今回はCoco Teaのアルバム

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「Weh Dem A Go Do...Can't Stop Coco Tea」です。

Coco Teaはレゲエレコード・コムの彼の紹介ページ
によると、十代前半で数曲の作品を残したものの
うまくいかず、一時は漁師や騎手として生計を
立てていた事もあったそうですが、Volcanoレーベル
のHenry "Junjo" Lawesの元で「Lost My Sonia」や
「Rocking Dolly」のヒットを放ち、トップ・
アーティストの仲間入りを果たした人なんだそうです。

Cocoa Tea (ココ・ティー)

今回のアルバムはそのVolcanoレーベルのHenry
"Junjo" Lawesの元の1984年の作品です。
英語のWikipediaなどを見ると、それ以前の
アルバムが載っていないので、実質的な彼の
デビュー・アルバムのようです。
なおページによってはアルバムの制作年が
1985年となっていましたが、アルバムのバック
がRoots RadicsやHigh Times Bandなどの生演奏の
バンドだったので、デジタルになる前の1984年
と判断しました。

ちなみにこのCoco Teaですが、のちにCocoa Teaと
表記を変えているようです。
そのせいかレゲエレコード・コムでは表記を
Cocoa Teaで統一していました。
アルバム検索をする時に表記が違うと別人に
なっちゃいますからね(笑)。

全10曲で収録時間は33分44秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Produced by: Henry "Junjo" Lawes
Backed by: Roots Radics, High Times
Recorded at: Channel One Recording Studio
Recording Engineers: Soldgie, Scientist
Mixed by: Harry J
Mixing Engineer: Sylvan Morris

となっています。

残念ながらRoots RadicsやHigh Times Bandの
細かいメンバーの表記はありません。

レコーディング・エンジニアにSoldgieと
Scientist、ミックス・エンジニアにSylvan
Morrisの名前があります。
Sylvan Morrisは別名Dub Specialistとして、
Studio Oneのダブを作った人として知られて
います。

さて今回のアルバムですが、実はそんなに期待
して買ったアルバムではありませんでした。
アルバムの裏面を見たらHenry "Junjo" Lawesと
Roots Radicsの名前があったので、初期のダンス
ホールものとして押さえておくかぁぐらいの軽い
気持ちで買ったアルバムでした。
ところが聴いてみたら、これがけっこう良い
アルバムなんですね(笑)。

やっぱりこの初期のダンスホール・レゲエの
時代のRoots RadicsやHigh Times Bandの演奏
も、この時代の空気感があって素晴らしいん
ですが、何といっても素晴らしいのはCoco Tea
のヴォーカル力なんですね。
歌に力があって、普通に聴いていても胸が
ジンとしてしまうくらい、魅力的で素晴らしい
ヴォーカルなんですね。

レゲエというのは歌のうまい人が多い世界
ですが、まさにこれほど聴けば解るという
素晴らしいヴォーカルに出会うのは稀な
事です。
おそらくこのアルバムには彼の並々ならぬ
思いがこめられているのでしょう。
このアルバムを聴くと、彼がその後トップ・
アーティストとして活躍したのが解る気が
しました。

1曲目彼のヒット曲の「Rocking Dolly」は、
Studio Oneのロックステディのヒット・リディム
「Real Rock」です。

Real Rock (リアル・ロック)

2曲目「Informer」は、タイトルからSugar Minott
の曲かと思ったらどうも違う…。
Riddimguideで調べたら「Oo Wee Baby」リディム
というのが出て来ましたが、イマイチよく解り
ませんでした。

3曲目「Jah Made Them That Way」は、Studio Oneの
クラシック・リディムとして名高い「Answer」。

Answer (アンサー)

4曲目「Evening Time」はクラシック・リディムの
「Shank I Sheck」が使われています。

5曲目「Can't Stop Cocoa Tea」は、ロックステディ
時代のファウンデーション・リディム「Heavenless 」。

6曲目「Lost My Sonia」は、彼の初期のヒット曲の
ようです。
この曲にはAlton Ellisのロックステディのヒット曲
「Mad Mad」のリディムが使われているようです。

Mad Mad/Diseases (マッド・マッド/ディジーゼズ)

7曲目「I'm Wanted」は、「Conqueror」という
リディムが使われているようです。

9曲目「On Top Of The World」は、Riddimguideでは
「Twin City」というリディムと出て来ましたが、
よく解りませんでした。
ただこの曲はあの超有名ポップ・グループTheCarpenters
の超有名曲「Top Of The World」のリズムです(笑)。

こうして見てくるとけっこうクラック・リディムが
多いんですが、1曲1曲を丁寧に歌っている彼の
歌唱に好感が持てます。
そしてこの80年代前半のダンスホール・レゲエの
持つ空気感がとても良いです。
それほど期待して買ったアルバムでは無かったん
ですが、内容的には本当に良かったです。

初期のダンスホール・レゲエの好きな人には
ツボのアルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。

COCA TEA - ROCKING DOLLY


COCOA TEA - Lost My Sonia



○アーティスト: Coco Tea
○アルバム: Weh Dem A Go Do...Can't Stop Coco Tea
○レーベル: VP
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1984

○Coco Tea「Weh Dem A Go Do...Can't Stop Coco Tea」曲目
1. Rocking Dolly
2. Informer
3. Jah Made Them That Way
4. Evening Time
5. Can't Stop Cocoa Tea
6. Lost My Sonia
7. I'm Wanted
8. I'm Going Home
9. On Top Of The World
10. Chalice Nuh Fi Ramp With