今回はJohnny Osbourneのアルバム

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「Come Back Darling Meet Warrior」です。

Johnny Osbourneはロックステディからルーツ・
レゲエからダンスホール・レゲエ、さらには
デジタルのダンスホール・レゲエと長きに
わたって一線で活躍したシンガーです。

この人の経歴はちょっと変わっているんですね。
レゲエの前身であるロックステディの時代に
The Sensationsの一員として大活躍をするん
ですが、69年に自身のソロ・アルバム
「Come Back Darling」をリリースした日に
カナダへと移住する為にジャマイカから去って
しまうんですね。
そしてカナダで音楽活動をした後に、ルーツ・
レゲエの時代も終わりに差し掛かった70年代の
後半に再びジャマイカに戻って来て活動を再開
するという経緯を辿っています。

それでも実力のあるシンガーだった為か、その
後はダンスホール・レゲエ→デジタルのダンス
ホール・レゲエの時代と常に一線で活躍する
人気シンガーとなるんですね。

アーティスト特集 Johnny Osbourne (ジョニー・オズボーン)

今回のアルバムはJohnny Osbourne & The Sensations
名義になっている69年のソロ・アルバム
「Come Back Darling」と81年のアルバム
「Warrior」を1枚にまとめた2in1の仕様の
アルバムです。
「Come Back Darling」からはインストの
Johnny Organの楽曲4曲を除いた8曲が、
「Warrior」からは「Come Back Darling」と
曲がダブっているタイトル曲の「Warrior」を
除いた9曲が収められ、3曲のボーバス・
トラックをプラスした全20曲のアルバムに
なっています。

ひとつ残念な事を書いておくと、ロックステディ
期の何曲かに少しパリパリ音が入ります。
雑音が取り切れなかったのかもしれません。

全20曲で収録時間は64分33秒。
1~8曲目まではアルバム「Come Back Darling」
からの曲で、12~14曲目がCDボーナス・
トラック、残りの9~11曲目と15~20曲目
が「Warrior」からの曲のようです。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Produced & Arranged by Winston Riley

Drums: Sly Dunbar, Style Scott
Bass: Flabba Holt, Robbie Shakespeare, Boris Gardiner
Hornes: Dean Frazer, Deadly Headley, Nambo, Tommy McCook
Keyboards: Ansel Collins, Winston Wright
Guitars: Willie Lindo, Rad Bryan
Percussion: Winston Riley, Skully, Sticky
Backing Vocals: Winston Riley, Ernis Wilson, Tabby

となっています。

どうもメンバーを見ると80年代初め頃に活躍
した人が多いかなという気がしますが、69年の
「Come Back Darling」のサイトのアルバム評
に「Boris Gardinerも参加」と書かれている所も
あったので、両方のアルバムから抜粋してきた
メンバーなのかも。

プロデューサーはTechniquesレーベルの
Winston Rileyになっています。

さて今回のアルバムですが、1枚がロックステディ
から初期レゲエの頃のアルバムで、もう1枚が
初期のダンスホールの頃のアルバムと10年以上
のブランクがあるアルバムなんですが、意外と
それほどの差を感じないんですね。
そのあたりはこのJohnny Osbourneという、類まれ
な才能を持ったヴォーカリストの実力のせいかも
しれません。
彼が長いことジャマイカを空けていても再び
返り咲けたのはその実力があったからなんですね。
今回のアルバムなどを聴くと、彼のそのスキル
の高さがよく解ります。

それほど10年以上の差を感じないと書きました
が、それはヴォーカルに関しての話で、やはり
前半8曲はバックにロックステディから初期
レゲエに差し掛かる匂いが、残りの曲はルーツ・
レゲエの匂いが微妙にします。
特に強く音の差を感じるのは、音の深さなん
ですね。
この10年間で録音設備や技術が格段に進歩
しているので、トラック数なども増えて音の
厚みがずいぶん違うんですね。
初めの8曲と残りの曲ではその音の差があり
ます。
さすがにそれは仕方のない部分です。

1曲目は「Come Back Darling」です。
この曲はロックステディ時代のJohnny Osbourne
& The Sensationsとしての大ヒット曲です。
去ってしまった恋人に戻って来てという曲です
が、ロックステディの時代の空気感を強く持った
曲です。

Johnny Osbourne And The Sensations - Come Back Darling


2曲目は「He Who Keepeth His Mouth」です。
ちょっと初期レゲエも感じさせる硬いドラムに
コーラス、さらにサックスというかなりリズミカル
なノリの曲です。

3曲目は「Power & The Glory」です。
こちらは甘いホーンのメロディに美しいコーラス・
ワークといったThe Sensationsの魅力がよく出た
1曲です。

4曲目は「ne Day You'll Need My Kiss」です。
こちらもコーラス・ワークも素晴らしい1曲。
この曲も硬いドラミングに初期レゲエを感じます。

5曲目は「Warrior」です。
81年のアルバム・タイトルにもなっているこの曲
ですが、69年の「Come Back Darling」の方にも
入っているんですね。
この曲にパリパリ音が少し入っていたので、
69年の方のヴァージョンと判断しました。
たびたび歌っているところから見ても、彼の
代表曲のひとつと見て間違いありません。

Johnny Osbourne - Warrior


6曲目は「If It's Not Love」です。
こちらの硬いドラムとホーンのイントロから
コーラス・ワークも素晴らしい1曲です。

7曲目は「Foolish Plan」です。
メロディカと思われるサウンドに乗せた
コーラス・ワークも素晴らしい1曲です。

8曲目は「See & Blind」です。
ちょっとエコーのかかったヴォーカルとコーラス
に、初期レゲエを感じさせる刻みリズムが
気持ち良い1曲です。

ここまでが「Come Back Darling」の曲ですが、
書いたようにこれらの曲にプラスしてJohnny Organ
のインスト・ナンバー4曲が収められたアルバムが
「Come Back Darling」というアルバムのようです。
ネットの評価もすごく高いアルバムなんですが、
実際に聴いた印象としてもロックステディから
初期レゲエに移行する時代の匂いがしてなかなか
印象に残る曲も多くインスト入りのアルバムも
ぜひ聴いてみたいと思う出来です。

ここからは9~11曲目までが「Warrior」の曲、
12~14曲目がCDボーナス・トラックで、
15~20曲目がまた「Warrior」からの曲という
変則の構成になっているようです。
この「Warrior」というアルバムは、ネットの情報
などによると79年から81年までの音源を集めた
アルバムのようで、81年発売のアルバムですが
あまりダンスホール・レゲエの匂いは強くなく、
ルーツ・レゲエの匂いが強くするアルバムになって
います。

9曲目は「Bad Boy」です。
ピアノのメロディに合わせたJohnny Osbourneの
ヴォーカルが冴えを見せる1曲です。

10曲目は「Inflation」です。
こちらはまだルーツの香りを残したホーンと
コーラスが印象的な曲です。

Johnny Osbourne - Inflation


11曲目は「What A Fire」です。
軽快なぴ案のリズムに乗せた1曲です。

12曲目は「Ready Or Not」です。
いかにもルーツといったリズムに、Johnny
Osbourneのヴォーカルが冴える1曲です。

13曲目は「Ninaman」です。
こちらもいかにもルーツといった展開に
Johnny Osbourneのちょっとエコーの
かかった陰影の濃いヴォーカルが味わい深い
1曲です。

14曲目は「 My Name Is Man」です。
こちらも聴かせどころいっぱいのJohnny
Osbourneの少し高音のファルセットがかった
ヴォーカルが、強く印象に残る曲です。

15曲目は「Love Is For Jah」です。
こちらはちょっとラフな入りからJohnny Osbourne
の伸びのあるヴォーカルの繰り返しが印象に
残る曲です。

16曲目は「Jah Jah Live Forever」です。
こちらは心地よさそうなヴォーカルとコーラスが、
この時代の空気感をうまく包み込んだ1曲です。

JOHNNY OSBOURNE "JAH JAH LIVE FOREVER"


17曲目は「I Can't Get Next To You」です。
こちらは物語を紡いで行くような作りの曲で、
Johnny Osbourneのヴォーカルの説得力を
うまく生かした構成が光る曲です。

18曲目は「Wish I Could Express It In Words」
です。
Johnny Osbourneの落ち着いたヴォーカルが
楽しめる曲です。

19曲目は「Too Wise」です。
サックスとヴォーカルの掛け合いからコーラス・
ワークという展開が楽しめる味わいのある曲です。

20曲目は「Mr Politician」です。
ちょっとソロ―なリズムにJohnny Osbourneの
説得力のあるヴォーカルが光る曲です。

こうして2枚のアルバムを追いかけて行くと、
やはりこのJohnny Osbourneという人の安定した
ヴォーカル力が光ります。
この後も彼は長くレゲエの世界で活躍し続ける
事になるのですが、ロックステディの時代でも
ルーツ・レゲエの時代でも常に安心して聴ける
ヴォーカル力を披露しているんですね。
彼が歌えば曲にもう一味足してくれる、そういう
安心感があるからこそ多くのプロデューサーが
彼を起用したのだと思います。
ロックステディの時代には若々ししいエネルギーと
コーラス・ワーク、ルーツ・レゲエの時代には
安定した実力という違いはあるけれど、彼の歌
には常に人を説得できるプロとしての力強さが
あります。

やっぱり良いヴォーカリストなんですね。

機会があればぜひ聴いてみてください。


○アーティスト: Johnny Osbourne
○アルバム: Come Back Darling Meet Warrior
○レーベル: Techniques
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1969, 1981

○Johnny Osbourne「Come Back Darling Meet Warrior」曲目

1. Come Back Darling – Johnny Osbourne & The Sensations
2. He Who Keepeth His Mouth – Johnny Osbourne & The Sensations
3. Power & The Glory – Johnny Osbourne & The Sensations
4. One Day You'll Need My Kiss – Johnny Osbourne & The Sensations
5. Warrior – Johnny Osbourne & The Sensations
6. If It's Not Love – Johnny Osbourne & The Sensations
7. Foolish Plan – Johnny Osbourne & The Sensations
8. See & Blind – Johnny Osbourne & The Sensations
9. Bad Boy
10. Inflation
11. What A Fire
12. Ready Or Not
13. Ninaman
14. My Name Is Man
15. Love Is For Jah
16. Jah Jah Live Forever
17. I Can't Get Next To You
18. Wish I Could Express It In Words
19. Too Wise
20. Mr Politician