今回はEarl Sixteenのアルバム

earl_sixteen_02a

「Babylon Walls」です。

Earl Sixteenはルーツの時代から今日まで活躍
するヴォーカリストです。
ルーツの時代にはThe Boris Gardiner Happening
のヴォーカリストとして活躍した事もあり、最近
ではAugustus Pabloの息子Addis Pabloのアルバム
「In My Fathers House」にも参加していたりと、
長きにわたって活躍を続けるヴォーカリストです。

addis_pablo_01a
Addis Pablo - In My Fathers House

Earl Sixteen(アール・シックスティーン)

今回のアルバムはそんなEarl SixteenがAriwa
SoundsのMad Professorのもとで、1992年に
発表したアルバムです。
Mad Professorというとデジタル系のダブを
作り続けた人なんですが、このアルバムも
そういうAriwa Soundsで作られたアルバムの
せいか「デジタル・ルーツ」や「ニュー・
ルーツ」というカテゴリーのアルバムに分類
されているようです。

全12曲で収録時間は45分15秒。
最後の3曲はボーナス・トラックでダブが収録
されています。

バックの参加ミュージシャンは以下。

Drums: Robotiks, Dave Fluxy
Bass: Steel, Leroy Mafia
Synths & Piano: Steel, Leroy Mafia
Guitars: Black Steel
Hrmony Vocals: Earl & Steel

Produced & Mixed by Mad Professor
Recorded Mixed at Ariwa Studios

となっています。

さて今回のアルバムですが、最後のボーナス・
トラックのダブなどを聴くと、多少Earl Sixteen
のヴォーカルが入っているものの、いかにも
Mad Professoのデジタル・ダブという感じです。
ところがこのサウンドに全面的にEarl Sixteenの
ヴォーカルがのると雰囲気がずいぶん変わって、
やっぱりルーツの匂いがするんですね。
このEarl Sixteenという人は根っからのルーツ・
ヴォーカリストなんだなぁと思いました。

英語のWikipediaのバイオグラフィーなどを見ると、
アルバムを発表し始めるのは、ダンスホール期に
入った1981年らしいんですが、この人からは
どうもルーツの匂いがします。
それを裏付けるように今回のアルバムの曲の
タイトルを見ると、「Babylon」や「Rasta」、
「Marcus」など、ラタファリズムに関係した
キーワードが並びます。

90年代に入ってからのアルバムなので、正直な
ところ70年代のルーツ・レゲエの時代とは空気感
が様変わりしている感もあるのですが、それでも
ルーツを貫く姿勢にはある種の清々しさがあります。
「デジタル・ルーツ」のアルバムとしては、悪く
ないアルバムだと思います。

書いたようにこのEarl Sixteenは、今年2014年
に発売されたAddis Pabloのアルバム「In My Fathers
House」の2曲目「Evolution」でも本当に素晴らしい
ヴォーカルを披露しています。
その衰えないルーツ魂に敬意を…。

正直なところルーツ好きの私からすると、ちょっと
時代の空気感が無くなっているのが惜しまれます。
それでもこのEarl Sixteenという人が誠実に歌って
いる姿勢は、ヴォーカリストとして素晴らしいん
ですね。

機会があれば聴いてみてください。

Earl Sixteen - Babylon Walls


Earl Sixteen - Rasta Man



○アーティスト: Earl Sixteen
○アルバム: Babylon Walls
○レーベル: Ariwa Sounds
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1992

○Earl Sixteen「Babylon Walls」曲目
1. Babylon Walls
2. Listen Rasta
3. Freedom Now
4. Rasta Man
5. Marcus
6. A Love That I Can Feel
7. A Woman Got Soul
8. Miss Tulley
9. Children Rise
Bonus Tracks
10. Walls Of Dub
11. Liberty Dub
12. Rising Dub

●今までアップしたEarl Sixteen関連の記事
〇Earl Sixteen「Showcase」
〇Earl Sixteen「Soldier Of Jah Army」
〇Earl Sixteen「Wondrous Works」
〇Earl Cunningham, Earl Sixteen「Earl Cunningham / Shining Star」
〇Riddim Tuffa「Deh Yah」
〇Soul Revivers「On The Grove」