今回はDon Drummondのアルバム

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Greatest Hits」です。

Don Drummondは60年代のスカの時代に活躍
したThe Skatalitesのトロンボーン奏者と
して知られている人です。
ジャマイカの不良少年を更生させる為の学校
アルファ・ボーイズ・スクールで音楽を学んだ
彼は、音楽の才能を発揮してトロンボーン奏者
として頭角を現します。
そしてスカの時代の1963年に結成された
Studio Oneのバック・バンドThe Skatalitesの
スター・プレイヤーとして活躍するんですね。

ところが精神に異常をきたし、恋人だった
歌手でダンサーのアニタ・マルガリータ・
マンフッドを64年に殺害して、投獄されて
しまうんですね。
そしてそういう事をきっかけにThe Skatalites
は65年に解散し、時代もスカからロック
ステディ、さらにはレゲエへと移り変わって行く
んですね。

そして投獄されたDon Drummondは69年に獄死
しています。
天才と言われながらも悲劇的な末路を辿った人、
それがこのDon Drummondです。

アーティスト特集 Don Drummond (ドン・ドラモンド)

アーティスト特集 Skatalites (スカタライツ)

今回のアルバムはDon Drummondが亡くなった
1969年にTreasure Isleレーベルで作られ
た、彼のヒット曲を集めたアルバムです。

ちなみにネットの販売サイトの情報によると、
この「Greatest Hits」というアルバムには、
2種類のヴァージョンが存在するんだそうです。
Don Drummondの写真にバックがストライプ柄の
ものがジャマイカ盤で、Don Drummondの写真に
バックが黒ベタのものがUK盤で、同じタイトル
でありながら曲目が全く違うんだそうです。

ちなみに手に入れたCDはフランスのレーベル
Planet VibeのCDで、ジャケットがストライプ
柄で、内容的にもジャマイカ盤と同じ曲目の
アルバムでした。

全12曲で収録時間は37分50秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

A Treasure Isle Production
Recording Engineer: Bylon Smith of Treasure Isle
Recording Studio; Recorded at Treasure Isle Recording Studio

となっています。

あんまりミュージシャンに対する表記が無い
のは、ちょっと残念なところです。

曲は全12曲のうち、3曲目「Street Corner」
がDotty & Bonnie、9曲目「Woman A Come」が
Margarita名義の曲で、歌が入っています。
特に9曲目のMargaritaは、Don Drummondに
殺されたアニタ・マルガリータ・マンフッド
らしいです。
そういういろいろな意味で、興味深い曲の収め
られたアルバムになっています。

さて今回のアルバムですが、やはりスカの好き
な人にとってはDon Drummondは忘れられない
アーティストの一人だと思います。
このスカの時代のThe Skatalitesは、優れた
ミュージシャンが集まったスーパー・バンドで
あり、そこからジャマイカの音楽史が始まった
ともいえるグループなんですね。
やはり特徴的なのは管楽器を中心としたビッグ・
バンド的な演奏と、彼らの多くがジャズの素養
を持ったミュージシャンだった事なんですね。
その彼らがThe Skatalites解散後もスカ→
ロックステディ→レゲエと音楽が発展して行く
中で、常にジャマイカの音楽を支え続けた事は
忘れられない事実です。
少なくとも70年代のルーツ・レゲエの時代
ぐらいまでは、ジャマイカの音楽にはジャズの
影響がバック・ボーンとして常にあるんですね。

そうしたジャマイカの礎を築いたミュージシャン
の一人としてDon Drummondは、大切な存在なん
ですね。
そしてスター・プレイヤーとしてThe Skatalites
をけん引する存在だっただけに、彼のプレイには
光るのもがあります。

1曲目は「Garden Of Love」です。
ギターの刻むようなフレーズに乗せた、ホーン・
セクションの奏でるメロディが魅力的な曲です。

Don Drummond - Garden of love


2曲目は「Feeling Fine」です。
ユッタリしたホーンのイントロから刻むギター
に、さらにはトロンボーンやサックスのソロ
といった曲です。

3曲目はDotty & Bonnieの「Dearest」です。
男女のデュエットといった曲で、裏で流れる
Don Drummondのトロンボーンがイイ味を出して
いる曲です。
ハワイアン・ギターのような、甲高いギターの
音色も印象的。

Don Drummond - Dearest


4曲目は「Street Corner」です。
トロンボーンのちょっとボワッとしたサウンドと
サックスのもう少し輪郭のハッキリしたサウンド
との掛け合いが面白い曲です。
こうしたホーンの違いをうまく利用した演奏が、
サウンドの幅を広げています。

5曲目は「Latin Goes Ska」です。
こちらはタイトル通りちょっとラテン調の
楽し気な印象の曲です。

6曲目は「Green Island」です。
Don Drummondのトロンボーンの魅力がうまく
引き出された曲です。

don drummond- green island


7曲目は「Silver Dollar」です。
Don Drummondのトロンボーンを追いかけて来る
ように入って来るサックスが、良い味を出して
いる曲です。

8曲目は「Let George Do It」です。
ちょっと楽し気なリズムに乗せて、ちょっと
ユーモラスなトロンボーンのサウンドが楽しい
1曲です。

9曲目はMargaritaの「Woman A Come」です。
Don Drummondに殺害されたというMargaritaの
曲です。
ちょっとトロピカルな感じの曲です。

The Skatalites ft Margarita Mahfood - Woman A Come


10曲目は「Knock Out Punch」です。
軽快なメロディに乗せた1曲です。

11曲目は「Dr. Decker」です。
いかにもスカといった感じの刻むリズムが
印象的な曲です。
その中でまるで泳ぎ回るように吹かれる
ホーンが心地良い曲です。

12曲目は「Occupation」です。
オープニングから全開といったホーンが心地良い
曲です。

Don Drummond Occupation (Ring of Fire)


ざっと追いかけて来ましたが、Don Drummond
の太筆書きのようにボワッと滲んだトロンボーン
のサウンドは、何とも言えない味わいがあり
ます。
このトロンボーンを軸にサックスが絡むサウンド
は、やはりこのスカの時代にひと際大きな光を
放っていたのは間違いがありません。
やはりこのThe Skatalitesというバンド、
Don Drummondというトロンボーン奏者が、
ジャマイカの音楽史の幕開けを飾ったのは
間違いのない事実だと思います。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Don Drummond
○アルバム: Greatest Hits
○レーベル: Planet Vibe
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1969

○Don Drummond「Greatest Hits」曲目
1. Garden Of Love - Don Drummond
2. Feeling Fine - Don Drummond
3. Dearest - Dotty & Bonnie - Don Drummond
4. Street Corner- Don Drummond
5. Latin Goes Ska - Don Drummond
6. Green Island - Don Drummond
7. Silver Dollar - Don Drummond
8. Let George Do It - Don Drummond
9. Woman A Come - Margarita - Don Drummond
10. Knock Out Punch - Don Drummond
11. Dr. Decker - Don Drummond
12. Occupation - Don Drummond