今回はCultural Rootsのアルバム

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「Hell A Go Pop」です。

Cultural Rootsは80年代初めから90年代
前半まで活躍した、コーラス・グループです。
2002年刊行の本「Roots Rock Reggae」には
このグループのアルバムが3枚紹介されていて、
このグループに次のように書かれています。

「どんどんダンスホール・スタイルに傾いていく
80年代の初頭に、70年代中盤のディープな
ハーモニー・スタイルと当時の旬のサウンドとを
うまく調和させた、レアな聴き心地の名盤を残し
たグループ。」
(シンコー・ミュージック刊行の本「Roots Rock
Reggae」の「孝」さんという方のグループの紹介
文より)

ネットのDiscogsなどを調べてみると、Cultural
Rootsは80年から92年ぐらいの間に約8枚
ぐらいのアルバムを残しているようです。

今回のアルバムは1984年にVolcanoレーベル
のHenry 'Junjo' Lawesの元から発表された、
彼らのサード・アルバムです。

全12曲で収録時間は47分50秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Produced & Arranged by Henry 'Junjo' Lawes
Backing by Roots Radics Band
Recorded & Mixed at Channel One Studios
Engineered by Soldgie
Horns by Dean Fraser and Nambo
Mastered by Steve Angel
Cover by Tony McDermott

となっています。

プロデュースはHenry 'Junjo' Lawesで、
バックはRoots Radics、ミックスはSoldgie
が担当しています。

カヴァー・デザインはScientistの「漫画ジャケ」
シリーズやMad Professorの「Dub Me Crazy」
シリーズのイラストを担当したTony McDermott
です。
ちなみにジャマイカ盤はジャケットが少し違って
いたようで、4人の人物のイラストのバックが
爆発する炎になっていたようです。

さて今回のアルバムですが、内容は本当に
素晴らしいです。
Roots Radicsのユッタリしたワン・ドロップの
リズムに乗せた彼らの陰影のあるコーラス・
ワークは本当に魅力的です。
この80年代のダンスホール期にあっても
ルーツ・レゲエの存在意義を充分に実感させる
出来だと思うのですが…。

「Roots Rock Reggae」のこのアルバムの
紹介文では、同じく「孝」さんという方の
文章で次のように書かれています。

「彼らがそれほどポピュラーな存在にならな
かったのは何故だろう。音は”ジョンジョ”
ロウズ~ルーツ・ラディクス~サイエンティスト
の黄金トリオ。落差を持ってストンと落ちる
極上のワン・ドロップに見劣りしないヴォーカル
のインパクト、ことさら短調の曲に映える、
哀愁と色気漂うコーラスの残響。ヴォーカル・
グループの実力は、聴き終わった時に解る。」
(「Roots Rock Reggae」より「孝」さんと
いう方のアルバムの紹介文より)

これだけ素晴らしいアルバムを残しながらも、
ダンスホール・レゲエ全盛期という事もあって
か、彼らは大きな成功には恵まれなかったよう
です。
ただ今聴いてもこのアルバムは、とても素晴ら
しいんですね。
時間が経った今の時代の方が、かえってこの
アルバムの魅力が本当に解るのかもしれません。

ちなみに文中で「サイエンティスト」となって
いるのは、Soldgieの間違いではないかと思われ
ます。

1曲目は表題曲の「Hell A Go Pop」です。
印象的なホーンのイントロから彼らCultural
Rootsの素晴らしいコーラス・ワークが冴える
1曲です。

2曲目は「Every Man Has A Right」です。
いかにもRoots Radicsらしいユッタリしたワン・
ドロップのリズムに乗せた、彼らのコーラス・
ワークが魅力的な曲です。
こういう曲を聴くと、彼らはルーツでありながら
ダンスホールもうまく乗りこなしているのがよく
解ります。

cultural roots - every man has a right


3曲目は「Execute」です。
陰影のあるメロディ・ラインに乗せたコーラス・
ワークが素晴らしい曲です。

4曲目は「Thief, Liars, Criminals」です。
こちらもワン・ドロップの陰影のある曲です。
タイトルを自動翻訳すると、「泥棒、うそつき、
犯人」と出て来ました。

5曲目は「Where Have You Been」です。
こちらも陰影のあるムーディーな曲です。

6曲目は「Reggae Music」です。
こちらはユッタリした中にちょっとファンキー
なノリもある曲です。
イイ感じで入って来るホーンも魅力の曲です。

Cultural Roots Reggae music


7曲目は「Tell It To Her」です。
ユッタリしたリズムに乗ったヴォーカルが
素晴らしい曲です。
それを支えるコーラスもまたグッド!

8曲目は「Won't Co-Operate」です。
リード・ヴォーカルを追いかけるように入って
来るコーラス・ワークが良い味を出している曲
です。
ビタビタとしたドラムのリズムがいかにも
Roots Radicsという持ち味があります。

9曲目は「Love Feelings」です。
こちらは表題曲と並ぶ、アルバムの目玉曲とも
いえる曲です。
リディムはこのダンスホール期のJohn Holtの
代表曲「Police In Helicopter」です。

リズム特集 Police In Helicopter (ポリス・イン・へリコプター)

10曲目は「Lump Sum」です。
オリジナル最後の曲はリード・ヴォーカルの
丁寧な歌いぶりが印象的な曲です。
それに絡むギターのフレーズも一味添えて
います。

11~12曲目はCDボーナス・トラック。
歌に続いてのRoots Radicsのハードなダブも
魅力のディスコ・ミックスが収められています。

Cultural Roots - Hell A Go Pop[12" Mix]


Cultural Roots - Love Feelings + Dub


ざっと追いかけて来ましたが、今聴いても内容
が本当にイイんですね。
彼らのアルバムの中でも、特に聴いておくべき
アルバムのひとつだと思います。
ただもしこのアルバムが当時ウケなかったと
すると、多少曲調が暗めで重く感じられたの
かもしれませんね。
それが明るいダンスホールの時代にウケなった
としても、今聴くと厚みのある聴き心地の良い
アルバムなんですね。
何より彼らのコーラス・ワークから生まれる
グルーヴ感は魅力たっぷりです。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Cultural Roots
○アルバム: Hell A Go Pop
○レーベル: Greensleeves Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1984

○Cultural Roots「Hell A Go Pop」曲目
1. Hell A Go Pop
2. Every Man Has A Right
3. Execute
4. Thief, Liars, Criminals
5. Where Have You Been
6. Reggae Music
7. Tell It To Her
8. Won't Co-Operate
9. Love Feelings
10. Lump Sum
CD Bonus Tracks
11. Hell A Go Pop (12" Mix)
12. Love Feelings (12" Mix)

●今までアップしたCultural Roots関連の記事
〇Cultural Roots「Drift Away From Evil」
〇Devon Russell & The Cultural Roots「Money, Sex & Violence」