今回はGladstone Anderson & Mudies All Starsの

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「It May Sound Silly」です。

Gladstone Andersonはルーツ・レゲエの時代から
活躍するピアニストです。
ソロとして活躍したほか、多くのアルバムで
バック・ミュージシャンとして活躍した事で
よく知られています。
今回のアルバムのほか「Glady Unlimited」という
アルバムを、個性派レーベルMoodiscに残しています。

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Gladstone Anderson & Mudies All Stars - Glady Unlimited (1977)

ルーツの時代にこのGladstone Andersonは、Moodisc
の看板スターだったんですね。

Moodiscは「Drifter」の作曲者として知られる
Harry Modieを中心としたレーベルで、当時の
ジャマイカがプロテスト・ソングやラスタファリズム
の歌一色の時代に、一貫してラヴ・ソングなどの
ソフトなレゲエを作り続けたレーベルなんですね。
一見すると硬派でなく軟派なレーベルのように
見えますが、実は人になびかない頑固一徹なところ
のあるレーベルなんですね。

レーベル特集 Moodisc (ムーディスク)

今回のアルバムですが、1973年に発表された
Gladstone Andersonのファースト・アルバムです。
このMoodiscらしい美しくてソフトな楽曲が並ぶ
アルバムです。

全10曲で収録時間は32分39秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Piano: Gladstone Anderson
Organ: Winston Wright
Bass: Jakie Jackson
Drums: Winston Grennan, Michael Richards
Congos: Larry McDonald
Guitar: Hucks Brown, Earl Smith
Tromborn: Vin Gordon
Tenor Sax: Gren DaCosta, Val Bennett
Violin, Viola, Cello, French Horn & Flute: The Englishmen / Arr. by:Toney King
Violin, Viola,Cello: The Englishmen / Arr. by: John Bell
Percussion: Denzel Lang

Produced & Arranged by Harry A. Mudie
Engineer: Syd Bucknor & Harry A. Mudie
Degital Remix by: Harry A. Mudie / at Moods Digital Lab
Photograph & Album Design by: Moo Young / Butler Association Ltd.

となっています。

「The Englishmen」とあるのは、契約上の問題など
で誰か名前を出せないミュージシャンか何かなん
でしょうか?
たまにこうした「イギリス人」という、記述を
見る事があります。

さて今回のアルバムですが、いかにもMoodisc
らしい、ソフトな楽曲が並ぶアルバムです。
70年代前半というとルーツ・レゲエの硬派な
サウンドが世界的にも認められ始めた時代だと
思うのですが、それとは一線を画すMoodisc独自
のサウンドが貫かれています。
多くの曲はプロデューサーのHarry A. Mudieが
作曲しているんですが、彼の作曲能力の高さが
よく解るアルバムです。

1曲目は表題曲の「It May Sound Silly」です。
Gladstone AndersonとMoodiscを代表する名曲です。
優しい曲ですが、よく聴くと細部まで神経が行き
届いているのがよく解ります。

It May Sound Silly Gladstone Anderson & Mudies All Stars.wmv


2曲目は「Mad Mad Ivy」です。
出だしのフレーズはThe Beatlesの「Don't Let
Me Down」が使われています。
そのあたりからもこのMoodiscが、ポピュラリティー
のある音楽を目指していた事が解ります。

3曲目は「Portrait Of Inga」です。
まるで街歩きでもしているような楽しげなリズム
の曲です。

Gladstone Anderson - Portrait of Inga


4曲目は「Crazy Skank」です。
ホーンとピアノの掛け合いの曲です。

5曲目は「Reggae Delight」です。
うぇぢんぐ・ソングのイントロから始まる
ムーディーな曲です。

6曲目は「Feel Like Dancing」です。
まさに「踊りだしたくなる気分」という優しい
メロディの曲です。
いかにもMoodiscといったストリングスの効いた
1曲です。

7曲目は「Glady's Workshop」です。
こちらはJazzyな軽快なメロディにのせた曲です。
このあたりにGladstone Andersonの音楽の素養が
垣間見えます。

gladstone anderson muddies all stars - gladys workshop


8曲目は「Leaving Rome」です。
ムーディーな入りがいかにもMoodiscといった
曲です。
こちらもストリングスの使い方のウマさが
光ります。

GLADSTONE ANDERSON - LEAVING ROME


9曲目は「Mudie's Groove」です。
ピアノとギターのコンビネーションが絶妙な
曲です。
優しいピアノとはこういう事を言うんだという、
お手本のような曲です。

10曲目は「Black Beat」です。
こちらもギターとのコンビネーションの、ちょっと
グルーヴ感のある曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、どの曲もGladstone
Anderson通称Gladdyのピアノの魅力がうまく
収められたアルバムだと思います。
正直なところルーツ・レゲエのようなハードさは
ありませんが、逆にこのルーツ一色の時代に
こうしたメロディアスな楽曲を作り続けたMoodisc
というレーベルの面白さが、うまく刻まれた
アルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Gladstone Anderson & Mudies All Stars
○アルバム: It May Sound Silly
○レーベル: Moodisc
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1973

○Gladstone Anderson & Mudies All Stars「It May Sound Silly」曲目
1. It May Sound Silly
2. Mad Mad Ivy
3. Portrait Of Inga
4. Crazy Skank
5. Reggae Delight
6. Feel Like Dancing
7. Glady's Workshop
8. Leaving Rome
9. Mudie's Groove
10. Black Beat