今回はVarious(オムニバス)もののアルバム

ariwa_posse_01a

「The Ariwa Posse +7」です。

まずはAriwaというレーベルを紹介しておくと、
80年代にガイアナ出身のプロデューサー
Mad Professorがイギリスに作ったレーベルです。
彼はもともとレコード・コレクターで、その中
でもLee PerryやKing Tubbyの作るダブに
惹かれて自らも音楽制作を始めたという人なん
ですね。
イギリスに自分のスタジオAriwaを作り、80年
代頃からSandra Crossをはじめとするラヴァーズ
ロック・レゲエのアーティストのプロデュース
や、他ジャンルのJamiroquaiやBeastie Boys
などのアーティストのプロデュース、さらには
「Dub Me Crazy」シリーズと「Black Liberation
Dub」シリーズなどのダブの制作など、幅広い
活動を続けているこのMad Professorのレーベル
なんですね。

レーベル特集 Ariwa (アリワ)

mad_professor_02a
Mad Professor – Dub Me Crazy (1982)

今回のアルバムは1984年に発表された、
そのAriwaの初期のアルバムの音源を集めた
コンピュレーション・アルバムです。
ラヴァーズのイメージの強いAriwaレーベルです
が、その初期には今回のアルバムにも収められて
いるTony Benjaminなど、ルーツ色を持った
アーティストのプロデュースも手掛けていたん
ですね。

手に入れたのは日本のウルトラ・ヴァイブという
レーベルからデジタル・リマスターで世界初CD
化されたアルバムで、オリジナル9曲にCD
ボーナス・トラックが7曲も付いたアルバム
です。

全16曲で収録時間は77分24秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Produced by Mad Professor
Recorded & Mixed at Ariwa Sounds Studios

Backing Musicians:
Tracks 1&2
Bass: Bernard Cumberbatch
Drums: Errol The General
Rhythm Guitar: Tony Benjamin
Lead Guitar: Norman Ebanks
Hornes: Roger, Tabanko

Tracks 3&4: Aquizim
Bass: Bernard Cumberbatch
Drums: Billy 'Animal' Cross
Lead & Rhythm Guitar: Rudy Dixon
Piano: Sergeant Pepper
Synthesizer: Mad Professor

Tracks 5,6&7
Aquizim as above, Plus:
Synthesizer: Errol Reid
Percussion: Jah Shaka
Steel Pans: Tamla

Tracks 8
Bass: Preacher
Drums: Drumtan Ward
Piano: Sergeant Pepper
Brass: Roger, Tabanko

Tracks 9
Bass: Preacher
Drums: Mother Nature
Piano: Sergeant Pepper
Synthesizer: Mad Professor

Cover by Tony McDermott

となっています。

当時のAriwaで活躍したメンバーが、名前を
連ねています。
5曲目Sister Audreyの「English Girl」、6曲
目Ranking Annの「English Toast」、7曲目
Sergeant Pepperの「Magnet」では、パーカッション
にJah Shakaの名前があります。

イラストはScientistの「漫画ジャケ」シリーズ
などで知られるTony McDermottです。
このTony McDermottは、このMad Professorの
「Dub Me Crazy」シリーズと「Black Liberation
Dub」シリーズのイラストも手掛けています。

さて今回のアルバムですが、このアルバムの発売
はAriwaで出したアルバムの販促という事もある
と思うのですが、そこで終わらないのがこの
Mad Professorという人なんですね。
今回のアルバムのオリジナル曲の多くが、
アルバムの曲にプラスされて後半にダブが付いた
いわゆる「ディスコ・ミックス・スタイル」の
仕様になっているんですね。
その為一番長い3曲目Aquizimの「Show A Little
Mercy」では7分42秒もの長さがあります。
オリジナル曲だけでも前半歌後半ダブで、かなり
の聴きごたえがあるアルバムになっているんです
ね。
単なるコンピュレーションと言えない面白さが、
このアルバムにはあります。

1曲目はWild Bunchの「Live In Love」です。
Wild BunchはSandra Crossが在籍した事で知ら
れるグループです。
この84年に「The Wild Bunch」というアルバム
を残しています。
やはりSandra Crossのスウィートなヴォーカル
が光るグループなんですね。
後半にプラスされたダブがまたすごく良いです。

wild_bunch_01a
Wild Bunch - The Wild Bunch (1984)

2曲目はTony Benjaminの「Africa Is Zion」
です。
Ariwaというとラヴァーズというイメージの強い
レーベルですが、その初期にはルーツ・レゲエも
手掛けていたんですね。
このTony Benjaminもこの84年に「Arfican
Rebel」というルーツ色の強いアルバムを出して
います。
ところが販売的には惨敗だった為に、Ariwaは
徐々にラヴァーズ色が強いレーベルになって
行ったようです。
この曲などを聴くとかなり良いルーツで、そう
いう路線もありかなと思うのですが…。

Tony Benjamin - Africa Is Zion + Dub


tony_benjamin_01a
Tony Benjamin - Arfican Rebel (1984)

3曲目はAquizimの「Show A Little Mercy」
です。
アルバムに付いていた大石始さんという方の
解説文によると、Aquizimは「ブリクストンを
拠点に活動していたバンド」との事です。
Discogsで調べてみたところメンバーは、
「Bernard Cumberbatch, Garnett Cross,
Sgt. Pepper 」とのこと。
Ariwaで活躍する人たちのバンドだったん
ですね。
書いたように後半のダブもプラスして、7分
42秒もの長さの曲です。
ただ長いだけでは無く内容も良く、聴きごたえ
のある曲になっています。

Aquizim - Show A Little Mercy (The Ariwa Posse Lp 1984)


4曲目はRas Bomboの「Little Black Bombo」
です。
Ras Bomboという名前は聴き慣れない名前です
が、解説文によると「後にアラン・キングピン
名義で『Letter From Jail』という力作を
アリワに残している」人なんだそうです。

Ras Bombo - Little Black Bombo


5曲目はSister Audreyの「English Girl」
です。
いかにもMad Professor好みといった透き通った
声のアンニュイなヴォーカル・スタイルの曲です。
後半のダブワイズもすごくカッコいいです。

Sister Audrey - English Girl


6曲目はRanking Annの「English Toast」です。
女性ディージェイRanking Annのヘタウマ・
トースティングが印象的な曲です。
リズムは5曲目はSister Audreyの「English Girl」
で、Sister Audreyのヴォーカルも少し入って
いるので、5曲目と6曲目で歌+ディージェイ
のひとつのディスコ・ミックスになっている
ような曲です。

7曲目はSergeant Pepperの「Magnet」です。
Sergeant Pepperのの優しいラヴァーズといった
曲です。

8曲目はJunior Brownの「My Baby」です。
Junior BrownはあのUKのレゲエ・バンド
Capital Lettersでも活躍する人なんだとか。
しっかりした歌いぶりの、このアルバムの中でも
一番短い1分49秒の曲です。

9曲目はMad Professor With Mother Natureの
「Computax」です。
解説文によるとMother Natureは、「詳細不明の
ダブ・エンジニア」なんだそうです。
オリジナル・アルバム最後の曲で、ダブワイズが
さく裂しています。

残りの曲はCDボーナス・トラックなので省略
しますが、10曲目Sergeant Pepperの
「Come Back Again」はアルバム未収録曲だった
り、シングルのみのリリースのアーティスト
だったりと、かなりレアな音源が揃っている
らしいです。

ざっと追いかけて来ましたが、オリジナル・
アルバムだけ見ても後半いダブをプラスした
ディスコ・ミックス・スタイルにするなど、
Mad Professorらしい遊び心やサービス精神の
詰まったアルバムで、聴きどころ満点のアルバム
になっています。
必ずしも有名なアーティストが揃っている訳
ではありませんが、それがかえって再発見が
あって面白いアルバムだと思いました。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Various
○アルバム: The Ariwa Posse +7
○レーベル: Ariwa
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1984

○Various「The Ariwa Posse」曲目
1. Live In Love - Wild Bunch
2. Africa Is Zion - Tony Benjamin
3. Show A Little Mercy - Aquizim
4. Little Black Bombo - Ras Bombo
5. English Girl - Sister Audrey
6. English Toast - Ranking Ann
7. Magnet - Sergeant Pepper
8. My Baby - Junior Brown
9. Computax - Mad Professor With Mother Nature
Bonus Track
10. Come Back Again - Sergeant Pepper
11. Cause You Love Me Baby - Patricia Smith
12. Young Girl - Jessy James & Family Love
13. Love Power - Davina Stone
14. Love On A Two Way Street 82 Fashion - Davina Stone
15. True True Loving - Aquizim
16. I Like Your Loving - Mission featuring Tony Mahoney