今回はMighty Diamondsのアルバム

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「Get Ready」です。

Mighty Diamondsは70年代のルーツ・レゲエの
時代から活躍するレゲエ・コーラス・グループです。
リード・ボーカルのDonald 'Tabby' Shaw、コーラス
のLloyd 'Judge' FergusonとFitzroy 'Bunny' Shaw
の3人組コーラス・グループで、晩年に至るまで
メンバー・チェンジもなくやってきた、レゲエでは
稀有なグループです。

あまりにも美しいそのコーラス・ワークは、他の
コーラス・グループと較べても別次元の輝きを
誇っていたのが、このMighty Diamondsだったん
ですね。
ルーツ・レゲエの時代はThe Revolutionariesを
バックに美しいコーラスを聴かせ、80年代の
ダンスホール・レゲエの時代も変わる事なく活躍
を続け、さらには2007年には自身のセルフ・
カヴァーをアコースティックで歌う、Chinna Smith
などがバックを務める「Inna De Yardシリーズ」
でも素晴らしい歌声を披露しています。

Mighty Diamonds (マイティ・ダイアモンズ)

今回のアルバムはデジタルのダンスホール・
レゲエ、コンピューター・ライズドのブーム
真っ盛りの1988年に、Music Worksの
Augustus 'Gussie' Clakeのプロデュースで
作られたアルバムです。

全10曲で収録時間は40分36秒。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Recorded at Dynamic Sounds Recording Studio & Music Works Recording Studio
All Tracks Mixed by Steven Stanley at Music Works Studio
Engineered by Steven Stanley
Assistant: Courtney, Michael Small

Bass: Robbie Lyn, Danny Browne
Drums: Sly Dunbar, Robbie Lyn, Steve Browne
Guitars: Willie Lindo, Dwight Pinckney, Dalton Browne, Robbie Lyn
Hornes: Dean Fraser, Dave Madden, Nambo Robinson
All Synths Programmed by Robbie Lyn
Special Thanks to: Michael Bennett & Dwight Pinckney

Produced by Augustus 'Gussie' Clarke for Music Works Records & Tapes

となっています。

やはり際立つのはベース、ドラム、ギターに
シンセのプログラミングと多くの楽器に
関わっているRobbie Lynの器用さです。
この「デジタル革命」以降になると、一人で
何役もこなす器用さがミュージシャンに
求められるようになって行くんですね。
一芸に秀でたスペシャリストが揃っていた
70年代のルーツ・レゲエの時代とは
様変わりした感があります。

70年代のドラムやベースのリズム隊に
管楽器まで揃えた重厚なサウンドと較べると、
多少音が薄っぺらでチープになった感も
ありますが、その分少人数でコスト削減に
もなり、デジタル機材で簡単に作れるので
その分曲の量産化が可能になったという
メリットもあったようです。
要するに良い面と悪い面との両面があった
という事なんですね。

この80年代から90年代頃というのは、
音楽業界に限らず一般社会でも一気に
デジタル化が進んでいった時代でした。
それまで手作業でやっていた事を、
コンピューター上で処理する事が一般的
になって行ったんですね。
それまで「経験」というものが幅を
効かせていた時代だったのが、そういうもの
が一気に役に立たないものだとされた時代
だったんですね。

ちょっと話がそれましたが、そうした
デジタルを使った音楽制作が一般的になり
つつあった時代に作られた今回のアルバム
ですが、それでもこのMighty Diamondsは
変わらぬ素晴らしい歌声を披露してくれて
います。
ルーツの時代から素晴らしいコーラス・ワーク
がウリのこのグループですが、ルーツ期の
シリアスでコンシャスのなテーマが歌われる
事が多かった時代から、ダンスホールの恋愛や
スラックネスが話題の中心の時代になって、
ある意味余計にその美しいコーラス・ワークが
より生きる時代になったと言えるかも
しれません。
もちろんルーツ期からのラスタファリズムに
関係した歌も歌っているようですが、やっぱり
時代に合わせたのかラヴ・ソング系の歌が多く
アルバムには収められているようです。
そういう歌を歌ってもこのMighty Diamonds
はすごく似合うんですね。

70年代のルーツ・レゲエの時代にはChannel
OneでThe Revolutionariesの攻撃的なミリタント・
ビートに乗せて数々の素晴らしいアルバムを
残したMighty Diamondsですが、80年代の
ダンスホール・レゲエの時代にはこの
Augustus 'Gussie' ClarkeのMusic Worksに
素晴らしいアルバムを多く残しているようです。
やはり人を圧倒するようなコーラス・ワークは、
この時代でも健在です。
タイトル曲「Get Ready」をはじめ好曲が揃った
1枚だと思います。

ただ敢えて言えば、やっぱりの70年代の
The Revolutionariesをバックにして歌っていた
時代は、やっぱり異常なほどに凄かったんですね。
もちろんラヴ・ソングを歌ってもすごく似合う
グループなんですが、ルーツ期に「マフィアの
くそ野郎!失せろ!」とか「俺には屋根が必要
なんだ」とか歌っていた時代の彼らの輝きを
知っていると、やっぱりそっちの方がより魅力的
に見えちゃうんですね(笑)。
そのせいかネットで今回のアルバム評を探して
みても意外と少ないし、2002年刊行の本
「Roots Rock Reggae」などを見ても取り上げて
いるアルバムはルーツ期のものばかりなんです
よね。

ある意味あまりにもルーツ期がスゴ過ぎて、この
ダンスホール期のアルバムが見過ごされがちに
なっているグループなのかもしれません。
まあバックがThe Revolutionariesというのは
相当なプラスアルファでしたが(笑)、それでも
この時代の彼らの活躍も聴いて損はないと思い
ます。
やっぱりこの時代でも彼らのコーラス・ワークは
他を寄せ付けないものがあります。

機会があれば聴いてみてください。

Mighty Diamonds - Sensemilla



○アーティスト: Mighty Diamonds
○アルバム: Get Ready
○レーベル: Greensleeves Records
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1988

○Mighty Diamonds「Get Ready」曲目
1. Schoolmate
2. Another Day Another Raid
3. Tonight I'm Gonna Take It Easy
4. Idler's Corner
5. Cannot Say You Didn't Know
6. Sensemilla
7. My Baby
8. Get Ready
9. Up Front
10. Modeller

●今までアップしたMighty Diamonds関連の記事
〇Mighty Diamonds「...Tell Me What's Wrong」
〇Mighty Diamonds「Deeper Roots (Back To The Channel)」
〇Mighty Diamonds「Go Seek Your Rights」
〇Mighty Diamonds「Ice On Fire」
〇Mighty Diamonds「Inna De Yard」
〇Mighty Diamonds「Planet Earth & Planet Mars Dub」
〇Mighty Diamonds「Right Time」
〇Mighty Diamonds「Stand Up To Your Judgement」
〇Mighty Diamonds「The Roots Is There」
〇Mighty Diamonds「When The Right Time Come I Need A Roof」