今回はDevon Russell & The Cultural Rootsのアルバム

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「Money, Sex & Violence」です。

Devon Russellは60年代から活動するルーツ・シンガー
です。
「Prison Life」など素晴らしいアルバムを残している
わりには、入手できるアルバムが少なくなっている
シンガーです。

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Devon Russell - Prison Life (1983)

The Cultural Rootsは70年代の後半から90年頃まで
活躍したコーラス・グループです。
シンコー・ミュージック刊行の本「Roots Rock Reggae」
によると、

「どんどんダンスホール・スタイルに傾いていく80年代
の初頭に、70年代中盤のディープなハーモニー・スタイル
と当時の旬のサウンドとをうまく調和させた、レアな聴き
心地の名盤を残したグループ。」
(「Roots Rock Reggae」「孝」さんという方の説明文より)

というこのグループの説明文があります。

今回のアルバムはオランダのRunnetherlandsという
レーベルから出ているCDで、そのThe Cultural
RootsにDevon Russellが参加した1990年の
アルバムです。
この後のアルバムもネットで探してみましたが
出て来ないので、おそらくこれがThe Cultural
Rootsとしては最後のアルバムなんじゃないかと
思います。

全17曲で収録時間は60分07秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Vocals: Cultural Wayde 'Jimmy' Dyce, Harold Grandison, Devon Russell
Additional Vocals: Paul Crossdale
Musicians: Fire House Crew
Drums & Percussion: George M. Miller
Bass: Donald 'Jenjman' Dennis
Keyboards: Paul 'Wrong Move' Crossdale
Hornes: Jah Brass

Recorded at Ariwa, Barrington Studios, London, Eng.
Engineered by Mad Professor & Calvin Robinson
All Selections Written by Devon Russell & The Cultural Roots exept 'Solid As A Rock'
Arranged & Produced by Devon Russell & The Cultural Roots (AKA) Fire House Crew

となっています。

バックはFire House Crewが担当しています。
この90年頃になると音楽制作もかなりデジタル化
している時代なので、バックのサウンドもかなり
軽快なリズムになっています。

Devon Russellはやはり別格なヴォーカリストなのか、
グループ名もDevon Russell & The Cultural Roots
となっています。

さて今回のアルバムですが、アルバム・タイトルは
かなり刺激的なタイトルですが(笑)、全体の印象と
しては軽快なリズムに軽快なヴォーカルとコーラスが
乗っているという印象です。
全体にセンスの良いオシャレ感覚のあるアルバムと
いった印象です。
ただそこが問題でこれがガチガチのルーツ・レゲエ
ならばその頑なさを褒めやすいんですが、センスの
良さがイメージを弱くしちゃっている側面もあります。
要するに素直に誉めづらいんですね(笑)。

ただ私自身はこういうセンスの良さは好きです。
何度も繰り返し聴きたくなる軽快さがあります。
そして曲のタイトルをよく見ると「Mandella」や
「Revolution」、「Rasta」などラスタファリズム
に関係するキーワードがけっこう入った曲が多いん
ですね。
一見曲調は軽くても、テーマは社会問題などヘヴィー
な事を歌っているようです。
そういう事をサラッとやっているのがカッコイイ
ですよね。
意外と良いアルバムなんじゃないかと思います。

実はこのアルバム、前にThe Cultural Rootsの
セカンド・アルバム「Drift Away From Evil」に
ついて調べた時に、レゲエレコード・コムで
The Cultural Rootsを検索していて見つけました。

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The Cultural Roots - Drift Away From Evil (1982)

前にこのグループについて調べた時には、あんまり
アルバムが出て来なかったのですが、いつの間にか
入荷していたようです。
そういう事もあるので、時々ルーツ・レゲエなどは
レゲエレコード・コムなどをチェックして、面白い
アルバムが無いか調べています。
大量に入荷したものはニュース的に表示されますが、
少量入ったものなどはチェックしていて見つける事が
たまにあります。
またレゲエレコード・コムの場合、在庫切れのもの
でも「入荷待ち」に登録しておくと、入荷をした時に
メールを送ってくれるので便利です。
ルーツ・レゲエはとにかくあらゆる手段を使って、
小まめに探すのが一番大事です。

こういう良いルーツ・レゲエ・グループが、時代の
流れとはいえ徐々に失速して行って、消えていった
のは本当に残念です。
ただ彼らが輝いていたのは、やっぱりルーツに近い
時代だったことも否定できないんですね。
時代が変われば音楽も変わる、それはやっぱり仕方が
無いんですね。
ただ彼らの輝きだけは、ルーツ・レゲエが好きな
人間としては記憶しておきたいものだと思います。

機会があれば聴いてみてください。

Devon Russell & The Cultural Roots - Money Sex & Violence (1991).wmv


Cultural Roots - Revolution Song



○アーティスト: Devon Russell & The Cultural Roots
○アルバム: Money, Sex & Violence
○レーベル: Runnetherlands
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1990

○Devon Russell & The Cultural Roots「Money, Sex & Violence」曲目
1. Money, Sex & Violence
2. Outlaw
3. Jamming In The Cellblock
4. Mandella Song (Mandella De-Pan Street Again)
5. Revolution Song
6. Solid As A Rock
7. Blame It On Rasta
8. Tan Tan Brown
9. Hoot Nanny
10. Sweetness In Your Life
11. Red Bum Ball
12. Red Bum Ball Dub
13. Bom Dance
14. It's Not The End
15. It's Not The End Dub
16. Roots Man Blues
17. Blame It On Rasta Dub

●今までアップしたCultural Roots関連の記事
〇Cultural Roots「Drift Away From Evil」
〇Cultural Roots「Hell A Go Pop」
●今までアップしたDevon Russell関連の記事
〇Devon Russell「Prison Life」
〇Devon Russell「Roots Music」
〇Soul Revivers「On The Grove」