今回はEarl Sixteenのアルバム

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「Wondrous Works」です。

Earl Sixteen70年代のルーツ・レゲエの時代から
活躍するシンガーです。
彼の名前の由来は、彼がBoris Gardinerのバンド
The Boris Gardiner Happeningのヴォーカリストを
していた時代に、バンド仲間がどんどん体の大きく
なる彼をからかって「いくつなんだ?」と聞いた
ところ、「16(シックスティーン)」と答えた
からなんだそうです。
弱冠16歳でプロのバンドのヴォーカリストに
選ばれるほどに秀でた才能の持ち主だったんですね。

彼が本格的にソロとして活動を始めるのは80年代
に入ってからなのですが、その70年代に学んだ
ルーツ・レゲエというものを守り続け、長きに
わたって活動を続けるルーツ・シンガーです。
近いところでは2014年のAugustus Pabloの息子
Addis Pabloのソロ・アルバム「In My Fathers House」
でも、2曲目「Evolution」で魅力的なヴォーカル
を披露しています。

Earl Sixteen (アール・シックスティーン)

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Addis Pablo - In My Fathers House

今回のアルバムはそのEarl Sixteenが1997年に
Gussie Pレーベルから出したソロ・アルバムです。
90年代のアルバムなので、バックにはGussie Pの
ほかMfia & FluxyやSly Dunbarなどが参加しています。

全13曲で収録時間は59分19秒。
ネットで調べてみたところオリジナルは10曲で、
最後の3曲はCDボーナス・トラックのようです。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

Produced by Gussie P
Recorded and Mixed by Gussie P
Photography by Harp
Artwork by O.G. Mac Graphics

Players of Instruments:
Drums: Dave Fluxy, Sly Dunbar, Gussie P
Bass: Leroy Mafia, Gussie P
Keyboards: Leroy Mafia, Gussie P
Guitars: Robbie Valentine, Neres Joseph
Trombone: Henry Tenyue
Saxophone: Winston Rose

Recorded at V.W. Studios, Mafia & Flxy Studios, A Class Studio,
Easy Street Studio, Penthouse Studios

となっています。

さて今回のアルバムですが、この97年頃という
のは70年代のルーツ・レゲエや80年代のダンスホール・
レゲエも一段落して、レゲエがだいぶ落ち着いた時代だと
思うのですが、彼Earl Sixteenは変わらずにルーツ・
レゲエを貫いていて、これがなかなか良いんですね。
この人自体がソロでアルバムを出し始めるのが80年代
頃からで、ルーツ・レゲエを歌う人としては「遅れてきた
ルーツ青年」といったところがある人なんですが、
それでも彼の歌には一点の曇りも無く、素晴らしい
歌声を聴かせてくれる人なんですね。

今回のアルバムはそうしたEarl Sixteenというシンガーの、
ルーツ・レゲエへの想い、こだわりがよく解るアルバム
だと思います。

1曲目「Foot Of The Mountain」はDennis Brownの曲
として知られている曲です。
この時代になるとバックもデジタルの要素が多く入って
来るけれど、彼の歌う心の中にはルーツへの想いが
込められています。
オリジナル2曲に続いてはAlbert Malawiの「
Children Of The Emperor」、さらにオリジナルの表題曲
「Wondrous Works」へと続きます。
7曲目はHugh Mundellの「Rastafari's Call」。
8曲目「Milk And Honey」はDennis Brownのヒット曲
としても知られるIn Crowdの曲です。
さらにオリジナル曲が2曲続きます。
10曲目「Quality Time」はオリジナル曲の中でも
珠玉の1曲です。
さらにボーナス・トラック3曲のラスト13曲目
「I'm Still Waiting」は、Bob Marleyの名曲です。

こうしてこのアルバムを聴いていくと、たとえ時代が
どんなに変わろうとルーツ・レゲエ、ルーツ・ミュージック
というものの魅力がけっして時代で変わるもので無いという
事を、あらためて教えられる思いがします。
彼Earl Sixteenの魂が変わらない限り、ルーツは彼の
心にいつも炎を灯し続けているのです。

音楽が変わるのではなくて変わるのは人の心なの
かもしれません。
人は移ろいやすく、魂はすぐに変わってしまう…。
それでも変わらぬ魂を抱き続ける人は居るのです。
この変わらぬ魂、折れない心を持った彼の姿勢は
素晴らしいと思います。

この90年代後半に折れない心を描いて見せた
Earl Sixteenのアルバムは、ルーツ・レゲエを愛する
人なら聴いておくべきアルバムのひとつと言える
でしょう。
ルーツ・レゲエの好きな人にはおススメです。

機会があればぜひ聴いてみてください。

Earl Sixteen - Let Jah [Indica Dubs]



○アーティスト: Earl Sixteen
○アルバム: Wondrous Works
○レーベル: Gussie P
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1997

○Earl Sixteen「Wondrous Works」曲目
1. Foot Of The Mountain
2. Trample Babylon
3. Menelik
4. Children Of The Emperor
5. Wondrous Works
6. Jah Jah Love I
7. Rastafari's Call
8. Milk And Honey
9. Survivors
10. Quality Time
11. Thinking About Your Love
12. Do It To Me
13. I'm Still Waiting

●今までアップしたEarl Sixteen関連の記事
〇Earl Sixteen「Babylon Walls」
〇Earl Sixteen「Showcase」
〇Earl Sixteen「Soldier Of Jah Army」