今回はBurning Spearのアルバム

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「Original Living Dub Vol.1」です。

Burning Spearはルーツ・レゲエの時代から
活躍するシンガーです。
彼は一貫してラスタファリズムの信仰心が
篤く、その姿勢から「African Teacher」と
称されるほどの尊敬を集めています。

Burning Spear (バーニング・スピア)

彼の1975年のアルバム「Marcus Garvey」
は、レゲエの定番アルバムとしてあまりにも
有名なアルバムです。
Burning Spearというのは彼Winston Rodneyの
あだ名だったのですが、このアルバムの時だけ
3人組のコーラス・グループの名前にもなって
います。
(そのため私は長い事このBurning Spearという
名前を、コーラス・グループの名前として
憶えていました。)
そのアルバム「Marcus Garvey」は、The Revolutionaries
の攻撃的なミリタント・ビートの代表的な
アルバムであり、美しいコーラス・ワークと
ともにレゲエのもっとも代表的なアルバムと
して多くのレゲエ・リスナーに愛され続けて
きたアルバムでした。

またそのダブである「Garvey's Ghost」は、
私にダブの魅力を教えてくれたアルバムとして、
若かった頃の私の心に深く刻まれたアルバム
でした。

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Burning Spear - Marcus Garvey/Garvey's Ghost (1975)

今回のアルバム「Original Living Dub Vol.1」は、
ネットで調べたところ、もともとは「Living Dub
Vol.1」という名前で1979年に発売された
アルバムのようです。
その前年の78年に発売されたアルバム
「Social Living」がベースとなったダブが収め
られたアルバムのようです。
手に入れたアルバムは2002年に彼自身の
レーベルBurning Spearから発売されたもの
でした。
どうやらジャケットもオリジナルの「Living Dub
Vol.1」として発売された時からは、変わって
いるようです。

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Burning Spear - Social Living

全9曲で収録時間は32分19秒。

ミュージシャンについては以下の記載があります。

Guitar: Chinna Smith, Ranchie McClean, Brinsley Forde, D. Kingsley, Donald Griffiths
Drums: Sly Dunbar, Leroy Horsemouth Wallace, Angus Gaye
Bass: Robbie Shakespeare, Aston Family Man Barrett, George Oban
Keyboards: H. Lindo, L. Harvey, Michael Ibo Cooper, Court ney Hemmings
Hornes: Bobby Ellis, Herman Marquis, Vin Gordon, Richard Dirty Harry Hall,
Rico Rodrigues, Dick Cuthell
Percussion: Winston Rodney, Uziah Sticky Thompson

Recorded at Harry J Studio
Engineer: Sylvan Morris at Compass Point Studios, Nassau, Bahamas
Mixed at Compass Point by Karl Pitterson and Benji Armbrister
Produced and Distributed by Burning Music Production
Arranged and Written by Winston Rodney
Published by Burning Spear Production

となっています。

すでに書きましたがWinston Rodneyというのは
Burning Spearの本名です。
プロデュースやアレンジなどはすべてこの
Burning Spearが担当していて、さらに
パーカッションにも参加しています。

Chinna SmithにSly & Robbieなどこの時代の一流
ミュージシャンの
った布陣です。
面白いところではUKレゲエのグループAswadの
Brinsley Fordeがギターで参加しています。
Aswadは80年代の初めに2枚のアルバムを
メジャー・レーベルのColumbia Records(CBS)から
発売しているのですが、その紹介者がこの
Burning Spearだったそうです。
もしかしたらこうしたレコーディングの縁で、
Burning Spearが紹介してくれたのかもしれ
ません。

「Social Living」の方も調べてみましたが、
レコーディング・メンバーはほぼ一致して
いました。
「Social Living」のダブという事で間違いは
なさそうです。

エンジニアに名前のあるSylvan Morrisは
通称Dub SpecialistとしてStudio Oneのダブを
作った人としてよく知られています。
ただ今回はミックスのところにKarl Pittersonと
Benji Armbristerという名前があるのでダブの
ミックスはそちらが担当しているのかもしれ
ません。
ちょっとダブのサウンドが、Dub Specialist
らしくない気がします。

さて今回はBurning Spearのダブ・アルバムですが、
彼のダブという事で真っ先に思い出すアルバムは、
やっぱり「Garvey's Ghost」という事になります。
この「Garvey's Ghost」というダブはダブの代表的な
アルバムとしてよく知られているアルバムなのですが、
真夏の暑い夜にヒンヤリ凍りつくような不思議な
感覚のあるダブです。
おそらくレゲエの歴史の中でも、特に重要なダブ
のひとつではないかと思います。
彼Burning Spearのディスコ・グラフィーの中でも
このJack Rubyのプロデュースした「Marcus Garvey」と
そのダブ「Garvey's Ghost」は、彼の作品の中でも
突出した魅力を放っている作品なんですね。
他のアルバムが悪いという事ではなくて、多くの
良いアルバムを作っていた時期の中でも、ミュージシャン
や空気や全てが揃ったある種「神がかり的なアルバム」
なんですね。

それに較べてしまうと今回のダブ・アルバムは
そこまでの凄味はさすがにないのですが、ある意味
彼Burning Spearの人間味の出たアルバムと言える
かもしれません。
かなり脳ミソが揺さぶられる感覚のある強力なダブ
である事は間違いありません。

実はこの「Living Dubシリーズ」はもっと後の時代に
作られたダブだと思っていました。
何故かというと、このシリーズに使われている
Burning Spearの写真がけっこう歳をとってからの
ものが使われているんですね(笑)。
おそらく彼のレーベルBurning Spearからアルバム
を出す時にジャケットを差し替えた時の絵柄なのかな
という気がします。
歳をとってからの写真が使われていたので、もっと
後のアルバムと勘違いしていたんですよね。

ある意味この人の場合、頑固一徹(笑)みたいな
ところがあって、音が大きく変わらないので今回
調べるまで70年代に作られたアルバムとは思い
ませんでした。
70年代に作られたにしては、けっこうモダンな
サウンドのアルバムという気がします。

この人はラスタファリズムと70年代のルーツ・
レゲエに非常なこだわりを持った人ですが、この
ダブにもルーツ特有のドープ感があり、そこがこの
アルバムのなかなか面白いところではないかと思い
ます。

機会があれば聴いてみてください。

Children Of Today


Burning Spear ♬ All Over (1979)



○アーティスト: Burning Spear
○アルバム: Original Living Dub Vol.1
○レーベル: Burning Spear
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1979

○Burning Spear「Original Living Dub Vol.1」曲目
1. Children Of Today
2. Present
3. Associate
4. Jah Boto
5. In Those Days
6. Irie Niya Keith
7. Help Us
8. Musiya
9. All Over