今回はThe Gladiatorsのアルバム

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「Dreadlocks The Time Is Now」です。

The Gladiatorsは70年代のルーツ・レゲエの時代
にStudio Oneなどでジャマイカ国内で人気を博した
のちに、 76年にメジャー・レーベルVirginから
「Trenchtown Mix Up」でメジャー・デビューした
3人組の楽器も演奏できるコーラス・グループです。
リード・ヴォーカルとリード・ギターのAlbert Griffith
と、リズム・ギターとコーラスのClinton Fearon、
ベースとコーラスのDallimore Sutherlandの3人で
活動するグループでしたが、80年以降は分裂して
Albert GriffithがGladiatorsを名乗っています。

グラディエイターズ - Wikipedia

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The Gladiators - Trenchtown Mix Up (1976)

今回のアルバムはそのGladiatorsの、Virginレーベル
から出ているベスト盤です。
内訳は彼らのメジャー・ファースト「Trenchtown Mix Up」
から9曲、「Proverbial Reggae」から3曲、「Naturality」
から4曲、「Sweet So Till」から2曲、12インチ・
シングルの「Pocket Money」が1曲という構成です。
これを見るとファースト「Trenchtown Mix Up」から
多くの曲が収められていますが、いかにこのアルバム
が鮮烈で、彼らの代表的なアルバムになっているかが
よく解ります。

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The Gladiators - Proverbial Reggae (1978)

全19曲で収録時間は62分38秒。

バックのミュージシャンはアルバムごとに記載されて
います。

Trenchtown Mix Up(1976) - Tracks 1,2,3,4,5,6,7,8,19
Bass: Lloyd Parks
Drums: Sly Dunbar
Percussion: Sticky Thompson
Produced by Prince Tony Robinson

Proverbial Reggae(1978) - Tracks 9,10,13
Drums: Sly Dunbar
Percussion: Sticky Thompson
Keyboards: Ansell Collins
Synthesizer: Earl 'Wire' Lindo
Produced by Tony Robinson
Engineer: Errol Thompson

Naturality(1978) - Tracks 12,14,15,16
Bass: Lloyd Parks
Drums: Sly Dunbar, Leroy Horsemouth Wallace
Percussion: Skully & Sticky
Piano: Bubbler
Guitar: Ranchie McLean
Keyboards: Winston Wright
Produced by Tony Robinson
Engineer: Errol Thompson

Sweet So Till(1979) - Tracks 17,18
Drums: Leroy Horsemouth Wallace
Bass: Earl Bagga, Clinton Fearon, Albert Griffiths
Keyboards: Ansell Collins, Pablov Black, Richard Ace
Lead Guitar: Ernest Ranglin
Rhythm Guitar: Gallimore Sutherland
Bongos: Bongo Herman
Harmonica: Jimmy Beckman
Percussion: Sticky Thompson, Bongo Herman, Sky Juice
Horns: Tommy McCook, Headley Bennett, Bobby Ellis
Syn Drum: Sojie
Produced & Arranged by The Gladiators
Mixed at Harry J Studios by Sylvan Morris

Pocket Money was a 12 inch single(1978) - Tracks 11
Produced by Tony Robinson

となっています。

「Pocket Money」というアルバムは聴いた事ないなぁ
と思ったんですが、どうやらこれは彼らの12インチ・
シングルという事のようです。
彼らのメジャー・デビューした1976年から79年
までの4年間のアルバムを集めたベスト盤という事の
ようです。

さて今回のアルバムですが、書いたように今回のアルバム
19曲のうち半分の9曲が彼らのメジャー・ファースト・
アルバム「Trenchtown Mix Up」からの選曲です。
「Trenchtown Mix Up」というアルバム自体全11曲の
アルバムで、2曲を除いてほとんどの曲がこのアルバム
に入っている事になります。

ただこの選曲は意外と正しいです。
何故かというと、私自身がこの「Trenchtown Mix Up」
というアルバムを聴いてから、このグループを以前にも
増して好きになりましたから。
この「Trenchtown Mix Up」というアルバムは、この
グループを理解する上でカギになるアルバムなんです
よね。

今回のアルバムでも1曲目「Mix Up」から7曲目「Hearsay」
までは、「Trenchtown Mix Up」と全く同じ並び順で曲が
入っています。
そしてラスト19曲目が「Trenchtown Mix Up」でもラストに
入っている「Hello Carol」が入っています。
選曲者が「Trenchtown Mix Up」というアルバムを、いかに
高く評価しているかがよく解る選曲です。
実際に今回のアルバムでも「Mix Up」、「Chatty Chatty
Mouth」、「Soul Rebel」、「Hearsay」といった曲は、
彼らGladiatorsを語る上でとても重要な曲だと思います。

特に印象的なのが5曲目に入っているBob Marleyの名曲
「Soul Rebel」です。
この「Trenchtown Mix Up」はメジャー・デビューが
急きょ決まって、急いで作ったアルバムと言われています。
「Soul Rebel」も曲数が足りなくて入れた曲と言われて
いるんですが、仮りにそれが真実だとしても、今の時点
から見ると「Trenchtown Mix Up」は彼らを代表するアルバム
で、「Soul Rebel」はBob Marleyの曲だとしても、同時に
彼らGladiatorsを象徴する名曲でもあるんですよね。
「Soul Rebel」はタイトル通りBob Marleyがラスタとして
生きる心情を歌ったロックステディ時代の名曲ですが、
その甘く切ないメロディに…もう完全にヤラレちゃいます。
Gladiatorsの曲の中でもこの曲は、絶対に聴いておきたい
黒い魂がこもった名曲です。

GLADIATORS-Soul Rebel.


他に「Mix Up」や「Chatty Chatty Mouth」、表題曲の
「Dreadlocks The Time Is Now」など、このThe Gladiators
の一番良い時期の一番良い曲が多く収められたアルバム
だと思います。
やはり彼らの一番輝いていたのは、Studio Oneからデビュー
して、さらにVirginからメジャー・デビューしたこの
70年代後半ぐらいまでなんですね。
このあたりの音源はルーツ・レゲエ好きとしてはぜひ
押さえておきたいところです。

機会があれば聴いてみてください。

The Gladiators - Mix Up


The Gladiators - Dreadlocks the Time Is Now



○アーティスト: Gladiators
○アルバム: Dreadlocks The Time Is Now
○レーベル: Virgin Front Line
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1990

○ Gladiators「Dreadlocks The Time Is Now」曲目
1. Mix Up
2. Bellyfull
3. Locks Is Deceiving
4. Chatty Chatty Mouth
5. Soul Rebel
6. Eli Eli
7. Hearsay
8. Rude Boy Ska
9. Dreadlocks The Time Is Now
10. Jah Works
11. Pocket Money
12. Get Ready
13. Stick A Bush
14. Write To Me
15. Naturality
16. Struggle
17. A Day We Go
18. Sweet So Till
19. Hello Carol

●今までアップしたGladiators関連の記事
〇Gladiators「Bongo Red」
〇Gladiators「Presenting The Gladiators」
〇Gladiators「Proverbial Reggae」
〇Gladiators「Studio One Singles」
〇Gladiators「Sweet So Till」
〇Gladiators「Trenchtown Mix Up」