今回はSteely & Clevieのアルバム

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「Present Soundboy Clash」です。

Steely & ClevieはWycliffe 'Steely' Johnson
とCleveland 'Clevie' Browneの二人組のユニット
です。
もともとジャマイカでミュージシャンとして
活躍していた二人だったのですが、80年代の
半ばにPrince JammyのプロデュースしたWayne Smith
の「Under Me Sleng Teng」で「Sleng Teng」ブーム
が起きるんですね。
これはジャマイカでコンピュータを使った曲の
初めてのヒットでした。
それを機にジャマイカではコンピュータを使って
作った曲が、一気に主流になって行くんですね。
それが「デジタル革命」「コンピューター・ライズド」
と呼ばれる大ブームです。

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Wayne Smith - Under Me Sleng Teng

そのヒットを機にPrince Jammy→King Jammyと
改名し、このブームを牽引していきます。
その時にこのKing Jammyを助けて次々と
コンピューター・ライズドのヒット曲を
作ったのが、このSteely & Clevieでした。
そののちに独立し、自らのレーベル「Steely & Clevie」
を作って、曲の制作からプロデュースまで
行っています。

Steely & Clevie (スティーリー・アンド・クリーヴィー)

いわばKing Jammyとともにジャマイカの音楽史を
塗り替えたのがこの二人、Steely & Clevieだった
んですね。

今回のアルバムは1991年にリリースされた
そのSteely & Clevieのコンピュレーション・
アルバムです。
彼らがプロデュースしたアーティストの曲が
収められています。

全11曲で収録時間は43分28秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Produced By Steely & Clevie
Executive Producer: Murray Elias
Engineered By Collin Solly, Lynford 'Fatta' Marshall, Steely
Assistant Engineer: Collin York
Recorded And Mixed At Mixing Lab Studio, And CRS Studio

Musicians:
Keyboards, Synth Bass: Wycliffe 'Steely' Johnson
Drums, Percussion: Cleveland 'Clevie' Browne
Guitar: Dalton Browne
Mastered By Howie Weinberg, Masterdisk, NY
Art Direction: Dave Brubaker
Illustration: Bob Tillery, Hungry Dog Studios, Atlanta, GA

となっています。

このデジタルの時代になると、演奏者の数が少なく
なって来るんですね。
今回のアルバムに載っているのはSteely & Clevieと
Dalton Browneの3人のみ、その分複数の楽器を演奏
しています。
このデジタルの時代になるとこのように少人数で
曲がどんどん出来るようになって、音楽制作が効率化
して大量に曲が作れるようになって行くんですが、
反面今まで演奏者として職を得ていた人には相当の
余波があったと思います。

この80年代から90年代というのは、いろいろな
産業でコンピュータ化が一気に進んだ時代ったん
ですね。
その為今まで「経験」がものをいっていた社会が、
重要視されていた「経験」が役に立たなくなった時代
だったんですね。
人間の歴史というものは、人間が機械に負け続けた
歴史という見方も出来ますが、特にこの時代は機械に
一気にヤラレた時代だったんですね(苦笑)。
ただその功罪はいろいろあると思いますが、それに
よって社会が活性化、効率化した一面は否定できません。

このジャマイカの音楽業界もコンピューター・
ライズドによって、新しい時代、新しい音楽を切り
開いたという一面もあったんですね。
良い悪いは別にして一度コンピューター・ライズド
の時代になってしまえば、もうコンピュータを
使わないで音楽を作っていた時代には戻れないん
ですね。
例えそれで失われるものがあったとしても…。

さて今回のアルバムですが、私のように70年代の
ルーツ・レゲエが大好きで、そのあたりの音を中心に
聴いている人間にとっては、面白さはイマイチかなぁ
というのが正直なところです(笑)。
ただレゲエがこういう進化を遂げたという事までは
否定しません。
好き嫌いはあるでしょうが、わずか20年ぐらいの
時間の間にルーツ・レゲエからこうしたデジタルの
ダンスホール・レゲエにまで進化していったという
事は、やはり驚異的な進化なんですよね。

むしろこの音が今聴いても古びていない事の方が問題
で、そこまでの進化のスピードに対してその後があまり
進化していないように見えてしまうのが残念なところ
です。
けっこう今でも普通に聴けちゃいそうな音なんですよね。
70年代から急激に進化していったレゲエは、不思議と
この90年代ぐらいから進化のスピードが止まるんです
よね。
むしろもっとルーツ・レゲエからかなり遠いところまで
進化して欲しいものです。

このアルバムは80年代のデジタルのダンスホール・
レゲエで活躍したSteely & Clevieを知るには、悪く
ないアルバムだと思います。

機会があれば聴いてみてください。

General Degree Ft Major Bones - Reggae Rub-A-Dub Rock {JAMMY'$} (Sleng Teng Riddim)


Penny Irie - Bow Cat List



○アーティスト: Steely & Clevie
○アルバム: Present Soundboy Clash
○レーベル: Profile Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1991

○Steely & Clevie「Present Soundboy Clash」曲目
1. Reggae Rub A Dub Rock - General Degree & Major Bones
2. Why - Suzanne Couch
3. Bow Cat List - Penny Irie
4. Why (Combination Stylee) - Suzanne Couch & Captain Barkey
5. Do The Poco - Captain Barkey
6. Sunshine - Red Rose
7. Get Up And Come - Daddy Lilly
8. Fight Back - Johnny P
9. 'Matic - Wickerman
10. Unfaithful To I - Coco Tea
11. How Dem A Go Manage - Bionic Steve