今回はYabby You, Mad Professor, Black Steelの
アルバム

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「Yabby You Meets Mad Professor & Black Steel
In Ariwa Studios」です。

Yabby Youはルーツ・レゲエの時代から活躍
したシンガーであり、本名を冠したレーベル
Vivian Jacksonでプロデューサーとしても活躍
し、Wayne WadeやMichael Prophetなど若手の
シンガーを育てた事で知られています。

レーベル特集 Vivian Jackson (ヴィヴィアン・ジャクソン)

Mad Professorは80年代からUKに設立した
自らのレーベルAriwaで活躍するプロデューサー
であり、ダブのクリエイターである人です。
プロデューサーとしてはSandra Crossをはじめ
とするラヴァーズロック・レゲエ系のアーティ
ストのプロデュースやJamiroquaiなどの他の
ジャンルのアーティストまで幅広いプロデュース
を手掛ける事で知られています。
また自らのダブ・アルバムの制作も精力的に
行い、Dub Me Crazy」シリーズや「Black
Liberation Dub」シリーズなど、多くのダブを
発表しています。

レーベル特集 Ariwa (アリワ)

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Mad Professor - Dub Me Crazy (1982)

Black SteelはMad ProfessorのレーベルAriwa
で活躍するアーティストです。
Ariwa関連のアルバムで、ベースをはじめ多くの
楽器をこなすマルチ・アーティストです。

今回のアルバムは1993年に作られたアルバム
で、UKのAriwa StudiosにMad Professorが
Yabby Youを招いて作られたアルバムのようです。

全11曲で収録時間は48分30秒。
最後の2曲はCDボーナス・トラックのよう
です。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Produced by Yabby You & Mad Professor
Recorded & Mixed at Ariwa Studios
Mixed by Mad Professor
Lead Vocals: Yabby You
Bass, Drums, Harmony Vocals, Piano: Black Steel
Piano & Bass on "Steppers Corner": Augustus Pablo
Saxophone, Flute: Winston Rose
Trumpet: Nile Hailstone
Percussion: Drumtan Ward
Published by Ariwa Music
Photos: Tim Barrow
Design: Tony McDermott

となっています。

プロデュースはYabby YouとMad Professorの
共同名義になっています。

LPには入っていないCDのみに入っている
ボーナス・トラックの11曲目「Steppers Corner」
では、ピアノとベースでAugustus Pabloが参加
しています。

デザインをScientistの「漫画ジャケ」
シリーズやMad Professorの「Dub Me Crazy」
シリーズなどで知られるTony McDermottが
担当しています。

さて今回のアルバムですが、ルーツ系のYabby
Youとラヴァーズ系のプロデュースを手掛ける
Mad Professorの組み合わせってどうなんだろ
う?というのが一番の注目点ですが、これが
けっこううまく合っているんですね。
レゲエのちょっと「ド演歌系」の匂いのする
Yabby Youですが、今回のアルバムでは比較的
ライトな感じで歌っています。

このYabby Youという人、一見重そうで実は
軽いような、ちょっと掴みどころのない個性
の持ち主なんですね。
そのレゲエの「不思議ちゃん」的な個性の
Yabby Youと、何事にも捉われない遊び大好き
のMad Professorの個性が、意外と合っている
気がしました。

アルバムはほぼ歌とダブが交互に並ぶ
「ショーケース・スタイル」の構成になって
います。

1曲目は「Blowing In The Wind」です。
Yabby Youのヴォーカルに絡むフルートの
音色が強く印象に残る曲です。

Yabby You - Blowing In The Wind


2曲目は「Winds Of Dub」です。
1曲目の「Blowing In The Wind」のダブ・
ヴァージョンです。
こちらは完全にフルートがメインといった印象
です。

yabby you & mad professor - winds of dub.wmv


3曲目は「Commercial Dreadlocks」です。
Yabby Youのヴォーカルに寄り添うような
Black Steelのコーラスがうまくキマった曲
です。
ホーンの調べがうまくルーツの空気感を演出
しています。

Yabby You - Commercial Dreadlocks


4曲目は「Righteous Dublocks」です。
3曲目の「Commercial Dreadlocks」のダブ。
しょっぱなから入るダブウィズしたヴォーカル
に、強烈に脳を揺さぶられるような目まいの
感覚があります。

5曲目は「Death Trap」です。
Yabby Youのヴォーカルにあわせてタイミング
よく入るホーンが、徐々に迷走空間に誘う
ような曲です。

6曲目は「Dub Trap」です。
5曲目の「Death Trap」のダブ・ヴァージョン
です。
こちらもテープの逆再生のエフェクトなど、
Mad Professorの職人仕事が光るダブです。

7曲目は「Dub Flight Out」です。
ここまでは歌とダブが交互の「ショーケース・
スタイル」になっていましたが、この曲は
フルートを中心としたインスト・ナンバー
(ダブ?)です。

8曲目は「Amen」です。
コーラスが「Hey Man!」と繰り返す、比較的
明るい感じの曲です。
Yabby Youも軽快な感じで歌っています。

9曲目は「Spiritual Dub」です。
8曲目の「Amen」のダブ・ヴァージョン
です。

残りの2曲CDのみのボーナス・トラックで、
2曲ともインスト・ナンバーです。

10曲目は「Steppers Corner」です。
この曲のみAugustus Pabloが、ベースとピアノ
で参加しているようです。
曲はベースを主体としたインストナンバー。

11曲目は「Rootsy Mood」です。
こちらもベースを中心としたインスト・ナンバー
です。

ざっと追いかけて来ましたが、ルーツであり
ながら、やはりどこかAriwaの匂いもする
アルバムです。
Yabby Youというと多くの曲のミックスを
King Tubbyが手掛けている事でも知られて
いますが、やはりMad ProfessorとKing
Tubbyではサウンドが微妙に違うんですね。
またYabby Youの歌のウマさも際立っている
感じがしました。

ルーツ・レゲエの時代の頃のサウンドよりは
若干スマートなサウンドという印象があります
が、スッキリとまとまった心地よいサウンド
という気がしました。
内容は悪くないと思います。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Yabby You, Mad Professor, Black Steel
○アルバム: Yabby You Meets Mad Professor & Black Steel In Ariwa Studios
○レーベル: Ariwa
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1993

○Yabby You, Mad Professor, Black Steel
「Yabby You Meets Mad Professor & Black Steel
In Ariwa Studios」曲目
1. Blowing In The Wind
2. Winds Of Dub
3. Commercial Dreadlocks
4. Righteous Dublocks
5. Death Trap
6. Dub Trap
7. Dub Flight Out
8. Amen
9. Spiritual Dub
10. Steppers Corner *
11. Rootsy Mood *
* CD Bonus Tracks