今回はのアルバム

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「Glory To The King」です。

Icho Candyはシンコー・ミュージック刊行の本
「Roots Rock Reggae」のこのアルバムについての
解説文によると、

「アイチョ・キャンディことウィンストン・
エヴァンスは、80年代からオーガスタス・
パブロやプリンス・ジャズボのもとで歌っていた
シンガー。」
(シンコー・ミュージック「Roots Rock Reggae」
の「孝」さんという方の文章より)

という記述があります。

残念ながらそれ以上の事は、ネットで調べて
みましたが解りませんでした。

今回のアルバムはそのIcho Candyの1993年の
作品で、Jah Shakaのもとで作られたアルバムです。
80年代から活動していたIcho Candyですが、
「Roots Rock Reggae」の解説文によると「この人
の歌をアルバム・サイズで聴けるのも初。」という
文章があるので、活動をしていたもののアルバム
を出すまでには至らなかったようです。
記述が正しければ彼のファースト・アルバムと
いう事らしいです。

ちなみに英語の彼のWikipediaには90年に
Black Starというレーベルから「Devils High」
というアルバムを出しているという事が書いて
ありましたが、「Icho Candy Devils High」で
検索してもアルバムが出てきませんでした。
仮にそのアルバムがあったとしても、もう1枚
Jah Shakaからこのダブ・ヴァージョンのアルバム
「Dub Salute 2」というアルバムを出している
ぐらいで、かなり作品数の少ないアーティスト
のようです。

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Jah Shaka - Dub Salute 2: Featuring Icho Candy (1994)

Jah Shaka (ジャー・シャカ)

全10曲で収録時間は38分27秒。

バックはFirehouse Crewが担当していて、
ミュージシャンについては以下の記載が
あります。

Composed, Arranged & Produced by Jah Shaka

Players Of Instruments: Firehouse Crew
Bass: Donald Dennis
Drums: Melburn Miller
Piano: Paul Crossdale
Percussion: Melburn Miller
Vocal Harmonies on 'Rastafari': Jah Shaka

All Song Written by Jah Shaka
Recorded, Mixed & Voiced at Music Works Studio
Engineer: Marshall
Cover Design: Jah Shaka

となっています。

作曲、アレンジ、プロデュースにコーラスまで
Jah Shakaが担当しています。
Jah Shakaもかなり力の入ったアルバムだったん
じゃないでしょうか。
この90年代になると打ち込みが中心になる
ためか、バックもベースにドラムにピアノに
パーカッションとかなりシンプルになって
きます。

今回あらためてこのアルバムを聴き返して
みてあらためて思ったんですが、確かに
サウンドは打ち込みだしかなりダンスホール・
レゲエの影響も感じられるんですが、
サウンドの根底にやっぱり「ルーツ」の
匂いが残っているサウンドなんですね。
そのせいかルーツ好きの私などは、けっこう
聴き易いアルバムでした。
ルーツにこだわりを持ったJah Shakaという
人とIcho Candyという人の志向がうまく
かみ合っているんですね。

Icho Candyというシンガーもなかなか魅力的
なシンガーだと思います。
なぜこの人がそれまでシングルのみのリリース
で、アルバムが無かったのか?ちょっと不思議
な気がしました。
当時のジャマイカは優秀なシンガーが多く
かなりの過当競争の世界だったのかもしれ
ませんね。
そういう恵まれないシンガーだったIcho CandyをJ
ah Shakaが認めていて、声をかけたという事だった
のかもしれません。

Jah Shakaの作りだすルーツと初期のダンスホール
の入り混じったような音楽世界に、このIcho Candy
のヴォーカル・スタイルがとてもマッチしていて、
かなり魅力的なアルバムになっています。

このアルバムはニュー・ルーツが好きな人は
もちろんですが、ルーツ・レゲエが好きな人や
初期のダンスホール・レゲエが好きな人も
とても楽しめるアルバムだと思います。

機会があれば聴いてみてください。

Icho Candy Glory to The King [jah-shaka-music]


Icho Candy meets Jah Shaka - Have No Fear



○アーティスト: Icho Candy
○アルバム: Glory To The King
○レーベル: Jah Shaka
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年:

○Icho Candy「Glory To The King」曲目
1. Glory To The King
2. Everyman Have A Talent
3. Rastafari
4. Love Is The Key
5. Reggae Music
6. Africa
7. Economic Crisis
8. Why
9. Revelation Time
10. Have No Fear

●今までアップしたJah Shaka関連の記事
〇Jah Shaka, Mad Professor「Jah Shaka Meets Mad Professor At Ariwa Sounds」
〇Jah Shaka「Dub Salute 1: Featuring Horace Andy」
〇Jah Shaka「Dub Salute 2: Featuring Icho Candy」
〇Jah Shaka「Jah Shaka Presents The Positive Message」
〇Jah Shaka「New Testaments Of Dub Chapter 2」
〇Jah Shaka「New Testaments Of Dub Pt.1」
〇Mad Professor & Jah Shaka「New Decade Of Dub +5」