今回はSheriff Lindo And The Hummerのアルバム

sheriff_lindo_01a

「Ten Dubs That Shook The World」です。

Sheriff Lindoはネットの情報によると、オーストラリア
在住ののKing TubbyやMad Professorなどが好きなダブ・
マニアの、Anthony Maherという人なんだそうです。
そのSheriff Lindoが地元オーストラリアの実験音楽集団
Loop Orchestraの協力を得て、1981年から88年まで
に作ったダブを集めたのが、88年に発表されたアルバム
「Ten Dubs That Shook The World」なんだそうです。
「世界を揺るがした十のダブ」というのが今回のアルバム
のタイトルですが、オリジナルは全8曲で、当時は販売
手段を持っていなかった為にわずか250枚だけプレス
されただけだったという、超レア盤だったようです。

全13曲で収録時間は69分14秒。
オリジナルは8曲で、9曲目以降の5曲はCDボーナス・
トラック。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Original vinyl artwork & design by John Blades
Artwork by Andrew Maynard, cocept & design by Ingrid Van Dorssen
Cover consept & design by Andrew Maynard / Anthony Maher
Re-mastered & re-scrubbed by The Conquering Lion Oscar Gaona at301

All Compositions: Anthony Maher
ALoop Orchestra Production for Endless Recordings

となっています。

表ジャケの折りたたんだ内側には、曲目が書いてある
欄があるのですが、その6曲目「Dread-Ging The River」
の下に「Melodica: Annette」、7曲目「And On The
Seventh Day ...Dub」の下には「Piano: Annette」、
さらに8曲目「Eastern Bloc」の下には「Percussion:
Raf」と「Melodica: Annette」という記述があります。
ほかにはミュージシャンらしい記述は見つかりません。

さて今回のアルバムですが、オーストラリアのダブ・
マニアが作ったアルバムという事で、正直なところ
どう評価して良いか非常に迷うアルバムです。
ダブとしては非常に面白いダブである反面、レゲエと
いう視点から見るとレゲエ感は非常に薄いアルバム
なんですね。
どちらかというとニュー・ウェーヴか何かの、現代風
な音楽を聴いている感じに近いんですね(笑)。
一言でいえばダブではあるけれどもあまりレゲエでは
ない、そういう音楽なんですね。

レゲエレコード・コムのこのアルバム評に次のような
ことが書かれていました。

「元々完成した楽曲を再び崩していく形で生まれた
ダブとは違った、最初からダブを構築していく形で
自由な発想とセンスが物を言うやり方で見事な音の
世界を作り出した作品。」

この言葉はこのアルバムの作り方をよく捉えている
と思います。
レゲエのダブというのはもともとあった楽曲から、
歌とか楽器の一部を除いて、再びある違和感を持った
音楽を再構築していく音楽なのに対して、今回の
アルバムの作り方は一からダブをひとつひとつ
組み上げて行くような作り方をしているんですね。
その為かかなりシッカリした骨組みが最初に作られて
いるような、かなりガシっとしたサウンドになって
いるんですね。

今回のアルバムはdisk unionのサイトには「宅録
ロッカーズのベッド・ルーム・ダブ・ワイズ」と
書かれていました。
この88年にもうすでに自宅で制作を始めている
というのは、かなり時代を先取りしていたことは
間違いないでしょう。
音楽の質もダブという観点から見れば、なかなか
面白いサウンドを作り上げていると思います。
ネットの情報を見ると、彼に影響を与えたのは
King TubbyやMad Professor、それにAdrian Sherwood
とのことですが、やはりMad Professorあたりの
サウンドが彼に一番近いんじゃないですかね。
Mad Professor自身ももともとはKing Tubbyの
レコード・コレクターだったという経歴がある
せいか、ダブの作り方も含めて似ているところが
ある気がします。

今回のSheriff LindoやMad Professor、Dennis Bovell
というジャマイカ人でない人が作るダブは、レゲエ
のダブとはちょっと違うテイストのサウンドなのが
特徴的です。
ただこういう人たちもダブという音楽を作ることで、
ダブという音楽がより発展していったのも否定
できない事実です。
ある意味ダブというスタイルが変わって来てしまった
面もあるけれど、それがより幅広い概念に変えたと
いう側面もあります。

正直レゲエ好きというよりは、ダブ好きにおススメの
アルバムです。
機会があれば聴いてみてください。

Sheriff Lindo And The Hammer - Ten Dubs That Shook The World - Fatal Dub


Sheriff Lindo And The Hammer - Ten Dubs That Shook The World - Sky Dubbing



○アーティスト: Sheriff Lindo And The Hummer
○アルバム: Ten Dubs That Shook The World
○レーベル: Endless Recordings
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1988

○Sheriff Lindo And The Hummer「Ten Dubs That Shook The World」曲目
1. Dub House Of Horrors
2. ! (Dub)
3. Grossly Overweight Dub
4. Fatal Dub
5. Dub Express
6. Dread-Ging The River - Melodica: Annette
7. And On The Seventh Day ...Dub - Piano: Annette
8. Eastern Bloc - Percussion: Raf, Melodica: Annette
Bonus Tracks
9. Sky Dubbing
10. New Roots
11. Delicate Dub
12. Rolla
13. Bush Chant