今回はThe Gladiatorsの

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「Trenchtown Mix Up」です。

The Gladiatorsはリード・ヴォーカルのAlbert
Griffithと、コーラスのClinton Fearon、Dallimore
Sutherlandの3人組の、楽器も演奏出来るコーラス・
グループです。
70年代のルーツ・レゲエの時代にStudio One
などでジャマイカ国内で人気を博したのちに、
76年にメジャー・レーベルVirginから今回の
アルバムでメジャー・デビューしました。

その後順調にキャリアを積み重ねましたが、80年
以降は分裂してAlbert GriffithがGladiatorsを
名乗っています。

The Gladiators (band) - Wikipedia

今回のアルバムはその彼らのメジャー・デビュー・
アルバムです。
CDに付いていた鈴木智彦さん(タワーレコード)
という方の解説によると、Virgin Front Lineとの
契約前に制作されたアルバムだった為に資金も
時間も限られた制作だった模様です。
その為にホーンやキーボードも使えず、曲も
Bob Marleyのカバー曲を2曲入れるなど、ラフで
シンプルな構成になっているんだとか。
それが結果的に「Bob Marley直系」と言われる
いかにもルーツというサウンドを作り上げて
います。

全11曲で収録時間は34分11秒。

参加ミュージシャンは

Lead Guitar & Vocals: Albert Griffith
Rhythm Guitar & Vocals: Clinton Fearon
Bass Guitar & Vocals: Dalimore Sutherland
(ここまでがThe Gladiators)
Bass: Lloyd Parks
Drums: Sly
Percussion: Stickie

Producer: Prince Tony Robinson
Recorded atJoe Gibbs Studio, Kingston, Jamaica
Sleeve by Cooke Key Assoc

となっています。

リード・ヴォーカルのAlbert Griffithがリード・
ギター、コーラスのClinton Fearonがリズム・ギター、
Dalimore Sutherlandがベースと小器用なところを
見せています。

さて今回のアルバムですが、限られた時間と予算で
作られたアルバムとの事ですが、結果的にみると
このシンプルさが逆に彼らの良さを引き出している
んですね。
余分なものを排除した分、彼らの若々しいエネルギー
がダイレクトにこちらに伝わって来るアルバムに
なっていると思います。

1曲目は「Mix Up」です。
この曲はThe GladiatorsのStudio One時代などでも
「Bongo Red」というタイトルなどで演奏されている
彼らの代表曲です。
いかにも彼ららしい黒く濃い曲です。

The Gladiators - Mix Up


2曲目は「Bellyfull」です。
刻むギターに乗せたいかにも彼ららしいコーラス
ワークに乗せたAlbert Griffithのヴォーカルも
冴えた1曲です。

3曲目は「Looks Is Deceiving」です。
ギターに乗せたAlbert Griffithのちょっと粘っこい
ヴォーカルが面白い曲です。

4曲目は「Chatty Chatty Mouth」です。
Bob Marleyの「Mr. Chatterbox」に発想を得た
ような「おしゃべりな唇」を笑う、ちょっと
面白い感じの曲です。

The Gladiators - Chatty chatty mouth


5曲目は「Soul Rebel」です。
こちらはBob Marleyのメジャー・デビュー前の
名曲です。
もちろんBob Marleyの名曲であることは間違いあり
ませんが、今では彼らThe Gladiatorsの代表曲の
ひとつとも言える曲です。
ルーツ・レゲエ好きだったら、シビレること間違い
なしの渾身の1曲です。

The Gladiators - Soul Rebel


6曲目は「Eli Eli」です。
彼らのコーラス・ワークを生かした明るい曲です。

7曲目は「Hearsay」です。
泣きのギターにコーラス・ワークに乗せたヴォーカル
という、彼らの魅力全開の曲です。

The Gladiators - Hearsay


8曲目は「Rude Boy Ska」です。
解説文によるとこちらがBob Marleyのもう1曲の
ようです。
メロディからしてThe Wailersの3人組コーラス・
グループだったスカの時代の曲のようです。

9曲目は「Know Yourself Mankind」です。
リズミカルなギターに乗せたAlbert Griffithの
少しエコーのかかったヴォーカルが、印象に残る
曲です。

10曲目は「Thief In The Night」です。
こちらはイイ具合に肩の力が抜けた、リラックス
した感じの曲です。

11曲目は「Hello Carol」です。
こちらはStudio One時代からの彼らの代表曲です。

ざっと追いかけて来ましたが、やっぱり彼らの
アルバムの中でも特に印象の強いアルバムです。
時間が無い中で作られたとは思えないほど、
1曲1曲の内容がとても充実しているんですね。
この時代の彼らの好調ぶりが、うかがわれる
内容のアルバムだと思います。
また黒くドロッとしている程に感じられる
Albert Griffithのヴォーカルもとても魅力的
です。
このルーツ・レゲエの時代が生んだ素晴らしい
アルバムのひとつだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: The Gladiators
○アルバム: Trenchtown Mix Up
○レーベル: Virgin
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1976

○The Gladiators「Trenchtown Mix Up」曲目
1. Mix Up
2. Bellyfull
3. Looks Is Deceiving
4. Chatty Chatty Mouth
5. Soul Rebel
6. Eli Eli
7. Hearsay
8. Rude Boy Ska
9. Know Yourself Mankind
10. Thief In The Night
11. Hello Carol

●今までアップしたGladiators関連の記事
〇Gladiators「Bongo Red」
〇Gladiators「Dreadlocks The Time Is Now」
〇Gladiators「Presenting The Gladiators」
〇Gladiators「Proverbial Reggae」
〇Gladiators「Studio One Singles」
〇Gladiators「Sweet So Till」