルバムですが、やはりAugustus
Pabloの70年代の音源は素晴らしいものが
あります。
原曲もSound Dimensionの「Real Rock」や
Abyssiniansの「Satta Massagana」など
ルーツぐらいのサウンドが好きな人なら
耳馴染みの曲が使われている事もあって、
とても聴き易いアルバムだと思います。

ただなぜこの91年になってこうしたアルバム
が作られたのか?
ちょっと謎な部分もあります。
この90年代になるとAugustus Pabloも
徐々に筋無力症の症状に苦しむことになるの
ですが、その辺の影響も多少あるんでしょう
か?

1曲目は「555 Crown St.」です。
Jacob Millerの名曲「False Rasta」のPablo
ヴァージョンです。
Inner Circleでも活躍したJacob Millerも
Pabloが育てたシンガーの一人で、この曲は
彼とAugustus Pablo繋ぐ曲です。
ユラユラと揺れる様なメロディカのメロディが
タマらない1曲です。

augustus pablo - 555 Crown Street


2曲目は「Rockers Rock」です。
リディムはロックステディの時代のSound
Dimensionの名曲「Real Rock」。
Augustus PabloはけっこうこのSound
Dimensionが好きだったようで、間奏部分に
彼らの「Bitter Blood」のメロディを入れて
いる曲があったりします。

augustus pablo - Rockers Rock


リズム特集 Real Rock (リアル・ロック)

3曲目は「Burial Dub」です。
イントロに入る声がHugh Mundellの声の
ようです。
続く寂寥感のあるメロディカがタマラない
1曲。

4曲目は「Pablo Satta」です。
原曲はAbyssiniansの名曲「Satta Massagana」
です。
この曲も彼のお気に入りだったのか、
「Silent Satta」など別ヴァージョンがある
ほどの曲です。

augustus pablo - Pablo Satta


リズム特集 Satta Massa Ganna (サタ・マサ・ガナ)

5曲目は表題曲の「Pablo Meets Mr. Bassie」
です。
原曲はHorace Andyの「Mr. Bassie」。
寂寥感のあるメロディカでジックリと聴かせ
ます。

augustus pablo - Pablo Meets Mr. Bassie


6曲目は「Havendale Rock」です。
こちらはメロディカの入っていない曲です。
Pabloはなんの楽器か解りませんが、ベース
を中心としたちょっとコミカルな演奏です。

7曲目は「Golden Seal」です。
メロディカにおそらくサイロフォンらしい
音も入った1曲です。
優しい音色のメロディカが、とても良い
グルーヴ感があります。

8曲目は「Power Of The Trinity」です。
こちらも表情のあるメロディカが魅力の曲
です。

9曲目は「West Abyssinia」です。
こちらはベースのリズムに乗せたサイロフォン
と思われる演奏です。

augustus pablo - West Abyssinia


ざっと追いかけて来ましたが、やはりこの
Augustus Pabloという人は、エモーショナル
でイマジネーション豊かな演奏が魅力の人
なんですね。
その西洋音楽とは全く違う音楽への取り組み
は、この70年代のルーツ・レゲエを特別な
音楽に変えた人のひとりと言えるでしょう。
彼の演奏には人の心揺さぶる何かが、必ず
あります。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Augustus Pablo
○アルバム: Pablo Meets Mr. Bassie: Original Rockers Vol.2
○レーベル: Shanachie
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1991

○Augustus Pablo「Pablo Meets Mr. Bassie:
Original Rockers Vol. 2」曲目
1. 555 Crown St.
2. Rockers Rock
3. Burial Dub
4. Pablo Satta
5. Pablo Meets Mr. Bassie
6. Havendale Rock
7. Golden Seal
8. Power Of The Trinity
9. West Abyssinia