今回はThe Suns Of Dubのアルバム

addis_pablo_02a

「Far East Dub」です。

Suns Of DubはAugustus Pabloの息子で
メロディカ奏者のAddis PabloとRas Jammyから
なるプロジェクトのようです。

今や伝説ともいえるレゲエの歴史に偉大な足跡
を残したメロディカ奏者でありプロデューサー
のAugustus Pabloですが、1999年に筋無力症
のために亡くなっています。
その偉大な父の後を継ぐように活動を始めた
Addis Pabloですが、2014年にソロ・アルバム
「In My Fathers House」を出すなど、順調に
キャリアを積み重ねています。

addis_pablo_01a
Addis Pablo - In My Fathers House (2014)

Addis Pablo - Wikipedia

今回のアルバムは2015年にフランスの
レーベルOnlyroots Recordsから発表された
アルバムで、Addis PabloとRas Jammyのほか
トリニダード・トバゴ出身のヴォーカリスト
Jah Bamiも参加したアルバムとの事です。

全12曲で収録時間は52分02秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Produced by: His Imperial Majesty Emperor Haile Selassie I
CD Produced by: Jamal 'Ras Jammy' Layne, Addis 'Pablo' Swaby, Tim 'P Dub' Boyce
Music by: Dub Assassins (US), Rockers International All Stars (US)
All Tracks Composed by: Tim 'P Dub' Boyce for Suns Of Dub
Artwork: Dub Iration (Mexico)
Label: Suns Of Dub - Dublife Muzik

となっています。

曲ごとにメロディカやヴォーカル、ミックス
などの表記もありましたが、それは最後に曲目
と一緒に載せておきました。

バックはDub AssassinsとRockers International
All Starsが務めているようです。

すべての曲の作曲はTim 'P Dub' Boyceという
人が行ったようです。

1曲目と3曲目、5~6曲目がAddis Pablo名義、
2曲目と4曲目がJah Bami名義、残りの7~12
曲目までがSuns Of Dub名義の曲になっています。
2曲目「Jah Alone (Eastern Chant)」と4曲目
「Unconditional Love (Harar Love)」のヴォー
カルをJah Bami、3曲目「Harar Melody
(Unconditional Melody)」のヴォーカルをMikey
Jarrettが務めています。
7~8曲目のSuns Of Dub名義の曲にも歌が入って
いますが、こちらはJah Bamiのようです。

プロデュースは「Haile Selassie I」。
ラスタファリズムの神であるエチオピア皇帝
ハイレ・セラシエの名前が記されています。
これはAddis Pabloの父親Augustus Pabloが、
筋無力症で苦しみ出した1990年代に
自身がプロデュースしたアルバムに見られる
記述と同じなんですね。
息子のAddis Pabloはその記述を踏襲している
訳です。

実際のプロデュースはその下に書かれている
「CD Produced by:」で、Jamal 'Ras Jammy'
Layne、Addis 'Pablo' Swaby、Tim 'P Dub'
Boyceです。

さて今回のアルバムですが、私自身がよく聴く
レゲエは70~80年代が中心で、最近の
アーティストのものはあまり聴いていないん
ですが、このAddis Pablo関連のものは特別
です(笑)。
このAddis Pabloという人、父親のAugustus
Pabloに負けないほどのイマジネーションを
持った素晴らしいアーティストなんですね。

今回のアルバムでもそのAddis Pabloの
素晴らしいメロディカが全編に収められて
いますが、彼のメロディカは父親以上に
透明感があって、純粋さを感じさせる魅力的
な演奏です。
こういう演奏を聴くと、ルーツ・レゲエの魅力
を今の時代でも充分に再現できるんだなと、
あらためて思い知らされます。

1曲目はAddis Pabloの「Eastern Acoustic」
です。
ユッタリした太鼓のリズムから入り、Addis
Pabloのメロディカが素晴らしい曲です。
途中に父Augustus Pabloの名曲「Java」の
フレーズを忍び込ませる遊びがあります。
そういうのもちょっと嬉しいところです。

2曲目はJah Bamiの「Jah Alone (Eastern
Chant)」です。
1曲目「Eastern Acoustic」の、Jah Bami
によるヴォーカル・ヴァージョン。
このJah Bamiもなかなか魅力的なシンガー
です。

3曲目はAddis Pabloの「Harar Melody
(Unconditional Melody)」です。
Addis Pabloの懐かしさを感じる様な優しい
メロディカが魅力の曲です。
「Additional Vocals: Mikey Jarrett」と
なっていますが、曲の初めの方にちょっと
トースティングが入っているぐらいな感じです。

4曲目はJah Bamiの「Unconditional Love
(Harar Love)」です。
3曲目「Harar Melody (Unconditional
Melody)」の、Jah Bamiによるヴォーカル・
ヴァージョンです。
この曲はシングル・カットされたのか
YouTubeに動画がありました。
メロディカとヴォーカルがともに素晴らしい
ヤラレちゃう曲です。
ちなみに「Unconditional Love」をネットで
自動翻訳してみると「無条件の愛」というの
が出て来ました。

Suns Of Dub feat. Jah Bami - Unconditional Love [Official Video 2015]


5曲目はAddis Pabloの「Far East Median」
です。
こちらはホーンも入った1曲です。
アルバムのタイトルは「Far East Dub」ですが、
父親譲りの「ファー・イースト・サウンド」を
聴かせています。

Suns of Dub Feat Addis Pablo - Far East Median (Far East Dub)


6曲目はAddis Pabloの「Selassie I Wisdom」
です。
こちらも気持ちの良いパーカッションのリズムに
乗せて、Addis Pabloのメロディカが冴える1曲
です。

残りの7~12曲目はすべてSuns Of Dub名義の
曲になっています。
これ以降の曲はタイトルに「Dub」という言葉が
付くように、それまでの曲のダブが集められて
いるようです。

7曲目は「Jah Chant Dub」です。
2曲目Jah Bamiの「Jah Alone (Eastern Chant)」
のダブです。
ダブワイズするとよりディープ感が増して、
ユラユラする感覚がアップする印象。

8曲目は「Unconditional Dub」です。
4曲目Jah Bamiの「Unconditional Love (Harar
Love)」のダブです。
原曲の良さもあり、魅力的。

9曲目は「Median Dub」です。
5曲目Addis Pabloの「Far East Median」の
ダブです。
Addis Pabloのメロディカに加えてギター・ソロ
などの挿入されて、魅力的な仕上がりです。

10曲目は「Selassie I Wisdom Dub」です。
6曲目Addis Pabloの「Selassie I Wisdom」
のダブです。
こちらはAddis PabloのXylophone Symthなど
を入れて、よりディープ感を増してジックリ
聴かせる1曲に仕上げています。

11曲目は「Acoustic Dub」です。
1曲目Addis Pabloの「Eastern Acoustic」の
ダブです。
こちらはメロディカのサウンドを生かしながら、
ギター・ソロやピアノで味付けをした1曲です。
あえて音を厚めにしないでジックリ聴かせている
ところが良いです。

12曲目は「Harar Dub Version」です。
3曲目Addis Pabloの「Harar Melody
(Unconditional Melody)」のダブです。

ざっと追いかけて来ましたが、実質的に曲は
4曲で、その曲を多い曲は歌、メロディカ、
歌のダブ、メロディカのダブと、しつこい
くらいにリピートしているところは、多少好き
嫌いが分かれるところかもしれません。
ただそうした繰り返しから新しいイメージを
創造するのが、このレゲエという音楽がルーツ
の時代から取ってきた方法論なんですね。

そしてそのしつこいほどのリピートの中から
浮き上がるのは、彼らSuns Of Dubの熱く純粋
なルーツ・ミュージックに対する想いです。
このSuns Of Dub「ダブの太陽」の放つ光は、
ギラギラと肌を焼くのではなく、むしろ薄日の
向こうからユラユラと肌を焼いて行くような、
不思議な魅力があります。

今のこの時代にこれほど魅力的なルーツ・
ミュージックが作れるとは…。
やはりこのAddis PabloやSuns Of Dubは、
注目して見て行きたいと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Suns Of Dub Cypher for 1Xtra in Jamaica


The Dubbeez ft the Suns of Dub and Tesfa Zion



○アーティスト: Suns Of Dub
○アルバム: Far East Dub
○レーベル: Onlyroots Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2015

○The Suns Of Dub「Far East Dub」曲目
1. Eastern Acoustic – Addis Pablo (Suns Of Dub)
Melodica: Addis Pablo
Mix & Arrangement: P-Dub

2. Jah Alone (Eastern Chant) – Jah Bami (Suns Of Dub)
Vocals: Jah Bami
Melodica: Addis Pablo
Mix & Arrangement: Ras Jammy

3. Harar Melody (Unconditional Melody) – Addis Pablo (Suns Of Dub)
Melodica: Addis Pablo
Mix & Arrangement: P-Dub
Additional Vocals: Mikey Jarrett

4. Unconditional Love (Harar Love) – Jah Bami (Suns Of Dub)
Vocals: Jah Bami
Melodica: Addis Pablo
Mix & Arrangement: Ras Jammy

5. Far East Median – Addis Pablo (Suns Of Dub)
Melodica: Addis Pablo
Mix & Arrangement: P-Dub

6. Selassie I Wisdom – Addis Pablo (Suns Of Dub)
Melodica: Addis Pablo
Mix & Arrangement: P-Dub

7. Jah Chant Dub – Suns Of Dub
Vocals: Jah Bami
Melodica: Addis Pablo
Mix & Arrangement: Ras Jammy

8. Unconditional Dub – Suns Of Dub
Vocals: Jah Bami
Melodica: Addis Pablo
Mix & Arrangement: Ras Jammy

9. Median Dub – Suns Of Dub
Vocals: Jah Bami
Melodica & Mix: Addis Pablo
Mix & Arrangement: Ras Jammy

10. Selassie I Wisdom Dub – Suns Of Dub
Melodica, Mix & Xylophone Symth: Addis Pablo
Mix & Arrangement: Ras Jammy

11. Acoustic Dub – Suns Of Dub
Melodica: Addis Pablo
Mix & Arrangement: Ras Jammy

12. Harar Dub Version – Suns Of Dub
Melodica: Addis Pablo
Mix & Arrangement: Ras Jammy