今回はTiken Jah Fakolyのアルバム

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「Francafrique」です。

Tiken Jah Fakolyはアフリカのコートジボワール
出身のレゲエ・シンガーです。
彼はアフリカのために歌い、アフリカのために戦う
真のシンガーです。
その為今は祖国を追われフランスで暮らしている
んだとか。

今回のアルバムは2002年の作品で、Sly & Robbie
やEarl 'Chinna' Smithといったアーティストも参加
した彼の代表作のひとつです。

全12曲で収録時間は51分25秒。

実は今回のアルバム、コートジボワールはフランス語圏
なのでアーティストの表記がフランス語なのでよく
解らないんですよね(苦笑)。
例えばDrumsの事は「Batterie」らしいというのは、
後ろにSly Dunbarの名前があって何となく解るんですが、
何の楽器かよく解らないのが多いんですよね。
とりあえず大文字で書いてあるジャマイカのアーティスト
はある程度解るので書いておくと、

プロデュースがTylone Downieで、ドラムがSly Dunbar、
ベースがRobbie Shakespeare、ギターがEarl 'Chinna' Smith、
あとTylone Downieが「Claviers」という楽器を演奏して
います。(パーカッションか何かですかね?)
他に小文字でアフリカのアーティストと思われる名前が
たくさんあるのだけれど、何の楽器かは不明です。

他に2曲目の「On A Tout Compris (Manger Cratie)」に
Anthony B、3曲目の「Justice」と8曲目の「Missiri」に
U Roy、5曲目の「Y'en A Marre」にYaniss Oduaという人
が参加しています。

さて今回のアルバムですが、2002年シンコー・
ミュージック刊行の本「Roots Rock Reggae」のこの
アルバムの紹介文には「孝」さんという方の文章で次の
ような文章があります。

「アフリカに自由、正義と平等を。現地のディウラ語と仏語、
英語で歌われるメッセージはそこに集約される。”目を覚ませ!
フランスの外交はヒデえインチキだ。アメリカの外交は破滅的
な冗談だ”と歌う冒頭のタイトル曲以下、植民地主義以来続く
列強のエゴ、内政腐敗の元凶を、胸のすくザ・直接表現で
ブッタ切る。」
(「Roots Rock Reggae」「孝」さんという方のアルバム評より)

つまり彼の歌はアフリカのために歌う「プロテスト・ソング」
なんですね。

ある意味レゲエの精神である「プロテストする心」を
一番よく引き継いでいるのは、彼Tiken Jah Fakolyや同郷の
Alpha Blondy、南アフリカのLucky Dubeといったアフリカン・
レゲエ・アーティストなんですよね。
そういう彼らの姿勢には本当に敬意を感じます。

もともとレゲエというのは、当時ジャマイカの最下層に
置かれていた黒人層に広まった「ラスタファリズム」という
宗教を、精神的な柱にして成長して来た音楽でした。
ラスタファリズムは黒人民族主義の指導者Marcus Garveyの
予言をもとにして、エチオピア皇帝ハイレ・セラシエ3世
を現人神と崇め、アフリカ回帰を謳った宗教でした。

マーカス・ガーベイ - Wikipedia

つまりはレゲエの原点は、アフリカへの強い憧れだった
んですね。
70年代のレゲエ・アーティストはアメリカへの幻想を捨て、
アフリカに回帰する事を願って、歌を歌ったんですね。

そんな彼らのプロテスト・ソング「レゲエ」は、世界的に
ブレイクする事になるんですね。
そしてその歌は「本場アフリカ」にも届き、新たにアフリカ
でプロテストする人たちの力になって行くんですね。
今もっとよくレゲエの精神を受け継でいるのは、この
Tiken Jah Fakolyをはじめとするアフリカン・レゲエ・
アーティストかもしれません。

実際に今回このTiken Jah Fakolyの事などを調べてみると、
彼自身も命の危険にさらされながら活動をしているらしい
です。
実際に彼を殺すように命令された警官が彼のファンで、
彼らの力も借りて海外に逃げ延びたというエピソードも
ネットには書かれていました。
それほどの危険を冒してまで、銃ではなく歌で戦い続ける、
彼らは間違いなくアフリカの「英雄」であり誇りなのです。

そして彼らはレゲエの「精神」も護っているんですね。

実際のサウンドとして聴いた感じは、レゲエとアフリカン・
ミュージックの間といった感じの音です。
正直なところフランス語で歌われる歌詞の内容はよく解り
ませんが、1曲1曲が心に響く内容です。
Sly & Robbieなどのバックの演奏もズシッとした手ごたえが
あります。

ちなみにアフリカン・レゲエに見られる男性ヴォーカルに
女性コーラスというスタイルは、Bob Marley & The Wailers
のPeter Toshなどが脱退後にとった、女性コーラスI Three
を付けたスタイルに影響を受けたものだと言われています。
多くのアフリカン・アーティストがそのスタイルをとって
いるんですが、その辺にも彼らのBob Marleyに対する敬愛が
感じられます。

英雄は次の英雄を作る。
レゲエの精神の遺伝子はアフリカの地にも生きています。

このアルバムはアフリカの「英雄」Tiken Jah Fakolyを
代表する作品のひとつだと思います。

機会があれば聴いてみてください。

Tiken Jah Fakoly - Francafrique (Clip HQ )


Tiken jah fakoly - Le pays va mal



○アーティスト: Tiken Jah Fakoly
○アルバム: Francafrique
○レーベル: Barclay
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2002

○Tiken Jah Fakoly「Francafrique」曲目
1. Francafrique
2. On A Tout Compris (Manger Cratie) - featuring Anthony B
3. Justice - featuring U Roy
4. Soungourouba
5. Y'en A Marre - featuring Yaniss Odua
6. Le Balayeur
7. Nazara
8. Missiri - featuring U Roy
9. Africa
10. Le Pays Va Mal
11. Politiciens
12. Delovrance

Tiken Jah FakolyのビデオをYouTubeで調べていてこういうのも
見つけました。
エボラ出血熱に対して「Trust The Doctor」、つまり「医者を
信じよう」と訴える啓発のバンド・エイドにTiken Jah Fakoly
をはじめSalif Keitaなどアフリカの一流ミュージシャンが参加
したビデオのようです。

Africa Stop Ebola - Tiken Jah Fakoly, Amadou & Mariam, Salif Keita, Oumou Sangare and others.