今回はThe Mighty Diamondsのアルバム

mighty_diamonds_09a

「The Roots Is There」です。

The Mighty Diamondsはルーツ・レゲエの時代
から活躍するコーラス・グループです。
リード・ヴォーカルのDonald 'Tabby' Shawを
中心にコーラスのLloyd 'Judge' Fergusonと
Fitzroy 'Bunny' Simpsonからなる3人組の
グループです。

アーティスト特集 Mighty Diamonds (マイティ・ダイアモンズ)

今回のアルバムは1982年にMusic Worksレーベル
から発売されたアルバムです。
実はこのアルバムLPも昔買っていて持っています。

mighty_diamonds_08a
Mighty Diamonds - The Roots Is There (LP)

このLPは私がまだ20代の頃に買ったもの
でした。
5,6年ぐらい前から再びレゲエを聴くように
なって、LPを聴き返してみたらかなり良かった
ので、CDも買ったんですね。

ところがこのLPとCDでは、曲目がだいぶ
変わっているんですね。
一番最後にLPとCDの曲目を載せましたが、
* 印を付けた曲がどちらにも入っている曲
ですが、10曲中4曲が違う曲に変わって
いるんですね。、

なぜこんなに曲が変わってしまったのか?
今回調べてみて理由が解りました。
実はこのアルバムにはMusic Works Recordsから
出ているアルバムと、Shanachieから出ている
アルバムがあるんですね。
私の持っているLPの方がMusic Works Records
で、CDの方がShanachieでした。
他にもWoorell Recordsというレーベルからも
出ているようですが、そちらはShanachieと同じ
曲順と曲目でした。
制作年などから見るとMusic Works Recordsの
方がオリジナル・アルバムだと思うんですが、
Shanachieの方はそこからさらに曲を入れ替えて
再編集したようです。

一番大きな違いはLPの方には、彼らのメジャー・
ファースト「Right Time」の表題曲「Right Time」
の再演「When The Right Time Come」が入っていた
事です。

mighty_diamonds_01a
Mighty Diamonds - Right Time (1976)

この再演はかなりの力作で、これが削除されている
のはかなり残念です。
その代わりかThe BeatlesのメンバーだったPaul
McCartneyのヒット曲である「Ebony And Ivory」
がCDには入っています。

好みの問題もあるでしょうが、正直なところ私的
にはMusic Works Records盤の方が構成もしっかり
していて、かなり良いと思います。
このダンスホール・レゲエ期に入ってからの
The Mighty Diamondsのもっとも素晴らしい
アルバムのひとつと言えるかもしれません。
それに対してShanachie盤の方は構成もズタズタで、
「Ebony And Ivory」などを入れたサービス精神は
あるけれど、せっかくのアルバムを壊してしまった
感があります。
ちなみにMusic Works Records盤は、CDがあるか
調べたのですが、確認できませんでした。

LPはSide 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。
CDは全10曲で収録時間は37分56秒。

参加ミュージシャンは以下。

Bass: R. Shakespeare
Drums: S. Dunbar & S. Scott
Organ: Franklyn 'Bubbller' Waul
Piano: Robbie Lyn
Guitar: Willie Lindo
Percussion: Alvin Haughton
Synthesizers: Harold Butler
Horns: Dean Frazer & Chico Chin & Nambo Robinson
Arrangements: Willie Lindo
Extra Vocals on Evony and Ivory: Dean Frazier

Produced by: Augustus 'Gussie' Clarke

LPに無かった「Ebony And Ivory」の「Extra Vocals」
としてDean Frazierの名前が追加されています。
このあたりも無理やりにねじ込んだ感が…(苦笑)。

LPにはエンジニアの記載が見つかりません
でしたが、こちらにはSylvan Morrisの名前が
あります。

バックはSly & RobbieにRoots Radicsのメンバーも
混ざったような布陣です。

さて今回のアルバムですが、LP(Music Works盤)
はこの時代のThe Mighty Diamondsの代表作の
ひとつと言って良いほど素晴らしいアルバムだと
思います。

この82年頃というのはルーツ・レゲエもそろそろ
終わりを迎え、時代は徐々に新しい音楽ダンスホール・
レゲエの時代へと舵を切っていた時代だったん
ですね。
ルーツの時代にThe Revolutionariesの攻撃的な
ミリタント・ビートをバックに独特の美しい
ハーモニーを聴かせていたThe Mighty Diamondsも、
新しい時代への対応を迫られていた頃だったんじゃ
ないかと思います。
その期待にルーツの香りを残しながらも、彼らは
見事に応えているんですね。

CD(Shanachie盤)の方も、構成がズタズタで
「Ebony And Ivory」が蛇足という感はありますが、
それでも聴くべき曲が何曲か残されており、手に
入れて損のないアルバムだと思います。

とりあえずここではLPの曲順にそって紹介して
行きたいと思います。

LPのSide 1の1曲目は「Everybody Has An Accent」
です。
いかにもMusic Worksらしい洒落っ気を持った曲です。
(CDでも1曲目。)

2曲目は表題曲の「The Roots Is There」です。
タイトル通りルーツを感じさせるホーンに支えられ
ながらも、どこかダンスホールの匂いも感じさせる
モダンでありながらも懐かしいような不思議な
面白さを持った曲です。
(CDでは6曲目。)

The Mighty Diamonds - The Roots Is There


3曲目は「When The Right Time Come」です。
「Right Time」のの再演でありながら、筆舌に
尽くしがたい素晴らしさを持った曲です。
彼らのベスト・パフォーマンスの1曲と言える
かもしれません。
(CDには収められていません。)

(What you gonna Do) When The Right Time Come - The Mighty Diamonds


4曲目は「Live For Today」です。
こちらは彼らのコーラス・ワークの素晴らしさが
よく解る1曲です。
(CDには収められていません。)

5曲目は「Red Rose」です。
こちらは比較的明るめの曲調にコーラス・ワーク
といった曲です。
(CDには収められていません。)

LPのSide 2の1曲目は「The Breadwinner」
です。
Dean Frazerと思われる泣きのサックスから
陰影のあるヴォーカルが印象深い曲です。
ちなみに「The Breadwinner」を自動翻訳して
みると、「稼ぎ手」と出て来ました。
(CDでは10曲目。)

2曲目は「Unruly Pickney」です。
こちらもダンスホールの空気感のある明るい曲。
(CDには収められていません。)

3曲目は「Part Time Love」です。
こちらはかなり強力なラヴ・ソングといった
泣きの1曲です。
バックもイイ感じに盛り上げています。
(CDでは9曲目。)

Mighty Diamonds - Part Time Love


4曲目は「Declaration Of Rights」です。
あのThe Abyssiniansの名曲です。
シンセのつけるアクセントに応えるような
ヴォーカルとハーモニーが素晴らしい力作です。
明らかにThe Abyssiniansとはまた違う素晴らしさ
がある、彼らの実力が解る1曲です。
(CDでは2曲目。)

5曲目は「The Poor Man's Prayer」です。
こちらもThe Mighty Diamondsらしい白眉の
泣きの名曲です。
リード・ヴォーカルはLloyd 'Judge' Ferguson
の方か?
ちなみに「The Poor Man's Prayer」を自動翻訳
すると、「貧乏人の祈り」となりました。
(CDでは4曲目。)

The Mighty Diamonds - The Poor Man's Prayer


こうして聴いて行くと曲の構成も見事なん
ですね。
Side 1は2曲目「The Roots Is There」と
3曲目「When The Right Time Come」で
じっくりと聴かせて、4曲目5曲目はあえて
軽めに流す。
Side 2は1曲目「The Breadwinner」でガシっと
掴み、2曲目は軽めに流し、3~5曲目で
ガツンと盛り上げる。
こういう構成力はAugustus 'Gussie' Clarke
という、長きにわたって活躍したプロデューサー
の実力の高さを証明しています。
The Mighty Diamondsの素晴らしいアルバムと
いうだけではなく、Music Worksの匂いも
しっかりあるんですね。

こうした素晴らしい構成を、CD(Shanachie盤)
ではズタズタにしてしまったのがすごく惜しまれ
ます。

CD(Shanachie盤)の3曲目は「Pretty Woman」
です。
比較的ユッタリした曲調の曲です。

CDの5曲目は「Heads Of Government」です。
なかなか味のある曲で、曲自体は悪くありません。

CDの7曲目は「Juvenile Child」です。
こちらも彼ららしいコーラスが聴ける1曲です。

CDの8曲目は「Ebony And Ivory」です。
書いたようにThe Beatlesのメンバーだった
Paul McCartneyのヒット曲です。
まあ、悪くはないのですが…。

こうして曲目を追いかけてみると、表題曲の
「The Roots Is There」をはじめとして、
「When The Right Time Come」や「The Breadwinner」、
「Part Time Love」や「Declaration Of Rights」、
「The Poor Man's Prayer」などかなり印象に残る
名曲も多く、すごく良いアルバムなんですね。
その中から「When The Right Time Come」が抜けて
いるのは本当に残念ですが、それでも他にも
名曲が多く入っているので、Shanachie盤でも良い
ので聴いてもらいたいアルバムです。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: The Mighty Diamonds
○アルバム: The Roots Is There
○レーベル: Music Works Records(LP), Shanachie(CD)
○フォーマット: CD & LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1982

○The Mighty Diamonds「The Roots Is There」曲目

The Roots Is There (LP) - Music Works Records
Side 1
1. Everybody Has An Accent*
2. The Roots Is There*
3. When The Right Time Come
4. Live For Today
5. Red Rose
Side 2
1. The Breadwinner*
2. Unruly Pickney
3. Part Time Love*
4. Declaration Of Rights*
5. The Poor Man's Prayer*

The Roots Is There (CD) - Shanachie
1. Everybody Has An Accent*
2. Declaration Of Rights*
3. Pretty Woman
4. The Poor Man's Prayer*
5. Heads Of Government
6. The Roots Is There*
7. Juvenile Child
8. Ebony And Ivory
9. Part Time Love*
10. The Breadwinner*

*印 - どちらのアルバムにも入っている曲。

●今までアップしたMighty Diamonds関連の記事
〇Mighty Diamonds「...Tell Me What's Wrong」
〇Mighty Diamonds「Deeper Roots (Back To The Channel)」
〇Mighty Diamonds「Get Ready」
〇Mighty Diamonds「Go Seek Your Rights」
〇Mighty Diamonds「Ice On Fire」
〇Mighty Diamonds「Inna De Yard」
〇Mighty Diamonds「Planet Earth & Planet Mars Dub」
〇Mighty Diamonds「Right Time」
〇Mighty Diamonds「Stand Up To Your Judgement」
〇Mighty Diamonds「When The Right Time Come I Need A Roof」