今回はWhite Miceのアルバム

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「White Mice Versions」です。

White Miceはデジタルのダンスホール・レゲエの
時代に、独特の高音のヴォイスで人気を博した
シンガーです。

今回のアルバムは2006年にドイツのレーベル
Basic Replayからリイシューされたアルバムです。
タイトル通りアルバム「White Mice」のヴァージョン
(ダブ)を集めたアルバムですが、このアルバム
の元になったアルバム「White Mice」も同時に
リリースされています。

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White Mice - White Mice

ダブが好きな人なら、両方買って聴き較べてみたい、
そう思わせるニクい発売です。

ジャケを見ると短髪に蝶ネクタイでWhite Miceって
アーリー・レゲエのアーティスト?と思ってしまう
んですが、実はレゲエがだいぶ進化したこの80年代
のダンスホールのヴォーカリストなんですね。
かなり高音で歌う独特のヴォーカル・スタイルで、
ネットの情報によるとカルト的な人気を誇った人
らしいです。
曲を聴いてもらうと解りますが、かなりグイグイ来る
現代にも通じるスタイルで、当時聴いたらかなりの
衝撃があったんじゃないかと思います。

全12曲で収録時間は44分28秒。
曲の並び順はすべて同時発売された「White Mice」と
一緒です。

詳細なミュージシャンの表記はありません。
アルバムには「White Mice Versions」という表ジャケ
の文字以外は、裏面に曲のタイトルが載っているぐらい
で、ほとんど文字がありません。
プロデュースはCDの表面にBlemo Crichtonという記載が
かろうじてあります。

ただネットで調べると、どういう訳かレゲエレコード・
コムのこのアルバム紹介のページに記載が…。

White Mice - White Mice Versions

この情報がどうして解ったのか?合っているのか?は
正直なところ解りません。
でも他のサイトにもJr. Delgadoが参加しているような
事を書いているサイトもあったので、リリース時か
何かにそういう情報があったのかも。
この情報が正確だとすると、Dwight Pinkney、Chinna
Smith 、Augustus Pablo、Steelyなども参加しており、
悪いメンバーではないと思います。

さてアルバムの内容ですが、もう1枚のアルバム「White
Mice」ではWhite Miceの高音のヴォーカルがガンガン
攻めて来る感じだったのですが、そのヴァージョン(ダブ)
になるとずいぶん雰囲気が変わります。
こちらはデジタル感のある洗練されたダブの匂いが
します。
ヴォーカルが入っているとどうしてもWhite Mice特徴の
ある声に耳がいってしまうのですが、実はバックの演奏は
かなり完成度の高い演奏なんですね。
White Miceの独特の歌声でも1曲1曲がピシっ!と決まって
いるのは、こうした素晴らしい演奏があるからだという
事がよく解ります。

あとダブとしてこのアルバムを見た場合に、けっして
派手さは無いのですが、ひとつひとつの音がちゃんと
立っている感じがします。
70年代のダブと較べると、熱いダブでは無く
突き放したようなかなり硬質なダブなんですが、
その感覚が気持ちがいいダブです。

1曲目「It's A Shame Version」は、Junior Delgado
の「Price War」のリディムを使用した曲です。
「White Mice」と較べると彼のヴォーカルの少ない分
印象がずいぶん違うのが面白いところです。
曲のスマートさが際立つんですね。

6曲目「Step By Step Version」は、Dennis Brown
のデジタル時代のヒット曲「The Exit」のリディム
が使われているようです。

今回のアルバムではこの80年代後半の「打ち込み」
とダブという取り合わせが、すごく面白い融合を
見せているんですね。
明らかに70年代に作れなかったダブ、そういう
面白いダブに仕上がっています。
80年代の前半からPrince Jammyなどは、そうした
電子音に近いサウンドなどをダブに取り入れ始めて
いるんですが、この80年代後半になると小細工
ではなく自然にこういう電子音を取り入れる事が
当たり前になって来ているのが解ります。
同時により現代に近い音楽に、変わり始めている
んですね。

White Mice - Youth Fighter Version


white mice - school days version


White Mice - I Said No


デジタルのダンスホール・レゲエというと意外と
毛嫌いする人も居るようなんですが、このアルバム
などを聴くとこの時代でも作り手には旺盛なくらい
なイマジネーションがあって、まだまだいろいろな
可能性や魅力は消えていないんですね。

このBasic Replayのセレクトは、他のレゲエ・
レーベルとはちょっと違った視点からのセレクトで、
そこが面白いんですよね。
しかもWackiesやKeith Hudsonのアルバムなど、
レゲエ好きが聴いても納得のセレクトが多いのも
良いところです。
今回のWhite Miceの2枚も、かなり面白いアルバム
だと思いました。

機会があればぜひ聴いてみて下さい。


○アーティスト: White Mice
○アルバム: White Mice Versions
○レーベル: Basic Replay
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2006

○White Mice「White Mice Versions」曲目
1. It's A Shame Version
2. Try A Thing Version
3. Youths Of Today Version
4. Roots Music Version
5. Youth Fighter Version
6. Step By Step Version
7. Tallawah Version
8. Consciousness Version
9. Mr Bossman Version
10. Love Mom & Dad Version
11. School Days Version
12. I Said No Version