今回はHorace Andyのアルバム

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「Sings For You And I」です。

Horace Andyは70年代のルーツ・レゲエの
時代から活躍するシンガーです。
Studio Oneからデビューした彼は、本名の
Horace Hindsから、当時人気だったBob Andyの
名前を取ったHorace Andyという歌手名を与え
られデビューします。
独特のファルセット・ヴォイスを武器に活躍し、
「Skylarking」などのヒット曲を飛ばし、
人気の歌手へと成長して行くんですね。

アーティスト特集 Horace Andy (ホレス・アンディ)

今回のアルバムは1978年にTotal Sounds
というレーベルから発表されたコンピュレー
ション・アルバムです。
初めのタイトルは「Horace Andy Sings For You
And Yours」だったようです。

プロデュースはプロデューサーのBunny Leeと
アメリカのClocktower Recordsの主催者Brad
Osborneで、おそらくClocktowerで販売する為に
編集したベスト盤なんじゃないかと思います。
Bunny LeeとBrad Osborneは友人関係で、Bunny
Leeはアメリカで販売する為によくこの
Clocktower Recordsを使っていたようです。

手に入れたのはClocktower Records系列の
カナダのAbrahamというレーベルのCDでした。

ちなみに今回のアルバムは多少音質が悪いです。
ある程度普通に聴ける方ですが、注意深く聴くと
多少ポツポツ音が入っています。
このClocktower Records系列のアルバムは
音質の悪いのが難点で、かなりひどいポツポツ音
に悩まされるものがあったりしますが、今回は
その中では比較的マシな方です(笑)。

全12曲で収録時間は39分27秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Bass: Robert 'Robbie' Shakespeare, George 'Fully' Fulwood
Drums: Carlton 'Santa' Davis, Carlton 'Carllie' Barrett,
Brother Benbow
Lead Guitar: Earl 'Chinner' Smith
Organ: Ossie Hibbert, San Winter, Augustus Pablo
Piano: Bernard 'Touter' Harvey, Augustus Pablo
Rhythm Guitar: Tony Chin, Aston 'Family Man' Barrett,
Brother Bagga, Brother Morris

All Tracks Mixed by Osbourne Rudock alias King Tubby
Producer: Bunny Lee, Brad Osborne
Mastered at Dynamic Sounds by Graeme Goodall

となっています。

バックはBunny Leeのハウス・バンド
The Aggrovators。
ネットの販売サイトなどの情報によると、録音は
73~75年ぐらいと書かれていました。
実際にRiddimguideなどで曲を調べた年号も、
ほぼその時期で合っていました。

さて今回のアルバムですが、まさにHorace Andy
の良い曲が集められたアルバムで、内容はとても
良いと思います。
彼はこの後も長く活躍し、ジャマイカの「国民的
歌手」とまで称えられた人ですが、このルーツ・
レゲエの時代の活躍はやはり特別なものがあり
ます。
そうした彼のもっとも良い部分が収められた
アルバムが、今回のアルバムと言えるでしょう。

1曲目は「My Guiding Star」です。
リディムはThe Heptonesの同名曲です。
ビターな演奏のバックに彼独特のファルセット・
ヴォイスが冴えを見せる1曲です。

Horace Andy - My Guiding Star


2曲目は「A True Love Always Shines Bright」
です。
ホーンとピアノのメロディの入りから、彼独特の
ファルセットがさく裂している曲です。

3曲目は「I Don't Want To Be Outside」です。
こちらもホーンの入りからソフトに語るように
歌うHorace Andyのヴォーカルが魅力の1曲。

4曲目は「Money Is The Root Of All Evil」
です。
こちらはHorace Andyの代表曲のひとつで、
「Money Money」という名前で知られる曲
です。
「金はすべての悪の根源だ」と歌われる歌詞
は、当時のジャマイカの現実を歌った内容で、
ルーツ・レゲエを代表する1曲です。

Horace Andy "Money Is The Root Of All Evil"


Money Money - 1975 - リリック

5曲目は「Our Jamaican National Heroes」
です。
こちらはピアノのメロディに乗せた曲で、
独特の浮遊感のある面白い曲です。

Horace Andy - Our Jamaican National Hero


6曲目は「No Man Is An Island」です。
こちらはDennis Brownのヒット曲として
知られている曲のカヴァー。
名曲を丁寧に歌っています。

No Man Is An Island - Horace Andy


7曲目は「Goodnight My Love」です。
レゲエらしい明るいリズムに、丁寧な歌いぶり
の1曲。

8曲目は「We've Got To Forward Home」です。
Bob Andyの「I've Got To Go Back Home」の
リディムです。

9曲目は「I've Got To Get Away」です。
こちらも聴き覚えのある曲ですが、リディムが
特定できませんでした。
いかにもルーツ!といった1曲です。

10曲目は「Crime Don't Pay」です。
ピアノのメロディから入る曲で、Horace Andy
の伸びのあるヴォーカルが魅力の曲です。

11曲目は「Don't Try To Use Me」です。
こちらもHorace Andyの定番曲ともいえる曲
です。
伸びのあるヴォーカルは彼ならではの魅力が
あります。

Don't Try To Use Me - Horace Andy


12曲目は「Better Collie」です。
Dennis Brownの「Conqueror」のリディム。

ざっと追いかけて来ましたが、やはりこの
Horace Andy荷は彼でなければ出せない独特の
ファルセット・ヴォイスの魅力があります。
またそのファルセット・ヴォイスはこのルーツ
の時代のビターなサウンドとすごく相性が
良いんですね。
そのふたつが合わさって生み出される世界は、
唯一無二の独特の世界なんですね。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Horace Andy
○アルバム: Sings For You And I
○レーベル: Abraham
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1978

○Horace Andy「Sings For You And I」曲目
1. My Guiding Star
2. A True Love Always Shines Bright
3. I Don't Want To Be Outside
4. Money Is The Root Of All Evil
5. Our Jamaican National Heroes
6. No Man Is An Island
7. Goodnight My Love
8. We've Got To Forward Home
9. I've Got To Get Away
10. Crime Don't Pay
11. Don't Try To Use Me
12. Better Collie

●今までアップしたHorace Andy関連の記事
〇Horace Andy, Naggo Morris, Wayne Jarrett「Horace Andy Meets Naggo Morris & Wayne Jarrett - Mini Showcase」
〇Horace Andy「Dance Hall Style」
〇Horace Andy「Get Wise」
〇Horace Andy「In The Light / In The Light Dub」
〇Horace Andy「Pure Ranking」
〇Horace Andy「Skylarking」
〇Horace Andy「You Are My Angel」
〇Various「When Jah Shall Come」
〇Horace Andy「Good Vibes」
〇Horace Andy & Errol Scorcher「Unity Showcase」