今回はBob Andyのアルバム

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「Bob Andy's Song Book」です。

Bob Andyはロックステディ期から活躍する
シンガーです。
60年代の後半のロックステディの時代に
キャリアをスタートさせた彼は、John Holtが
加入する前のThe Paragonsで活躍したのちに、
女性歌手Marcia Griffithsとのデュエット
Bob & Marciaとして「Young Gifted And Black」
をイギリスのヒット・チャートの上位に送り
込むなど一線で活躍を続けます。
またレゲエの時代になっても素晴らしいアルバム
を残した人なんですね。

アーティスト特集 Bob Andy (ボブ・アンディ)

今回のアルバムは1970年にレゲエの老舗
レーベルStudio Oneから発表されたアルバムで、
彼のロックステディ期の代表曲がすべて詰め
込まれた彼の代表作ともいえるアルバムです。

レーベル特集 Studio One (スタジオ・ワン)

ロックステディという音楽についても説明して
おくと、レゲエの前身の音楽で1966から68年
というわずか3年間だけジャマイカで流行した
音楽で、スローで甘いメロディを持った音楽です。

ロックステディ - Wikipedia

アルバムの発売は70年ですが、このロック
ステディ期の音源が集められていることは間違い
ありません。

全12曲で収録時間は40分30秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

All tracks recorded at Jamaica Recording & Publishing Studios
Recording Engineer: Clement S. Dodd
Mixed by Clement S. Dodd & Slyvan Morris
Aii tracks backed by Sound Dimension
Produced by Clement S. Dodd

Re-designed by O'Neil Nanco

となっています。

バックはロックステディの時代にStudio One
のバック・バンドを務めていたSound Dimension
が担当しています。
Sound DimensionはキーボードのJackie Mittooを
リーダーとし、ベースのLeroy Sibblesやサックス
のRoland Alphonosoなどが参加したバンドです。
「Drum Song」や「Full Up」、「Cold Blood」
など、後々まで利用された名リディムを多数
生み出したのがこのバンドなんですね。

さて今回のアルバムですが、すべてが名曲と
言って良いほど素晴らしい曲が揃っています。
イメージを決めつけてしまうので、私はブログ
では「名盤」という言葉を使わない事にして
いるのですが、その言葉が使いたくなって
しまうほど魅力的なアルバムだと思います。
Bob Andyのアルバムというだけでなく、この
ロックステディという時代の代表的なアルバム
がこのアルバムなんですね。

1曲目は「My Time」です。
いきなりスウィートなメロディにヤラレちゃう
このロックステディの時代を代表する曲です。

Bob Andy - My Time


2曲目は「Desperate Lover」です。
これまたいかにもロックステディという香りの
する素晴らしい曲です。
ちょっとファルセット気味のBob Andyのヴォーカル
が強い印象を残します。

Bob Andy - Desperate Lover


3曲目は「Life Could Be A Symphony」です。
ちょっとコミカルなスタートの曲で、作り手の
遊びを感じる曲です。

4曲目は「Too Experience」です。
いかにもBob Andyといった彼の温かい個性が出た
曲です。
彼がその後も長く活躍できたのは、このソング・
ライティングの才能あってこその事だったの
でしょう。

5曲目は「I've Got To Go Back Home」です。
リズムの刻み方にそろそろレゲエの匂いも感じ
ますが、メロディやコーラスはとてもスウィート
で良きロックステディの時代を感じさせる曲
です。
販売サイトの情報などによるとバックのコーラス
は、当時Bob Marleyを中心とした3人組コーラス・
グループだったThe Wailersとの事です。

6曲目は「I Would Be A Fool」です。
いかにもロックステディといった泣きの1曲です。

I Would Be A Fool - Bob Andy


7曲目は「Going Home」です。
サックのイントロからスウィートな曲です。
コーラス・ワークも魅力の1曲です。

8曲目は「Stay In My Arms」です。
こちらは男性コーラスと女性コーラスが入った
曲です。
意外と見逃しがちですが、このロックステディ
やその前のスカの時代から、意外とバックは
複雑なコーラス・ワークや音の出入りなど
かなり凝った音作りをしているんですね。
特にこのStudio Oneは「レゲエのモータウン」
と言われたほど、丁寧の戸作りに定評があり
ます。

9曲目は「Let Them Say」です。
いかにもロックステディらしいコーラス・ワーク
を駆使した曲です。
この甘いムードはこの時代ならではの魅力が
あります。

Bob Andy - Let Them Say


10曲目は「Unchained」です。
イントロのホーンが印象的な曲です。

11曲目は「Feeling Soul」です。
淡々と歌われる中にも、なかなか凝った音の
出入りがある曲です。

12曲目は「Crime Don't Pay」です。
ホーンに乗せたBob Andyのヴォーカルが魅力
の1曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、どの曲にも
このロックステディという時代の魅力が
詰まっています。
ロックステディとはどういう時代だったのか?
それを知りたければこれ!という定番と言って
良いアルバムなんですね。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Bob Andy
○アルバム: Bob Andy's Song Book
○レーベル: Studio One
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1970

○Bob Andy「Bob Andy's Song Book」曲目
1. My Time
2. Desperate Lover
3. Life Could Be A Symphony
4. Too Experience
5. I've Got To Go Back Home
6. I Would Be A Fool
7. Going Home
8. Stay In My Arms
9. Let Them Say
10. Unchained
11. Feeling Soul
12. Crime Don't Pay