今回はのRoots Radicsアルバム

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「Clocktower Records Presents Prophecy Of Dub:
With Roots Radics」です。

Roots Radicsは80年代のダンスホール・レゲエの
時代に台頭したバック・バンドです。
この80年代に入ると、それまでThe Revolutionaries
などで中心人物だったSly & RobbieなどがBlack Uhuru
の海外公演などでジャマイカを空ける事が多くなるん
ですね。
それとともにルーツ・レゲエをけん引してきた
The Revolutionariesの演奏機会が減り、代わりに
出て来たのがこのRoots Radicsなんですね。

そして時代はルーツ・レゲエ→ダンスホール・レゲエの
時代となり、そのダンスホール・レゲエをけん引したの
がこのバンドだったんですね。
VolcanoレーベルのHenry 'Junjo' Lawesと組み、Scientist
の「漫画ジャケ・シリーズ」やBarrington Levyのバック、
さらには今回のプロデューサーと組んだダブ・アルバムなど、
多くの作品をこの80年代初めのまだデジタルになる前の
ダンスホール・レゲエの世界に残しています。

今回のアルバムはネットで調べたのですが、はっきりした
制作年が解りませんでした。
ただ80年代の前半に作成された音源であることは間違い
がありません。

また今回のアルバムは、Clocktowerレーベルのアルバム
にしては比較的音質が良いのですが、裏ジャケの記載に
誤りがあります。
裏ジャケにはCDボーナス・トラック2曲を含む全14曲
の記載があるのですが、その2曲のCDボーナス・トラック
が入っていません。
13曲目「Heartbreakers Dub」と14曲目「Turkish Bath
In Dub」が、CDボーナス・トラックとして入っている事に
なっているのですが、入っていないんですね(笑)。
まあ、このClocktoweレーベルではよくある事なんですが、
購入の際にはその事を理解したうえで購入してください。

全12曲で収録時間は42分25秒。
裏ジャケには13曲目「Heartbreakers Dub」、14曲目
「Turkish Bath In Dub」と2曲のCDボーナス・トラックが
ある事が書かれていますが、実際にはCDボーナス・トラック
は入っていません。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Rhythm Guitar: Bingy 'Bunny' Lamont
Bass: Earl 'Flabba' Holt
Drums: Lincoln Valentine 'Style' Scott
Lead Guitar: Dwight Pickney
Organ: Wycliffe 'Steely' Johnson
Piano: Gladstone Anderson
Sax: Dean Fraser, 'Deadly' Headly Bennett, Dave Madden
Trumpet: Bobby Ellis
Trombone: Vincent 'Don Drummond Jr.' Gordon
Percussion: Bongo Herman

Produced by: Nkrumah 'Jah' Thomas

となっています。

プロデューサーはJah Thomasで、このダンスホール・
レゲエの時代に活躍した人ですよね。
寝ていたTriston Palmaをたたき起こして夜中に
レコーディングしたなんていう話も残っている人
です。

ミックスが誰なのか、載っていないのがちょっと
残念なところです。

今回のアルバムでサックスが効いている曲がけっこう
ありますが、Dean Fraserに'Deadly' Headly Bennett、
Dave MaddenトランペットにBobby Ellis、トロンボーン
にVin Gordonという魅力的な布陣が演奏しています。

さて今回のアルバムですが、正直なところ何曲か
聴き覚えのある曲が入っているような…。
このJah ThomasとRoots RadicsがClocktower出だした
アルバムってけっこうあるのですが、ちょっと似た
音源が入っている傾向があります。
その点は少し残念なんですが、このダンスホール・
レゲエの時代の空気感をよく伝えるアルバムです。

この初期のダンスホール・レゲエのダブのノリって、
ルーツ・レゲエの時代のノリと較べると、すごく
ユルい感じのノリなんですね。
ルーツ・レゲエの時代は攻撃的なミリタント・ビート
とか、メリハリの聴いたノリだったんですが、この
時代になるとスローなワン・ドロップが流行っていて、
すごくユルい感じのノリになるんですね。
この辺はちょっと慣れの必要なノリかもしれません。
解って来ると独特の面白さのあるノリです。

11曲目「African Drum Dub」は、ロックステディ時代
のThe Heptonesの名曲「Pretty Looks Is't All」の
リディムです。

有名なリディムは何回でもどの時代になっても使う、
そういうところもレゲエの面白いところかもしれません。
他の曲ははっきりとは解りませんでしたが、有名な
リディムがいくつか使われているものと思います。

ちょっとVolcanoレーベルのHenry 'Junjo' Lawesの
細部まで行き届いた「仕込み」と較べると、多少
設定が荒い気がしますが、それでも彼らの何とも言えない
気持ち良いユルさが味わえるアルバムだと思います。

ダンスホール・レゲエの好きな人、ダブな好きな人は
おススメ出来るアルバムだと思います。

機会があれば聴いてみてください。

Roots Radics live on TV Part 1



○アーティスト: Roots Radics
○アルバム: Clocktower Records Presents Prophecy Of Dub:
With Roots Radics
○レーベル: Clocktower
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: Unknown

○Roots Radics「Clocktower Records Presents Prophecy Of Dub:
With Roots Radics」曲目
1. Prophecy In Dub
2. Wayward Dub
3. Followers In Reggae Dub
4. Jah's Word In Dub
5. Unity Of Dub
6. Knowledge Of The Higher Dub
7. Words Of Cleanliness Dub
8. Shape Of Dub
9. Leave The Wicked Way Dub
10. Dub Of Life
11. African Drum Dub
12. Moods Of Love In Dub

●今までアップしたRoots Radics関連の記事
〇Roots Radics「A Rubba Dub With Roots Radics」
〇Roots Radics「Forward Ever, Backwards Never」
〇Triston Palma「Show Case: In A Roots Radics Drum And Bass」
〇Various「Different Fashion: The High Note Dancehall Collection」