今回はDon Drummondのアルバム

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「In Memory Of Don Drummond」です。

Don Drummondは60年代のスカの時代に
Studio Oneのバック・バンドThe Skatalites
などで活躍したトロンボーン奏者です。
子供の頃はキングストンのゲットーにある
アルファ・ボーズ・スクールで学んだ彼は、
そこで音楽の教養を身に付けThe Skatalites
の看板スターの一人として活躍するんですね。
ところが精神に異常をきたし1965年に恋人
を殺害して投獄されてしまうんですね。
この殺人事件がThe Skatalitesの解散の引き金に
なったと言われています。
そして1969年に獄中死をしています。

アーティスト特集 Don Drummond (ドン・ドラモンド)

スカの時代をけん引したイメージの強いThe
Skatalitesですが、実は活動期間が1963年
から66年と意外と短いんですね。
ただそのメンバーだったJackie MittooやRoland
Alphonso、Tommy McCookといった人達は、その後
のロックステディ→ルーツ・レゲエの時代を
けん引する役割を果たしています。

アーティスト特集 Skatalites (スカタライツ)

ちなみにロックステディの時代ぐらいから活躍
しているミュージシャンにDon Drummond Junior
というトロンボーン奏者の人が居ますが、本名は
Vin Gordonという人でDon Drummondとは別人です。
たまに「Don Drummondの息子」と書かれていますが、
本当に息子なのかはネットで調べてみましたが
解りませんでした。

今回のアルバムですが、Don Drummondが亡く
なった1969年にStudio Oneから発表された
彼のトリビュート・アルバムです。
英国チャートのトップ10にも入った「Man In
The Street」をはじめ、彼の代表曲が収められて
います。

全14曲で収録時間は45分56秒。

詳細なミュージシャンの表記はありません。

Produced by C.S. Dodd
Recording Engineer: Clement Dodd, Tressure Isle, Bryon Smith

という記述があります。

さて今回のアルバムですが、おそらく録音された
のは60年代半ばぐらいで今から半世紀前の録音
なので、やはりこの時代の録音となるとトラック
数も少なかったようで多少サウンドにくぐもった
ようなところが見られます。
そのあたりは技術的な問題なので仕方がないの
ですが、ただ彼らの作りだしたサウンド自体は
今聴いても充分に聴きごたえがあり魅力的です。
このスカの時代の熱い息吹が感じられるサウンド
です。

1曲目は「Man In The Street」です。
書いたように英国チャートのトップ10に入った
という曲ですが、重厚はなホーン・セクションに
圧倒的な魅力があります。
もともとスカというのはアメリカのブルースなど
の影響を受けて発展した音楽ですが、それに
ジャズ的な要素がこのThe Skatalitesの頃になる
と盛り込まれているんですね。
このDon DrummondやRoland Alphonso、Tommy McCook
といったジャズの素養を盛ったミュージシャンが、
スカのイメージを変えて行ったんだと思います。

Don Drummond - Man In The Street


2曲目は「Don D. Memorial」です。
こちらはギターのイントロから始まるソフトな曲
です。
このギターはErnest Ranglinか?
ホーンとギターの絡みがすごく良い味を出して
います。

Don Drummond - Don D Memorial 1969


3曲目は「Don Cosmic」です。
こちらはイントロがタンゴか何かのようなちょっと
面白い曲です。
このトロンボーンという輪郭がちょっとボヤっと
した印象のある楽器を、自在に使いこなすところ
にこのDon Drummondのスキルの高さを感じます。

4曲目は「Sound One」です。
ピアノの伴奏に乗せたDon Drummondのトロンボーン
がとても気持ち良さそうにメロディを奏でる曲
です。

5曲目は「Don D. Serenade」です。
いきなり全開で入るホーン・セクションが
カッコいい曲です。

6曲目は「Reload」です。
気持ち良さそうなホーンの合間に入る鉄琴楽器
ヴィブラフォンが良いアクセントになっている曲
です。
このヴィブラフォンはアルファ・ボーズ・スクール
で先生をしていたLennie Hibbertか?

7曲目は「Street Corner」です。
いかにもスカといったウンチャウンチャ・リズム
に乗せた、ホーンが気持ちの良い曲です。

8曲目は「Vat 7」です。
スカのリズムに乗せたトロンボーンの包み込む
ようなサウンドが魅力的な曲です。

9曲目は「Scandal」です。
トランペットのイントロから入ってトロンボーン
の奏でるメロディが強い印象を残す曲です。
ちょっとメローな味わいが素晴らしい曲です。

Don Drummond Scandal


10曲目は「Rock Away」です。
こちらも管楽器の魅力が、うまく盛り込まれた
曲です。

11曲目は「Cool Shade」です。
こちらもホーン・セクションが魅力的な曲です。

12曲目は「Lawless Street」です。
ドラムのガシッと硬い入りから、ホーン・
セクションが徐々に盛り上げていく曲です。
この曲のプロデュースはJ. Yappとなって
います。

Don Drummond - Lawless Street 1969


13曲目は「Thoroughfare」です。
この曲のプロデュースはTressure Isleレーベル
のDuke Riedのようです。
Studio OneのライバルのTressure Isleレーベル
ですが、Don Drummondの死に際して曲を提供
したようです。

最後の14曲目は「Green Island」です。
Don Drummondの吹くトロンボーンの魅力が
よく解る1曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、Don Drummondの
トロンボーンの魅力がうまく収められたアルバム
になっていると思います。
このスカの時代からロックステディ→ルーツ・
レゲエの時代ぐらいまでは、ホーンはジャマイカ
の音楽界では主役を務める楽器のひとつでした。
それはこのDon Drummondの居たThe Skatalites
という管楽器が魅力のバンドがあったからなの
かもしれません。
その重厚なサウンドは今聴いてもとても魅力的
です。
このDon Drummondもそうしたジャマイカの音楽
の礎を築いた人として、けっして忘れられない
人なんですね。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Don Drummond
○アルバム: In Memory Of Don Drummond
○レーベル: Studio One
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1969

○Don Drummond「In Memory Of Don Drummond」曲目
1. Man In The Street
2. Don D. Memorial
3. Don Cosmic
4. Sound One
5. Don D. Serenade
6. Reload
7. Street Corner
8. Vat 7
9. Scandal
10. Rock Away
11. Cool Shade
12. Lawless Street *
13. Thoroughfare **
14. Green Island
* Produced by J. Yapp
** Produced by A. S. Read Tressure Isle