今回はThe Mighty Sparrowのアルバム

mighty_sparrpw_01a

「Hot And Sweet」です。

The Mighty Sparrowはカリプソ界の大御所
ヴォーカリストなんだそうです。

マイティー・スパロウ Mighty Spallow

実は今回この中古CDを買うまでは、The Mighty
Sparrowについてもカリプソについても全くと
いって良いほど知りませんでした。
たまたまレゲエの中古売場にあったので、この
アルバムを買ってみたというのが正直なところ
です。
正直なところカリプソのアルバムという事も
知らないで買ったような状態だったので、まだ
カリプソのノリとかその良さについてなにも
解っていない状態に近いんですよね。

だから正直なところこのアルバムが良いか
悪いかはうまく評価できません。
ただ今回調べてみて、カリプソという音楽に
ついて少し知らなかった事が解ったので、
その事を書いてみようと思います。

まずカリプソというのは「トリニダード・
トバゴのカーニバルで発達した音楽」なんだ
そうです。
カリプソというと「バナナ・ボート」が
有名ですが、この曲は1956年のジャマイカ
系アメリカ人のハリー・ベラフォンテ
(Harry Belafonte)の歌で有名になった曲で、
この頃がカリプソが世界で一番認知された
時代だったそうです。
その後80年代になるとソウルとカリプソ
を合わせたような「ソカ」という音楽に
発展しているんだそうです。

カリプソ (音楽) -Wikipedia

一見ただの民族音楽のように思ってしまう
カリプソですが、実はその歌詞の内容は
政治腐敗を糾弾したものなど、かなり
過激な内容が多いのが特徴なんだとか。
すごく明るく陽気に見えて、実はけっこう
深刻な事を歌っていたんですね。
そのあたりは70年代のルーツ・レゲエ
と共通するものがありますね。

実はレゲエを遡って行くと、66年から
68年までの3年間がロックステディ、
その前が50年代に誕生したスカ、それ
以前はメントという労働歌が主流だった
んですね。
そのメントも社会問題などを風刺した内容
のものもあったようです。
すでにこのメントの時代にレゲエが社会
問題を歌う素地は出来ていたんですね。

また前記のハリー・ベラフォンテの
「バナナ・ボート」も、実はカリプソ
ではなくメントだったんだそうです。
それが当時知られていたカリプソという
音楽という事にしちゃったようなんです
よね。
そのためにカリプソがジャマイカの音楽
という混乱が、未だに起きているようです。

さて話を戻すと、今回のThe Mighty
Sparrowも「カリプソのBob Marley」と
呼ばれるほどの人で、レゲエで言えば
Bob Marley、アメリカのフォークで
言えばBob Dylanのようなクラスの人
なんだそうです。

今回のアルバムはそのThe Mighty
Sparrowの1974年の作品です。

全10曲で収録時間は38分51秒。

ミュージシャンについては以下の
記述があります。

Vocals: The Mighty Sparrow
Arranger, Piano & Bass: Earl Rodney
Guitar: Freddie Harris, Bert Wharwood
Trumpet: Neville Simpson, Benedict Comez
Trombone: Noel Gili
Tenor Saxophone: Dennis Wilkinson, James Smartt
Alto Saxophone: Aidric Prince, Jude Bethel
Drums: Esmond Byam
Cong & Tumba: Kelvin Cook
Percussion: Carlton 'Sarge' Joseph, Malcom Wilson
Timbales: Tony Richard
Vocals: Angela Johnson, Ed Johnson, Rod 'Guba' George, Chester Marong
Orchestra Leader & Keyboards: Asquith Clarke, J.P.

Produced by Andrew Wickham & Van Dyke Parks
Executive Producer: Henrry De Freilas

となっています。

このアルバムの出来の良し悪しに
ついては、門外漢なので何とも
言えません。
久しぶりに違うジャンルの音楽を聴いた
のですが、やっぱり聴き慣れていないと、
その音楽の持つノリがよく解らないん
ですね(笑)。

ただ明るい民族音楽みたいに思っていた
カリプソが、実は政治批判もあるけっこう
辛辣な音楽であるという事が今回調べて
みて解った事は、私にとっては大きな
成果でした。
このカリプソの世界も掘り下げてみれば、
けっこう面白い世界なのかもしれませんね。

機会があれば聴いてみてはどうでしょうか。

Mighty Sparrow - Sparrow Dead


Mighty Sparrow - Memories



○アーティスト: The Mighty Sparrow
○アルバム: Hot And Sweet
○レーベル: Wounded Bird Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1974

○The Mighty Sparrow「Hot And Sweet」曲目
1. Sparrow Dead
2. Chinese Love Affair
3. Jane
4. Maria
5. More Cock
6. Mr. Walker
7. Hello People
8. English Diplomacy
9. Who She Go Cry For
10. Memories