今回はVarious(オムニバス)もののアルバム

jazz_jamaica_01a

「Jazz Jamaica」です。

今回のアルバムは、ネットのDiscogsなどでは
制作年が不詳となっていましたが、レゲエ
レコード・コムでは1962年となっていま
した。
タイトル通りジャマイカのジャズ・メンの
セッションを収めた1枚で、Studio Oneから
発売されたアルバムです。

サウンド的にはまさにジャズ!といった感じ
なんですが、参加したメンバーの中には、
のちのThe Skatalitesで活躍するRoland Alphonso
やTommy McCook、Don Drummondなどが含まれて
います。
その点がレゲエ好きとしては一番関心がある点
なんじゃないかと思います。

レーベル特集 Studio One (スタジオ・ワン)

伝説のスカ・バンドとして知られるSkatalites
ですが、実は活動期間が1963年から65年
とかなり短い期間だったんですね。
その解散のきっかけはトロンボーン奏者で
SkatalitesのスターだったDon Drummondが精神
に異常をきたし、恋人を殺害して投獄された為
だったようです。
それを機に時代はスカからレゲエの前身である
ロックステディへと変わって行く訳ですが、
わずか3年に満たない期間に数々の名演を残した
Skatalitesは、ジャマイカ初のスーパー・バンド
という存在だったと思います。

スカタライツ - Wikipedia

全9曲で収録時間は39分11秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Produced by Clement S. Dodd
Recorded at Federal Recording Studio, Kingston, Jamaica
Cover Design by O' Neil Nanco

となっています。

裏ジャケにはSonny Bradshawという人の
ライナー・ノーツが付いているんですが、そこ
には演奏に参加した人の名前が書かれている
ようです。
Discogsなどの記述を参考に書き出してみると、
以下のようになります。

Bass: Lloyd Mason
Drums: Carl McLeod
Guitar: Ernie Ranglin
Piano: Cecil Lloyd
Tenor Saxophone: Roland Alphonso, Tommy McCook
Trombone: Don Drummond
Trumpet: Billy Cooke

さて今回のアルバムですが、レゲエ好きがこの
アルバムを聴いて面白いと思うかは、正直な
ところ解りません(笑)。
ただ一つ書いておくと、ジャマイカのスカ→
ロックステディ→レゲエという音楽史の変遷の
中で、常にその底辺にはジャズという音楽が
あるんですね。
少なくとも70年代のルーツ・レゲエの時代
までは…。

書いたようにDon Drummondは投獄され、レゲエ
が始まった頃の69年に亡くなってしまいます。
ただSkatalitesのメンバーだったRoland Alphonso
やTommy McCook、さらにはジャズの素養のあった
Cediric 'Im' Brooksなどは、その後もバック・
ミュージシャンなどで活躍し、ジャマイカの
音楽を裏から支え続けるんですね。
残念ながら80年代のダンスホール・レゲエ
以降は、そうしたミュージシャンの影響力も
薄らぐ感じがありますが、こうしたジャズの
素養を持ったミュージシャンが居た事は、
レゲエの大きな力になった事は間違いあり
ません。

1曲目はIron Barの「Calypso Jazz 」です。
タイトル通りカリプソの要素も盛り込んだような
ジャズ・ナンバーです。

Jazz Jamaica Workshop Calypso Jazz (Iron Bar)


2曲目はDon Drummondの「Serenade In Sound」
です。
SkatalitesのスターだったDon Drummondです
が、この曲を聴くとシッカリとしたジャズの
プレイヤーだった事が解ります。
途中に入るErnie Ranglinのギター・ソロも
なかなかのものがあります。

Don Drummond, McCook, Alphonso, Ranglin & others - Serenade in Sound


3曲目はTommy McCookの「The Answer」です。
サックス奏者としてErnie Ranglinは、
Skatalites解散後もロックステディの時代には
The Supersonicsを率いてTreasure Isleレーベル
で活躍し、ルーツ・レゲエの時代になっても
バック・ミュージシャンとして奥のセッション
でレゲエを裏から支える活躍を続けます。
そうした活躍が出来たのも、彼にジャズの素養
があったからこその事です。
このアルバム最長の7分43秒にも及ぶ曲です。

Tommy McCook, Drummond, Alphonso, Ranglin & others - The Answer


4曲目はHorace Silverの「Burnie's Tune」
です。
サックスのサウンドを中心とした、いかにも
ジャズらしい気持ちの良い曲です。

5曲目はB. Towne, M. Hadjidahasの
「Never On Sunday」です。
ちょっと聴き覚えのあるナンバー。

6曲目は「Away From You」です。
こちらはミュージシャンの表記がありません。
サックスを中心としたナンバーです。

7曲目はFrom The United Artists' Picture
"Exodus"の「Exodus」です。
ちょっとムーディーな1曲です。

Ernest Ranglin, Drummond, McCook, Alphonso & others - Exodus


8曲目はDon Drummondの「Mr. Propman」です。
こちらもDon Drummondのトロンボーンを中心
とした1曲です。

9曲目はCecil Lloydの「It Happens」です。
ホーンが頑張っている曲ですが、その裏に流れる
ジャズ・ピアノ奏者のCecil Lloydのピアノが
魅力の曲です。
いかにもジャズという空気感を持った1曲。

ざっと追いかけて来ましたが、やはりレゲエとか
スカとかいう要素は薄い1枚です。
ただ実は彼らプレイヤーのしている事は、
レゲエでもスカでも大きく違う事をしている
訳では無いんですね。
例えばTommy McCookの参加したアルバムを聴いて
いると、やはりどこかにジャズの要素は入って
いるんですね。
それが音楽をより良いものにしている事は、
間違いのない事実です。
そうした彼らのルーツが解る1枚。
それがこのアルバムなんだと思います。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Various
○アルバム: Jazz Jamaica
○レーベル: Studio One
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: Unknown (1962)

○Various「Jazz Jamaica」曲目
1. Calypso Jazz - Iron Bar
2. Serenade In Sound - Don Drummond
3. The Answer - Tommy McCook
4. Burnie's Tune - Horace Silver
5. Never On Sunday - B. Towne, M. Hadjidahas
6. Away From You
7. Exodus- From The United Artists' Picture "Exodus"
8. Mr. Propman - Don Drummond
9. It Happens - Cecil Lloyd