今回はVarious(オムニバス)もののアルバム

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「Golden Rockers」です。

今回のアルバムは1990年ぐらいにClocktower
レーベルから出された、ロックステディ期から
初期レゲエの時期までの音源を集めた作品集です。
手に入れたのはフランスのBlue Moonというレーベル
から出ていたCDでした。

このアルバム元はClocktowerから出ているアルバム
にしては、比較的音質は良いです。
Clocktowerというと気になるポツポツ音がよく
入っているのですが、今回は最後の曲Cornell Campbell
の「Queen Of The Minstrel」にちょっとポツポツ音が
確認できたぐらいでした。
まあ最後にちゃんとポツポツ音が入っているのも、
やっぱりClocktower!といったところです(笑)。

全12曲で収録時間は37分33秒。

詳細なミュージシャンの表記はありません。

Produced by Bunny Lee for Clocktower Records
Executive Producer: Brad Osborne

という記述があっただけでした。

この記述から見るとBunny LeeがClocktowerレーベルの
主催者Brad Osborneに売った音源のようです。
元はいわゆる「Bunny Lee音源」と思われます。
このClocktowerレーベルはアメリカのレーベルらしいの
ですが、Bunny LeeはこのBrad Osborneと仲が良かった
ようで、このBrad Osborneにたびたび音源を提供して
います。

バックのミュージシャンの記述はありませんが、最後の
Cornell Campbellの「Queen Of The Minstrel」などを
聴くとStudio Oneあたりの音源のような気がします。

さて今回のアルバムですが、実は中古CDショップの
disk unionで411円というすごく安価で売られていた
アルバムです。
曲目とアーティストを見るとそこそこ良いし、ジャケも
悪くなかったので、なんかネタになれば良いかなぐらい
の軽い気持ちで買ってきました(笑)。

ただ実際に聴いてみるとこれがけっこう良いんですね。
このロックステディから初期レゲエぐらいの空気感が
うまく収められていて、とても聴き心地の良いアルバム
になっています。

収録されているアーティストは、The Uniques、Delroy
Wilson、Val Bennett、Lloyd & Devon、Horace Andy、
Dennis Brown、Ken Parker、Alton Ellis、Dave Parker、
Pat Kelly、The Wailers、Cornell Campbellといった
人達です。
この中でもLloyd & DevonやKen Parker、Dave Parker
といった人達は、今ではアルバムもほとんど手に
入らないくらいにレア化している人達です。
そしてその人たちの歌声も、有名な人に負けずに
良いんですね。
意外と「拾い物」のアルバムでした。

1曲目The Uniquesの「Love And Devotion」は、Slim
Smithが居た事でも知られるこのグループのヒット曲の
ひとつです。
ロックステディという時代の魅力が詰め込まれている
1曲です。

THE UNIQUES - LOVE AND DEVOTION


2曲目はこれまたDelroy Wilsonの歌声が素晴らしい
「Russians Are Coming」です。

3曲目Val Bennettの「Russians Are Coming」は、ジャズの
名曲Dave Brubeckの「Take Five」のメロディです。

Val Bennett - The Russians Are Coming


4曲目はLloyd RobinsonとDevon RussellのコンビLloyd &
Devonの「Bum Ball」です。
この曲は「Red Bum Ball」というタイトルでも知られていて、
そのリディムは「Red Bum Ballリディム」としてその後も
長く愛されています。

Lloyd and Devon - Red Bum Ball


5曲目はHorace Andyの「Don't Try To Use Me」です。
この曲もHorace Andyの代表曲のひとつで、「俺をもて
あそぼうとするな」という彼の泣き節がキマっている
1曲です。

6曲目はDennis Brownの「Stick By Me」です。
この曲もともとはJohn Holtのヒット曲のようですが、
このDennis Brownのヴァージョンもすごくイイです。
このアルバムの中でも白眉の1曲ではないでしょうか。

Stick By Me - D Brown


7曲目はKen Parkerの「Sad Mood」です。
これまたレアな人ですが、他と比べてもその歌声には
遜色のない魅力があります。

KEN PARKER - SAD MOOD


8曲目はAlton Ellisの「Room Full Of Tears」です。
こちらはベテラン歌手のちょっととぼけた魅力のある1曲です。

9曲目はDave Parkerの「Girl Of Dreams」です。
この人もかなりレアな歌手ながら、この曲がまたすごくイイ曲
なんですね。
このアルバムの隠れた目玉曲と言っても良いかもしれません。
すごく魅力的な1曲です。

Girl of Dreams-Dave Parker


10曲目はPat Kellyの「12th Of Never」です。
Pat Kellyはロックスディから初期レゲエの頃に活躍した歌手で、
その後もエンジニアとしてレゲエの発展に貢献した人です。
ここでも素晴らしい歌声を聴かせています。

11曲目はThe Wailersのロックステディのヒット曲
「Chatter Box」です。
「おしゃべり野郎」というちょっと面白い曲ですが、Bob Marley
という人に本当に歌の才能がある事がよく解る1曲です。

そしてシメの12曲目はCornell CampbellのThe Eternals時代の
名曲「Queen Of The Minstrel」です。
この曲ものちの時代になっても繰り返しリディムが使われている
名曲中の名曲ですね。

こうして見ていくと、とても「屑アルバム」とは言えない内容
なんですね(笑)。
リディムで言うとVal Bennettの「Take Five」や、Lloyd & Devon
の「Red Bum Ball」、Horace Andyの「Don't Try To Use Me」、
Cornell Campbellの「ueen Of The Minstrel」など魅力的な
リディムが揃っているし、レアなアーティストではKen Parker
にDave Parkerという人が入っているし、有名どころでは
Dennis BrownにHorace AndyにAlton Ellis、The Wailersと
うまく網羅しているんですね。
そして何よりこのロックステディから初期レゲエの時代の
空気感がこのアルバムにはあります。
まさに「Golden Rockers」という感じなんですね(笑)。

もちろん大金を出して買うほどではありませんが、手軽に
名曲を楽しむには悪い選択ではないかもしれません。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Various
○アルバム: Golden Rockers
○レーベル: Blue Moon
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1990

○Various「Golden Rockers」曲目
1. Love And Devotion - The Uniques
2. This Whole Heart Of Mine - Delroy Wilson
3. Russians Are Coming - Val Bennett
4. Bum Ball - Lloyd & Devon
5. Don't Try To Use Me - Horace Andy
6. Stick By Me - Dennis Brown
7. Sad Mood - Ken Parker
8. Room Full Of Tears - Alton Ellis
9. Girl Of Dreams - Dave Parker
10. 12th Of Never - Pat Kelly
11. Chatter Box - The Wailers
12. Queen Of The Minstrel - Cornell Campbell