今回はKing Kongのアルバム

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「Trouble Again」です。

King Kongは80年代に活躍したダンスホール・
シンガーのようです。

今回のアルバムはそのKing Kongの1986年
の作品のです。

全13曲で収録時間は44分06秒。

バックのミュージシャンとしてSteely & Clevie
とSuper Power All Starsというバンドの名前が
あります。

プロデュースとアレンジはKing Jammyです。

もうこの時代になると「Sleng Teng」の大ヒット
で「デジタル革命」が起こり、King Jammyが
プロデューサーとして君臨したコンピューター・
ライズドの時代になって来るんですね。
ミュージシャンも様変わりして、打ち込みの音楽
を作れるSteely & Clevieなどが中心になって
来ます。

この80年代に入るとパソコンもかなり実用化
して来て、人々の生活や仕事にパソコンが入り
込んで来るんですね。
例えばこの86年にAdobeのPage Makerという
ソフトが誕生して、DTP(Desktop Pablishing)
という言葉が誕生しています。
印刷業界などもこのあたりから従来の手作業に
変わって、パソコンで製販作業をするという
事が始まっているんですね。
音楽業界でもDTM(Desktop Music)が本格化
したのがこの80年代だったのだと思います。

つまり今まで手作業の演奏だったのが、機械で
音が作れてしまうようになっていったのが、
この時代だったんですね。
ある意味人間の歴史というのは、人間が機械に
負け続けた歴史という事が出来るのかもしれません。
この音楽の世界でも、機械化して効率的に音楽が
生産できるようになるんですね。
もちろんそれで失ったものがたくさんあったと
思います。
ただそれはもう良い悪いでは無いんですね。

さて今回のアルバムですが、そのコンピューター・
ライズドのサウンドに乗せた「アウト・オブ・キー
の使い手」King Kongのヴォーカルが冴えわたって
います。
ルーツ好きの私からするとこの時代のダンスホール
の音というのは、バックになにがしかの物足りなさ
を感じるものなのですが、今回のアルバムに関しては
このKing Kongのヴォーカル力が効いているのか
あまり不足は感じませんでした。
むしろ彼の歌いまわしはカッコイイ!と思ったほど
でした。

ちなみに「アウト・オブ・キー」というのはこの
80年代に流行った歌唱法で、わざとキーをハズして
歌う歌い方の事です。
想像ですが、このコンピューターライズドの時代に
なると、まだパソコンの技術が未熟な事もあって、
生演奏よりも音が平板になっちゃうところがあった
んだと思います。
そういう欠点を埋め合わせる為に生み出された
歌唱法なんじゃないかと思います。
やっぱりKing Kongはその使い手というだけあって、
バックの音の不足を感じさせないところはサスガです。

3曲目「Follow Me」はポップスのヒット曲Mungo Jerry
の「In The Summertime」のリディムが使われています。
そんな遊び心もちょっと面白いです。

king kong follow me


おそらくこの時代のKing Jammyのプロデュース作品
の中でもかなり良いアルバムなんじゃないかと
思います。
彼の音楽センスの素晴らしさがよく出ている気が
しました。

このアルバムは80年代のダンスホール・レゲエの
アルバムとして、よく出来たアルバムだと思います。
ダンスホール・レゲエが好きな人は、けっこうツボな
アルバムなんじゃないでしょうか。

機会があれば聴いてみて下さい。

King Kong - Jungle Man (No Warrior Riddim)



○アーティスト: King Kong
○アルバム: Trouble Again
○レーベル: Greensleeves
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1986

○King Kong「Trouble Again」曲目
1. Mush It Up Already
2. More Insane
3. Follow Me
4. Mix Up
5. Sweet And Tender Love
6. Trouble Again
7. Jungle Man
8. I Don't Know
9. Legal
10. Emmanuel Road
11. Move To The Top
12. Paro Them Paro
13. Paranoia

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